シャンパーニュを愛する全ての人が訪れるべき、ルイナールの新たなビジターセンターとは?

Gourmet 2024.11.27

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1729年創業のルイナールが、本拠地のランスに新たなビジターセンターを完成させた。まもなく創立300周年を迎える最古のシャンパーニュメゾンが次の100年を紡ぐにふさわしい、東洋と西洋、過去といまを繋ぐパビリオンの誕生だ。

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新たにオープンしたルイナールのビジターセンター「二コラ・ルイナール・パビリオン」

シャンパーニュ地方の中心都市ランス。2015年、「シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ」としてユネスコの世界遺産に登録されたサン・ニケーズの丘に、ルイナールのメゾンがある。この丘の地下は古代ローマ人が建築資材の石灰岩を切り出した空洞が無数に広がり、現在はルイナールを含む6つのメゾンがシャンパーニュの熟成庫としてこの石切場跡(クレイエル)を利用している。

場所の名前がそのまま地名になったクレイエル通りの4番地にあるルイナールのエントランスをくぐると、石切場跡の内壁を模した回廊が続く。そして回廊を抜けた先に登場するのが、今年10月にオープンしたばかりの新しいビジターセンター「二コラ・ルイナール・パビリオン」だ。白い石造りの外壁に、全面ガラス張りのファサード。木製の屋根が緩やかな弧を描いている。

このパビリオンを設計したのは、大阪関西万博の会場デザインプロデューサーも務める建築家・藤本壮介。ルイナールのフレデリック・デュフォー社長は、「歴史的な建築物を現代的に再構築するにあたり、藤本さんが適任と考えました」と、コンペティションにより藤本を選んだ理由を述べた。

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描かれたのは「調和と対比」。

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新たな施設をデザインした藤本壮介。

このプロジェクトで藤本がテーマとしたのは「調和と対比」だ。

「東洋と西洋、新しいものと古いもの、それらを自然と調和させながら、どうコントラスト、つまり対比を打ち出せるかが課題でした。ルイナールの歴史、エレガンス、そしてソフィスティケーションをこのパビリオンに表現したいと思いました」

新しいパビリオンは中庭を挟み、メゾンの古い建物と向かい合う。ガラス張りのファサードは上部5分の3が白いグラデーションになっていて、建物が宙に浮き上がっているような視覚効果を生み出すとともに、強い直射日光を遮り、空調に要するエネルギーを削減するエコロジカルな効果もある。もっとも、ブドウ畑に生物多様性の回廊を設けたり、紙を素材とした革新的パッケージのセカンドスキンを導入するなど、サステナビリティにはことさら熱心に取り組むルイナール。太陽光と地熱発電で電力のほとんどを賄い、クレイエルの自然の冷気を建物内に導入することで冷房効果を高めてもいる。さらに緑化された屋根が炭酸ガスを吸収。ローエナジー、ローカーボンな造作となっている。

藤本の当初設計によれば建物はコンクリート造りの予定だったが、サステナビリティを考慮して石や木など天然素材を用いることに変更。資材の85%がランス近郊で調達された。石はランスの西50kmほどの距離にあるソワソンの石灰岩が選ばれている。総工費についてメゾンは明らかにしていないが、「天然素材への変更で100万ユーロ(約1億6000万円)の追加となった」とデュフォー社長。「しかし、それを払う価値があったと確信している」と述べる。

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パビリオンの内装を手掛けたのは、日本在住のフランス人インテリアデザイナー、グエナエル・ニコラだ。ホワイトを基調としたナチュラルなカラーコーディネートで、ルイナールの世界観を如実に表現。レセプション、バー、ブティックなどに分かれる屋内空間は無粋なパーティションで仕切られることなく、その代わりに設えられたのが細いパイプ状のルーバー。これもオーガニックのファイバー製でサステイナビリティに配慮されている。

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パビリオンの内部。白を基調とした光あふれる空間で、心ゆくまでシャンパーニュを味わったり、買い物を楽しむ時間が過ごせる

「建物が完璧なので、インテリアに手をつけたくありませんでした(笑)。自然をリスペクトし、すべて引き算によるミニマムな空間を目指しています。ルーバー越しに向こうが見えるけど、真っ直ぐにはそこまで辿り着けない。このルーバーで人の流れをコントロールしています」とニコラは語る。

ルイナール ブラン・ド・ブランが美しくディスプレイされたガラス張りのワインセラーは地下のシークレットセラーへと繋がり、そこにはドン・ルイナールのファーストヴィンテージである1959年をはじめ、貴重なボトルがアーカイブされている。またブティックでは通常のラインナップに加え、ここでしか手に入らないキュヴェも販売。ここで名前を明かすのが憚られる、マニア垂涎のボトルも揃っている。

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クレイエルのセラー内で出荷の時を待つシャンパーニュのボトル。

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そして、ルイナールで忘れてはならないのがアートである。フランス人のランドスケープアーティスト、クリストフ・ゴートランが手掛けた庭園には、エヴァ・ジョスパン、イェッペ・ハイン、トモコ・ソヴァージュなど、これまでルイナールのアートプロジェクト「カルト・ブランシュ」に参加した現代アーティストらの作品を展示。さながら屋外モダンミュージアムの様相を呈している。

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中庭を巡りながら、アートに触れ合う時間を。photography: Raul Cabrera
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こちらはエヴァ・ジョスパンによるアート作品「Capriccio」(2024年)。photography: Mathieu Bonnevie

シャンパーニュラヴァーならば次回のトリップで真っ先にスケジュールに入れるべき、魅力たっぷりのアドレスが登場した。

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クレイエル通り 4番
4 Rue des Crayères, 51100 Reims
https://www.ruinart.com/en-us/visitedescrayeresreims.html
問い合わせ先:
MHD モエ ヘネシー ディアジオ
https://www.mhdkk.com/brands/ruinart
YouTube:https://www.youtube.com/@Ruinart
Instagram:https://www.instagram.com/ruinart/

text: Tadayuki Yanagi

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