グルメ班のおいしいこぼれ話 Vol.6 フィガログルメ班がハマった、大人に刺さるスイーツ。
Gourmet 2023.08.23
フィガロのグルメ班が、足を使ってかき集めたおいしいネタを座談トーク! 最新ニュースから推しグルメまで、食いしん坊なら押さえておきたい耳寄り情報をテーマ別にお届け。第6回は低糖質かき氷からハイクオリティなスイーツまで、大人を満足させる甘い話を、本誌グルメ担当のまりモグとFIGARO.jpグルメ担当のYKが語り尽くします。
低糖質のひんやりスイーツで猛暑を乗り切る!
まりモグ(以下M) 毎日まだまだすごく暑いので、まずはひんやりネタということで、低糖質のかき氷の話題から。
YK(以下Y) カロリーゼロの自然派甘味料「ラカント」を作っている会社がやっている、低糖質のカフェ・ダイニング「神宮前らかん・果」では、今年も新作のかき氷が3種類出ています。今年の味は、抹茶、白桃、珈琲。先日試食しましたが、いずれも大人の味というか、男である僕でも普通に楽しめちゃう。ラカントの甘さを活かした味付けになっていまして。特におすすめなのが珈琲ですね。別添えのコーヒーゼリーも楽しめたうえで糖質8.7gって、なかなかできないんじゃないでしょうか。
M 普通のかき氷だと、確かかき氷ひとつで糖質が30gとかしますよね。
Y シロップの段階でラカントを使うのがポイントですね。おもしろかったのが、羅漢果(らかんか)茶を使ったスイーツ。羅漢果の実をお茶にした商品があるんですけど、お湯を入れると甘いお茶ができるんです。それを寒天で固めてゼリー状にしているんですが、自然な甘さでとてもおいしく仕上がってました。
M ほろ苦さみたいなのもありましたよね。
Y そうですね、甘さだけじゃない味わいがすごく美味でした。
M 抹茶のかき氷には白玉みたいなものが乗っていましたが、実際は白玉ではないんですよね?
Y 牛乳寒天ですね。それもローファットのものを使っているそうですよ。白玉だとものすごくカロリーが高くなってしまうので、食感を似せながらもカロリーが上がらないようにするといった工夫をすごくされているんですよね。
M なんか「プロジェクトX」みたいな開発話で、カロリーオーバーしないように試行錯誤しながら、寒天とか使ってる感じでしたよね。
Y 小豆の個数まで数えるみたいなことを言ってましたからね。あと、マスカルポーネのクリームもめちゃくちゃおいしくて。
M うんうん、クリームもすごく良かったです。
Y ある種、単調になりがちなかき氷に、味変というか、ちゃんとアクセントを加えてくれて。しかも3種類すべてにこだわりが見て取れる。
M 私は抹茶がいちばん好みでした。
Y 9月30日まで楽しめますので、暑い日にはぜひ。余談ですけど、ラカントを自宅で結構愛用していまして。料理に使うこともあるんですけど、モヒートってあるじゃないですか、カクテルの。普通はガムシロップを入れますよね。ガムシロとか砂糖とか、黒っぽい砂糖を使うのが主流ですけど、ちぎったミントをラムにいっぱい入れて、氷を加えて炭酸でフルアップするときに、ラカントで甘さを調整するとすごくおいしくなります。なぜなのかわかんないですけど。
M 植物同士だからじゃないですか?
