フランチャコルタとペアリングを楽しむ会、大好評だったイベントをレポート!
Gourmet 2023.11.18
11月7日、大手町のイタリアン「トラットリア・クレアッタ」でイタリアが誇るスパークリングワイン、フランチャコルタを料理とともに味わうイベントが開催された。
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食を彩り、友人・家族との繋がりをもたらすワインについて、自分らしく楽しく学ぶコミュニティ「フィガロワインクラブ」。その第1回目の講習会として開催されたのは、イタリア・ロンバルディア州のスパークリングワイン、フランチャコルタのペアリングイベント。フランチャコルタを愛してやまない情熱派から、名前は聞いたことがあるがどんなものかは知らないという読者まで、幅広い17名の参加者がトラットリア・クレアッタのディナーの席に着いた。講師を務めたのは宮嶋勲。1983年〜86年に新聞記者としてローマに勤務、その後ワインジャーナリストとして活動を開始。イタリアで最も重要視されるワイン専門誌「ガンベロロッソ」の執筆に携わり、ワイン評やレストランの覆面審査員を10年務めた経験を持つ、イタリアワインの魅力を知り尽くすジャーナリストのひとりだ。
「フランチャコルタは発足して60年ほど。シャンパーニュが300年以上の歴史を持っているのに比べるといかに後発かが分かります。そのため、シャンパーニュより2ヶ月長い熟成の規定を設け、使用できるブドウ品種を絞り込むといった厳しい条件をあえて自分達に課して、高品質なスパークリングワインを生み出す土壌を作ったのです」
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「フランチャコルタはシャンパーニュより日射量が多く温暖で、しかしアルプス山脈の麓に存在するため夜間は気温が下がります。この寒暖差によって、酸が穏やかで糖度も十分なブドウに成長するのです。とはいえ、ワインは食卓を囲んで楽しい時間を作り出すための道具のひとつ。あまり肩肘を張らず、まずは飲んで楽しんでみましょう!」
そんな宮嶋の言葉とともに、会は和やかにスタートした。
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いちばん最初に供されたのはマイオリーニ。フランチャコルタ北東部の石灰質土壌で育つブドウは、しっかりとしたミネラル感を持つワインへと変化を遂げる。リンゴのような果実感の後に、爽やかな柑橘系の酸味が余韻としてスッと尾を引く。このミネラル感と酸に合わせたいのは魚介類だ。
「フランチャコルタにはイゼオ湖という湖が、また近郊のミラノでは海の新鮮な魚も届きます。『泡モノには魚介』という定説は結構当てはまるものだと思います」
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イタリアといえばパスタの国。 ちょっとしっかり目の味わいには、黒ブドウの腰の強さも感じるロゼがよく合う。
「日本ではロングパスタの方が主流ですが、イタリア人は結構な割合でショートパスタも食べていると思います。カサレッチェは溝のあるショートパスタ。ソースが絡みやすくておいしいですね。このバローネ ピッツィーニのロゼはピノ・ネロが主体、フランスだとピノ・ノワールと呼ばれる品種です。力強さを感じる余韻や酸味は、油を使った料理の良いアクセントになりますね」
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旨味まで感じさせるふくよかなフランチャコルタは、魚介などの前菜だけでなく、実はパワフルなメイン料理にも合わせられる実力者。
「フランチャコルタ地域のレストランに行って、アペリティーヴォから前菜、パスタ、メインに至るまですべてフランチャコルタの泡で通してコースを味わったことが何度もあります。このジェノヴェーゼソースのモツ料理もめちゃくちゃおいしいですね! ベラヴィスタはどこかブリオッシュのようなパンの香りを感じ、蜂蜜、蜜リンゴ、アーモンドのような風味が楽しめ、力強い料理にも全然負けない豊かさがあります」
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「イタリアらしさ、というもののひとつに『手仕事を大事にする』こと、『おしゃれなデザインが大好きである』ということも挙げられると思います。このマイオリーニのラベルやベラヴィスタのボトルの形をご覧ください。イタリア人の美意識にこだわる様子、伝わるでしょう?(笑)」
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食事中、他にもイタリアの現地の様子やワインにまつわる質疑応答、参加者自身のワイン経験までさまざまな談義で盛り上がった。フィガロワインクラブは12月より特設サイトを公開予定、今後もさまざまなイベントを開催していく計画だ。続報、乞うご期待!
text: madame FIGARO japon