ブラックとミルクチョコ、身体にいいのはどっち?

Gourmet 2022.09.29

ブラックチョコレートは心臓、精神衛生、ストレスに良いとされている。ではミルクが加わったら効果はゼロになるのか? フランスのふたりの栄養学の専門家が解説!

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ブラックとミルク、本当はどっちの方がいいの? photo: Getty Images

ディナーで意見が分かれる話題と言えば(政治的意見を除いて)、ブラック対ミルクチョコレート論議だ。ブラックの複雑な苦味を好む人もいれば、滑らかでクリーミー、そしてより甘さのあるミルクチョコが好きな人もいる。好みは人それぞれだが、健康面から見るとどちらの方がいいのだろう。2人の専門家が決着をつける手助けをしてくれた。

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動脈には質のいいカカオ。

結論から言いうと、この対決の勝者はやはりブラックチョコレートだ。一番の理由はカカオの含有量。種類にもよるが、ブラックチョコには43%から100%のカカオが含まれる。これに対しミルクチョコは25%から40%だ。

栄養学専門の医師アフィッド・アルオルが言うように、カカオの割合が高ければ高いほど栄養効果は高く、食べた人の身体はその恩恵を受けるのだ。まずカカオには動脈硬化を予防する作用がある。フラボノイドなど悪玉コレステロールを減らし、血流を改善する抗酸化成分が含まれているからだとアルオル医師は説明する。

2008年、アメリカで高血圧の高齢者に対して行われた調査でもその効果は確認されている。15日間ブラックチョコレートを食べてもらったところ、血圧は下がり、血管の拡張は改善し、インスリン抵抗性にも改善が見られたと栄養学者のサラ・モニーは解説する。モニーはフランス政府の全国健康栄養プログラム(PNNS)認定の専門家でもある。

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そして、脳にも。

カカオ75%以上とラベルに書いてあるブラックチョコレートは、貴重な微量栄養素の源となり得るとモニーは言う。「骨の形成や筋肉の収縮に必要なリン、免疫システムを守ってくれる亜鉛と銅、そしてフリーラジカルの悪影響に対抗するために必要なマンガンなどが含まれています。さらに神経インパルス、疲労やストレスの調整をしてくれるマグネシウムもありますよ」

精神面の効果はこれだけでなく、カカオは2種類の神経伝達物質の作用を刺激してくれると彼女は付け足す。“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンと、脳に対して抗うつ作用のある精神刺激剤フェニルエチルアミンだ。チョコレートが衝動的な欲求を引き起こすのもそれが理由だと指摘する。

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2かけまで。

しかし、板チョコを丸ごと1枚食べてしまう前にちょっと待って。『Fake news santé(健康に関するフェイクニュース)』(1)という本の中で、フランス国立衛生医学研究所はチョコレートを奇跡の食品だと思ってはいけないと注意している。この本の著者たちは「ブラックチョコレートであっても、これらの成分はほんの微量しか含まれていない」と指摘している。

同様にどちらの専門家も節度のある食べ方を推奨しており、一日に1~2ブロック、すなわち30~40グラムに留めることをすすめる。ブラックチョコレートにはカカオだけでなく、飽和脂肪酸が多いカカオバターや砂糖が含まれているからだ。驚くなかれ、ブラックチョコレートはミルクチョコレートよりも脂肪が多くカロリーも高い(591対537kcal/100g)と、フランスで消費される食品の栄養素を調べる機関、Ciqual de l’Ansesが発表している。

しかしだからといって健康に悪いわけではない、と医師のアフィッド・アルオルは指摘する。「ブラックチョコレートはカカオ含有率が高いため食物繊維を多く含み、糖質と脂質の吸収を抑えてくれます。ミルクチョコには食物繊維は入っていません」

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添加された糖質には注意を

ではミルクチョコレートはおやつに適していないのか? そうとは限らない。栄養学者のサラ・モニーによると、避けるべきなのは糖尿病の人とラクトースやカゼイン(すなわち牛乳に含まれる糖質とたんぱく質)に不耐性を持っている人だ。それ以外の人は完全に排除する必要はないと言う。「多数ある嗜好品の一つであり、ミルクには骨の健康に不可欠なカルシウムが含まれています。」

とは言え、これも一度に食べるのは2ブロックにとどめておこう。「ブラックチョコ以上に、バランスのとれた食事と合わせて食べましょう。添加糖類が入っていますし、場合によっては甘味料や、ラクトースに自然に含まれる糖類もあります。一日で多量を摂取してしまうと、肝臓に過剰にストックされ、中性脂肪に変化し、体重の増加に繋がる可能性もあります」。やっぱりチョコレートファウンテンは避けるべきかも……

(1)『Fake news santé(健康に関するフェイクニュース)』、Laurianne Geffroy 、Léa Surugueとフランス国立衛生医学研究所の共著。éditions Cherche Midi, 269 pages, 14 euros

text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Hana Okazaki, Hide Okazaki

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