Y 白糖より黒糖を入れる方がおいしかったりして。キューバに行ったバーテンダーの友人は、粗めの砂糖を使ったりするんですけど、若干似てるのかな。ラカントが粗いっていうのではなく、直線的な甘さが共通してるんですよね。特に夏場はすごくおすすめです。
M スイーツの話が、いつの間にか酒の話に(笑)。「らかん・果」では、マドレーヌとかサブレとか焼き菓子も売ってますが、全て低糖質なので手土産にもいいんじゃないかと。バターのコクといったものはないけれど、優しい甘みのおいしいマドレーヌでしたね。特に女性には喜ばれそう。
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具材の組み合わせが秀逸! 大人のクレープ片手に街を散策。
M 個人的に気になってるスイーツといえば、クレープですけど、新しい店も続々とできていますね。おしゃれクレープもあれば、原宿の竹下通りにあるような生クリームたっぷり系もあったり、実にさまざま。人気パティスリー「ミーガン」は、もともと渋谷にあったのが、下北沢のリロードっていう線路の跡地である商業施設の一角に移りました。
こぢんまりとした店にはちょっとしたショーケースがあって、生ケーキ10種類ぐらいと焼き菓子があるんですが、クレープがテイクアウトできるようになりました。これがまた、イチジクとロイヤルミルクティーだとか、組み合わせがいいんですよ。ストロベリーマスカルポーネっていう、ちょっと大人向けのクレープもありましたが、重たくなくてペロッといけちゃう。ちなみに「ミーガン」は、チーズケーキやタルトが名物ですけど、フルーツにも凝ってて、名産地のフレッシュなフルーツを使うことが多いんです。広島県瀬戸田のレモンをレモンタルトにしたり、和歌山のみかん農園のオレンジはシブーストのタルトにしたり。食べ応えがあって満足感があるタルトなので、クレープと同じぐらいおすすめです。クレープもアントルメも、季節によってラインナップは変わるそうです。あと、渋谷にあった頃、「トレス・レチェ」っていうケーキが、大のお気に入りで。スペイン語で「3種のミルク」って意味だと思うんですけど、牛乳、ココナッツミルク、コンデンスミルクの3種のミルクをたっぷり使ったミルクケーキというか、生クリームケーキなんですけど、これが下北沢でも買えるので、また通おうかなと思ってます。余談ですけど、ここの目と鼻の先に、高校時代に通っていた塾があって。自分が学生だったら、塾に行く前にここで食べてただろうな~。780円とか830円とか1,000円弱ぐらいするので、高校生にはちょっと値段は高いかもですが。とにかく大人でも楽しめるクレープなので、これからもっと流行るんじゃないかなと。
Y なんでいまこんなにクレープが流行ってるのでしょうね。
M 質が良いものがすごく増えてきているような気がしますね。
Y ナチュラルクレープの系列店も、いろんなところで見ますね。小田急沿線だと、下北にも経堂にもあるし。クレープブームも来てるのかなって感じますね。
M うんうん。ドーナツに続いて、次はクレープのブームが来つつあると思うんですけど、もっと広がりが出て、選択肢が増えていくようになると楽しくなりそう。
Y 面白くなりそうですよね。やっぱり、手で持ちながらっていうのが受けているというか。邪魔をしないっていうのがポイントだったり。
M 食べ歩きにぴったりなんですよね。リロードの店舗も外にベンチがあるんですけど、ゆっくり座って食べるって感じじゃなくて、やっぱり街歩きのお供っていうイメージが強いのかも。
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スナック感覚で楽しめる、甘くないバターサンドをお酒のお供に。
M 大人ネタでもうひとつ。通販をメインに販売しているバターサンドで「リューン・バレーヌ」っていう新ブランドがあるんですが、“お酒を愉しむためのバターサンド”を提案しています。おもしろいのが、甘いものだけじゃなく、塩気をきかせたスナックっぽいバターサンドもあって。たとえば、サーモンケッパーとか、エダムチーズを使ったものとか、いい感じに塩っ気が効いててお酒のつまみになるんですよ。そういったスナック系バターサンド2種類と、甘過ぎないスイーツ系バターサンドはクランベリーカシスとオレンジブランデーの2種類。この4つのラインナップが箱に入って冷凍で届きます。考案したのが女性なんですけど、冷凍庫に入れておいて、ひと休みしたいときに解凍して食べる、ちょっと贅沢なおやつといった位置づけみたいです。とはいえ、やっぱりお酒が飲みたくなる味わいなので、日中のおやつとしてだけじゃなく、パーティでも活躍しそうですね。人を招いたときに、最初の1杯のつまみにいいんじゃないかなと。男性でもいけると思うんですけど、どうでしょう?
