いま行きたい店、2023年最新版。 ライブ感もごちそう! カウンターが楽しいフレンチ。
Gourmet 2023.12.23
シェフの技を間近で眺めながらいただく、ライブ感満点のフレンチが楽しい。ハレの日のディナーや気鋭シェフの一軒まで、いま行くべき旬のリスト。
1. キノ[ 代々木 ]
2. レストラン デスティナ[ 銀座 ]
3. ツムギ[ 中目黒 ]
4. アノー[ 神保町 ]
5. セリュー[ 六本木 ]
KINO_|キノ
[ 代々木 ]
名物はフレンチ版イカ飯!札幌の人気店が東京へ。
料理はいずれも¥17,600のコースから。前菜の「明石のサワラ 炭火」。刺し身でも食べられる新鮮なサワラを表面だけ炙り、醤油やカボス、バルサミコ酢等で作る和風のドレッシングで和えた。
札幌の1ツ星レストランが東京に進出!と、いま話題のレストラン。「独立して10年の節目に新たな挑戦をしたかった。フレンチの殻を少し破りたいというのもあり、移転を決めた」とは木下雄介オーナーシェフ。それまでのクラシックなフレンチを基軸に、東京の新店舗ではジャンルを超えた料理を提供。北海道の郷土料理、イカ飯をフレンチにアレンジしたスぺシャリテもそのひとつ。道産食材をはじめ、明石直送の魚など厳選素材を活用したひと皿ひと皿が魅力だ。
イカの中にウニのリゾットを詰めた「フレンチ風イカ飯」。ブールブランソースはイカの塩辛入り。発想は和食ながら見事フレンチに着地。カットする前に、ゲストにデモンストレーションしてくれる。日本酒を含めたワインペアリングはハーフ¥7,700、フル¥11,000
太い木の梁が印象的。木のカウンターと相まって落ち着いた雰囲気。
東京都渋谷区代々木1-37-4 長谷川ビル1F
tel:050-1807-6826
営)12:00~、13:00~、18:00~、19:30~
休)月 ※ほか不定休あり
要予約
Instagram:@kino_yoyogi
photography:Aya Kawachi
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Restaurant Destina|レストラン デスティナ
[ 銀座 ]
銀座を舞台に展開する、名シェフのリュクスなコース。
料理はすべて¥28,000のコースから。「133.9m上昇」と名付けた料理は、オマールエビとセップ茸のフリカッセ。オマールエビが生息する水深100mからこの店までが133.9mということからのネーミング。コクのあるアメリケーヌソースが旨味をプラスする。
銀箔の上に黒々と輝くキャビア、黒雪のごとくアイスクリームに降りかかる黒トリュフ等々、いかにも銀座らしいリュクスなディナーを、カウンタースタイルで楽しめるのが粋。パリや東京で研鑽を積み、巨匠アラン・デュカスの愛弟子といわれた上野宗士シェフが紡ぎ出す料理は、繊細にして精緻、それゆえ素材の持ち味がきちんと引き出されている。「133.9m上昇」といった謎解きのようなメニューも美味の小道具。フランスのグランヴァンと味わいたい。
「AKKAR A」は肉厚なクエを使ったひと皿。ケッパーやセロリを使ったソースとマッシュルームのスライスを添えている。
黒トリュフ入りのアイスクリームに、凍らせた黒トリュフを上から削り、雪のように見立てた贅沢なデザート「黒雪」
上野シェフの調理風景を目の前で楽しめるカウンター席は8席。8人まで入れる個室もある。
東京都中央区銀座6-12-12 サクラマークス612 10F
tel:03-6263-8904
営)18:00~20:00最終入店
休)日、月
要予約
https://destina-ginza.jp
photography:Tomo Ishiwatari
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Tsumugi|ツムギ
[ 中目黒 ]
グランメゾンで研鑽を積んだ、気鋭シェフのソースに恍惚。
料理はすべて¥16,500のディナーコースから。左から、「イチボ ソースベアルネーズ赤ワイン風味」、タルト生地にのせた「温前菜のトリップ ア・ラ・モード コンフィドセップ」
岩手県田村牧場の吊るし熟成短角牛にフィーチャーしたカウンターフレンチ。とはいえ肉々しい料理ではなく、牛頬肉はテリーヌに、トリッパの煮込みはセップ茸とタルト仕立てにするなど、緩急のあるコースで提供。最も注力するソースは、グランメゾンで鍛えた津野一平シェフの技量がうかがえる。塩パイで間接的に火を入れたイチボのメインも出色。しっとりとした食感の中、力強い旨味が後を引く。
前菜の「藁で香りをうつしたカツオとバターナッツのサラダ仕立て」。カツオの酒盗がアクセント。
漆塗りのカウンターが和の趣を感じさせる店内。津野シェフは、ロオジエやレカンで修業を積んだ新鋭。
東京都目黒区上目黒2-12-3 2F
tel:03-6452-2695
営)11:30~12:30L.O.、18:00~20:00L.O.
