【フィガロジャポン35周年企画】 歴史あるワイン産地ボルドー。ソムリエ・松本有佑子が訪れた、多様なスタイルを見せる魅力的な生産者たち!
Gourmet 2025.08.20
PROMOTION
「ここぞという時にふるまわれる高級赤ワイン」のイメージが強いボルドー。ところが実際には、辛口白に甘口白、ロゼやスパークリングまで揃うバラエティ豊かなワイン産地だ。主力の赤も、近年は軽やかで飲み疲れしないタイプが登場。そのようないまのボルドーの魅力を伝えるべく「Join the Bordeaux Crew(ジョイン・ザ・ボルドー・クルー)」キャンペーンが始動した。新たな発見を求め、ボルドーワイン2025のプロフェッショナル・アンバサダーに就任したソムリエの松本有佑子がボルドーを訪ねる。

フランス南西部、大西洋に面したボルドー地方。いうまでもなくフランス屈指のワイン銘醸地として知られている。歴史的にも古く、紀元1世紀の中頃には古代ローマ人によってブドウ栽培がもたらされた。ボルドーではブドウ畑をもつワイナリーをしばしば「シャトー」と呼び、約4600のワイナリーと300のネゴシアン(※後述)がいるとされている。1855年の格付けに選ばれたメドック地区やソーテルヌ&バルザックの銘醸シャトーや、10年ごとに格付けが見直されるサンテミリオン地区やグラーヴの著名シャトーは、長期熟成が可能な偉大なワインを生むボルドーワインのイメージだ。
しかし実際にはもっとカジュアルに楽しめるワインを造る、キラリと光るシャトーがあまたある。そうしたボルドーワインの多様性、楽しさ、奥深さ、サステイナビリティ、そしてコストパフォーマンスの良さ......。「Join the Bordeaux Crew(ジョイン ザ ボルドー クルー)」のコンセプトを映すワインから、松本ソムリエを含む、日本を代表するワインの専門家がラベルを見ずにテイスティング。「セレクション50ボルドー2025」と銘打ち、新時代のボルドーを表現する50本を選び抜いた。
伝統を尊重しつつ、自由な発想をもった次世代の造り手が、環境を意識したブドウ栽培に取り組み、これまであまり顧みられなかったブドウ品種を再評価したり、現代の嗜好に合わせたスタイルのワイン造りに挑戦。それがいまのボルドーの姿なのだ。セレクションに選ばれたワイナリーを、松本が訪れた。
※ネゴシアン......自社畑以外のブドウを購入し自社で醸造、または他者が醸造したワインを購入して瓶詰めし、販売する生産者のこと。ボルドーでは伝統的にワインの仲介販売業者のこともネゴシアンと呼ぶことが多い。
---fadeinpager---
ロートレックの故郷で感じる、歴史とボルドーらしい味わい。|シャトー・トゥールーズ・ロートレック
「まさに美術館。ツアーをたっぷり1時間楽しみました」と笑みがこぼれる松本。シャトー・トゥールーズ・ロートレックはムーラン・ルージュのポスター画で有名なポスト印象派の画家、アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレックの母がアントル・ドゥー・メール地区にかつて所有していたシャトーだ。彼は夏場のアトリエとしてこのシャトーにしばしば滞在し、1901年にここで亡くなったという。

じつは近年、ボルドーでどこのシャトーも力を入れているのがワインツーリズム。シャトーを一般のツーリストに開放し、自分たちが造るワインを試飲してもらうだけでなく、ガストロノミックな体験や快適な宿泊施設まで提供する。このシャトーもスパ付きのホテルレストランを併設。さらにアンリ・ド・トゥールーズ・ロートレックゆかりのシャトーということで、ロートレックの作品や生前の資料を鑑賞するツアーまで組まれている。

43haのブドウ畑は2020年にオーガニック栽培に転換され、2023年ヴィンテージから認証を取得。醸造施設も2013年から段階的に改装した。主力の赤ワイン、AOC(※後述)ボルドー・シューペリュールの「シャトー・トゥールーズ・ロートレック」を、2018年、2019年、2020年の3ヴィンテージ試飲した松本は、「ヴィンテージごとに香りや味わいが異なりますが、いま飲むなら2018年がおすすめです。スミレのようなフローラルな香りとプラムを思わせる果実香にダークチョコレートの香ばしさが絡み合い、ボルドーらしい肉感のある味わいです」とコメントした。
品種構成はヴィンテージによって若干異なるものの、2018年でメルロ70%、カベルネ・フラン20%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%。同じラベルで白ワインも造っていて、そちらはソーヴィニヨン・ブラン75%、セミヨン20%、ミュスカデル5%だ。