Y いまサイトを見ましたけど、クジラの箱でまあ可愛いこと。
M 甘いのも好きなんですけど、しょっぱいのもいいなぁと。カナッペ的に楽しめるというか。絶対にお酒の好きな人がつくったんだろうなっていうバターサンドで。紅茶とも合うと思うんですけど、やっぱりお酒が飲みたくなる味なので、大人向けのバターサンドっていう感じ。
Y やっぱりバターサンドって、贅沢なところも含めて大人のお菓子ですよね。
M 1個で満足感というか特別感もあるし。冷凍庫から出して半解凍だと10分、しっかり解凍する場合は30分で食べられるっていうのも主婦の方に喜ばれるのかな? 4つの味が全て2個ずつ入って税込みで3,500円です。
Y 自分用のお菓子というよりは、お持たせって感じですかね。それこそホームパーティで男性もいるって時に、ケーキよりこっちの方が良いような? パーティを準備する立場で言うと、最初につまめるものがあると待たせなくていいっていうのはありますね。オードブルも用意するけど、凝ったものはできないし。こういったバターサンドをさっと出して、皆にはとりあえず泡でも飲んでもらって、その間に料理を仕上げるっていうのが理想かも。
M うんうん。あとはもうお値段次第ってとこですかね? あるとうれしいけど、持ってきてもらえるとさらにうれしい。今後は違う味のものもさらに出てくるかもしれないので、注目してるんですけど、相変わらずバターサンドのブームは続いているようです。
Y こちらのはボリュームも結構ありますね。
M 満足感はあるかなと思います。あと、ホームページにペアリングの提案がちょっと出てるんですが、それが個人的に面白いなあと思っていて。
Y 「THE WINE STORE」の横川さんが提案されていますね。
M そうそう。編集部からも割と近い中目黒のナチュールのお店の。
Y あとはワインライターの水上彩さんや、若いソムリエールの西山妙弥さんがコメントを寄せているのですが、皆さん女性目線でペアリングを提案してくれていて。
M 「クランベリーカシスは、やわらかな酸があるローズヒップティーにも合う」とか。
Y 「サーモンペッパーは、南イタリアやトルコ、ギリシャなどの地中海沿岸の地域で造られたワインから選んでみましょう」とありますが、海が近い産地のものを選べってことですかね。
M なるほど、結構マニアック! エダムにはビールが良いそうです。私がいただいたビールは、ちょっと酸味があって、すっきりとした感じのジュラのものだったんですけど、さすが「THE WINE STORE」っていう感じの面白いセレクトでした。
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パティシエが交代したマンダリン オリエンタル 東京の新作をチェック!
M 三越前にあるマンダリン オリエンタル 東京のパティシエが変わって、先日お披露目会に行ってきました。エグゼクティブ ペストリーシェフに就任したのは、フランス出身のファビアン・マルタンさん。ファビアンさん考案のケーキを11種類食べました。
印象的だったのは、ライムココナッツっていう、全体的にココナッツの見た目なんだけど、中に生姜で風味付けしたライムのクリームとパイナップルのコンフィが詰まったケーキでした。これは夏らしくて本当によかったですね。あとは、フランス人のシェフって柚子とか抹茶を結構好まれると思うんですけど、この方も柚子ショコラっていう、チョコレートに柚子を合わせたものをつくってましたね。
他にも、マンゴーのムースと抹茶のスポンジを合わせたものとか、そういう組み合わせも面白かったです。もともとマンダリンってケーキがものすごく評判ですが、前のシェフが考案した「KUMO」っていう見た目が本当に雲みたいなケーキが一時期大人気で。女子が長蛇の列をなしていたこともあったんですけど、またこういうニューフェイスが登場して。今後もまた新しい味が出てくるかと思うと、とても楽しみです。ただ、ホテルのケーキってやっぱりちょっとお高めですよね。テイクアウトでどれも1000円以上する。さっきのライムココナッツだと、1242円。ちょっと特別感ありますが、たまの贅沢には良さそう!
https://lakan-ka.jp/
https://lune-baleine.com/
YK/大学時代、元週刊プレイボーイ編集長で現在はエッセイスト&バーマンの島地勝彦氏の「書生」としてカバン持ちを経験、グルメの洗礼を浴びる。ホテルの配膳のバイト→和牛を扱う飲食店に就職した後、いろいろあって編集部バイトから編集者に。好きなものはオーセンティックバーとトラットリア。現在、目前に迫るワインエキスパートの二次試験に向け、ワインに溺れる毎日。
text: Eri Arimoto