休)月
要予約
Instagram:@tsumugi_tokyo
photography:Tomo Ishiwatari
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Anneau|アノー
[ 神保町 ]
フレンチを軸に、異国のエッセンスを加えて。
料理は¥12,000のディナーコースから。メインの「山形牛のロティ ローストパブリカと自家製ラー油」。モモ肉は、フライパンで軽く焼き目をつけた後、オーブンへ、仕上げに炭火で炙って香ばしさを加えた。ワインはナチュールが主。グラス¥1,200~
仔羊のローストに自家製辣油、伊勢エビの料理にはバイマックル......どこかエスニックな香りを漂わせるユニークなフレンチに心惹かれる。それも「9月は中華、10月はスペイン、とコースのテーマを毎月決めて構成している」という早川歌輪シェフのポリシーゆえ。女性シェフらしいきめ細やかさに大胆さが共存した皿が秀逸。酵母からこだわった自家製パンもファンが多い。
パンも好評で、「パンの日」を開催。
店内はコの字形のカウンターのみ。
東京都千代田区神田神保町1-37-1 REDO神保町1F
tel:080-8888-8030
営)12:00~13:30L.O.、18:30~(月、火、金~日) 18:30~(木)
休)水
要予約
Instagram:@anneau_jimbocho
photography:Tomo Ishiwatari
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Sérieux?|セリュー
[ 六本木 ]
日本食材に着目した、洗練のモダンフレンチ。
料理はすべて¥8,800のおまかせコースから。アミューズ5種。手前右から時計回りに「白レバー/黒トリュフ」「出羽かおり 蕎麦/パンチェッタ」「比内鶏/リエット」「ラディッシュ/発酵バター」「シマアジ/チョリソー」
「日本の優れた食材に目を向け、伝統と革新を融合させた東京発信のモダンフレンチがコンセプト」とは大塚哲郎シェフ。言葉どおり、コースには青森産銀の鴨や「出羽かおり 蕎麦」など国産食材がずらり。伝統的な赤ワインソースを添えるなど、軽やかさの中にもフレンチの核は外さぬしっかりした味わいは、グランメゾン畑で研鑽を積んだ大塚シェフならでは。
メインの「銀の鴨」。バターをかけながら焼いた鴨に、赤ワインソースと鴨のレバーを混ぜたルアネーズソースを添えて。ソースのしっかりとした旨味が骨太。クラシックなひと皿。
トマト水をかけていただく前菜「発酵トマト/ムール貝」
天井高があり、ガラス張りの開放的な店内。コの字形のカウンター席のほか、6人掛けのテーブル席も用意。
東京都港区六本木7-4-4 アートシェル1F
tel:03-6432-9951
営)17:30~20:30L.O.(水~金) 12:00~13:00L.O.、17:30~19:30L.O.(土、日)
休)月、火
要予約
Instagram:@serieux_roppongi
photography:Tomo Ishiwatari
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*「フィガロジャポン」2023年12月号より抜粋
text: Keiko Moriwaki