金沢美食の新アドレスは、東京から移住&進出の店。
Gourmet 2024.12.27
金沢旅の目的はやはり食! 料理人の豊かなクリエイティビティに惹かれ、訪れる人も多い。特に最近、東京から進出するオーナー&シェフの店が続々オープン。金沢の美食に新たな刺激を与えるレストランやカフェとは?
金沢グルメ、進化の裏に外からの刺激あり。
金沢は個人経営のオーナーシェフが多く、創造力を発揮しやすい環境。武士のもてなし、本膳料理に派生する加賀料理の継承に加え、このところは海外で修業し地元で起業する若手シェフのガストロノミーも話題に。
さらにここ数年、この地の新鮮な食材や歴史ある環境に惚れ込み、東京や大阪から移住や進出をするオーナー&シェフが金沢の美食を活性化。歴史的、立地的にも外からの文化を融合し、バランスを取ることに長けた金沢だから食文化が常に新鮮!
フレンチと和がこの地で出合い進化。
コーノ|KONO
料理人の家に育ち、東京のミシュラン2つ星フレンチや懐石料理店で修業した河野大介。「東京で競争するよりも」と移住し、2024年8月に自身の店をプレオープンした。フレンチと日本料理を折衷したイノベーティブフュージョンで少量多皿のコースは19品ほど。3時間近くとなるが油脂を極力抑え、食材の旨味を引き出したソースでいただく味わいは発見があり飽きさせない。土地や人との新たな繋がりで生まれた一皿からは、料理の喜びも伝わる。
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自然の恵みを慈しむ上品フレンチ。
レ・マイユ|Les mailles
金沢の人気フレンチを経て、自身の店をオープンした満田浩シェフ。街なかでなく、あえて自然豊かな土地を選んだのは修業したブルゴーニュに似た雰囲気だったから。店名は仏語で「繋ぐ」の意。自然に寄り添い、北陸の食材や人を結ぶ場を目指している。新鮮な地元食材を主役にした料理は無農薬ハーブなども使い、香り豊かに。奥行きや華やかさがあり、フレンチでありながら軽やかな味わい。うつわとの調和も美しい一皿が五感を刺激する。
石川県金沢市東御影町58-2
Tel:076-209-1200
営)12:00~13:30最終入店 18:00~20:00最終入店
休)火、水
https://lesmailles.jp/
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蔵前から金沢へ移転した人気カフェ。
茶室 ⼩⾬|Chashitsu Cosame
台湾出身のマオ・シュエンホェイによるお茶専門店が、2023年12月、東京・蔵前から金沢に移転リニューアル。紅茶やコーヒーとともに、系列の菓子屋シノノメのケーキも提供。若いスタッフの意見もあり、この地での再スタートに。広々とした店内で壁一面にティーカップを飾り、もう一方には雑誌や本、テイクアウトのお菓子や紅茶が並ぶ。以前の店同様、温かなヨーロッパ調の空間にグリーンのベルベットチェアを効かせて。街歩きのひと休みに。
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本格点心をモダンな空間で。
カイファン・ザ・パーラー|Kaifan the Parlor
金沢21世紀美術館近くの築100年以上の武家屋敷を改装した、本格点心とナチュラルワインを楽しめる店。歴史ある外観とコントラストをなすアーティスティックな内装デザインが特徴。上海出身で東京を拠点にグローバルに活躍する映像作家ユアンが、旅で訪れた金沢を気に入ってプロデュース。スペシャリテは手作りの点心「金の焼売」。甘エビや能登牛、加賀野菜の金時草など地元食材を使ったメニューもあり、金沢グルメに点心という新鮮なチョイスが可能に。
金沢市広坂1-9-20
Tel:076-205-6677
営)11:30~21:00L.O. ※時間帯により提供メニューが異なる。
休)月
https://kaifantheparlor.com/
●食材と価格は季節により異なります。
photography:Masato Shiga editting:Hiroko Koizumi