「醸造施設でアンフォラ(素焼きの甕)を見ましたが、白ワインの醸造に使うそうです」と松本。「次回訪ねる時にはステンレスタンクとアンフォラで造った白ワインを並べて試飲し、ふたつを比べてみたいですね」と、探究心いっぱいに目を輝かせていた。
※AOC...「Appellation d'Origine Controlee」の略で、直訳すると「原産地統制呼称」。 フランスの「産地名」を名乗るワインを造る場合、使用するブドウ品種やアルコール度数など、決められた基準をクリアすることが定められている。「地方>地区>村名」の順に規定が厳しく、該当するワインが規定のどこに属するかを指す時に「アペラシオンは〇〇」と呼び習わすことも。アペラシオンについて詳しく知りたい方はこちら。
---fadeinpager---
循環型農法で育まれる、「復活した」白ワイン。|シャトー・ラ・ぺリエール
サステイナブルはいまのボルドーで無視できない課題。環境の破壊が気候変動を招き、ブドウ栽培にも大きな影響を引き起こしている。まずは生態系を元に戻し、ブドウ畑の生物多様性を推し進めることが大切だ。カスティヨン・コート・ド・ボルドーにあるシャトー・ラ・ペリエールが取り組んでいるのはアグロフォレストリー。敷地内にラベンダーの花畑を広げた。近くには養蜂箱も設え、花の蜜を目当てに蜜蜂たちが集まってくる。
「すごくきれいなお庭で、そこかしこにラベンダーの花が咲き、蜜蜂がぶんぶんと飛び交っていました」と松本。
シャトー・ラ・ペリエールは13世紀までさかのぼる歴史的なシャトーで、1930年から現オーナーのド・マルシヤック家が所有。現在、シャトーを運営するのは3代目のオリヴィエ・ド・マルシヤックとその妻のクリスティーヌだ。

「ご夫妻は循環型の農業を営んでいて、朝食に出てくるのはシャトーで飼っている鶏の卵。その鶏をブドウ畑に放して害虫駆除をさせています。ほかには羊もいてブドウ畑の雑草を喰む一方、その糞は自然の堆肥にもなるんですよ」
カスティヨン地区といえばメルロー主体の赤ワインで有名だが、このシャトーでセレクション50ボルドー2025に選ばれたのは、なんとソーヴィニヨン・ブラン100%から造られる辛口白。何十年も前に一旦止めた白ワインの復活だという。

「最初飲んだ時にはクリーミーなテクスチャーで粘性も感じられるので、てっきりセミヨンがブレンドされたワインとばかり思っていたら、100%ソーヴィニヨン・ブランと聞いて驚きました」と、松本は味わいの記憶を辿る。
またもうひとつ、このシャトーの新たな試みがマルベック主体の「ラ・ランコントル」という赤ワイン。マルベックはボルドーでは昔からスパイス的にブレンドされる脇役的存在。ところが病気にかかりにくいことから今日栽培を増やすシャトーが増えているそうだ。きっと昨今の温暖化も有利に働いているに違いない。
「フルーティでどちらかというとライトボディ。飲んでみると冷涼感が伝わってくる、彼らが目指すこれからのボルドーワインという印象でした」

---fadeinpager---
ウェディングもできる美しいシャトーで、次世代の取り組みも。|シャトー・ドーザック
1855年の格付けシャトーのひとつ、ドーザック。マルゴー村の5級シャトーである。120ヘクタールという広大な敷地をもち、そのうちの49haがブドウ畑。45haがAOCマルゴー、4haがAOCオー・メドックに属している。
「ラ・シャルトリューズ」という建物は5つの寝室をもつラグジュアリーホテル、もうひとつの建物「ラ・ブーランジュリー」は高級B&Bになっており、リュクスなワインツーリズムを満喫できる。またシャトーの敷地内でピクニックを楽しめるほか、ドーザックのワインとのペアリングを味わうランチやディナーも提供されるのだ。

「それだけでないんです。このシャトーではウェディングもできるんですよ」と松本。池と庭園が見渡せる18世紀建築の城館では120名が着席で会食でき、また樽熟成中のワインを眺めることのできるスペースでも70名が着席して披露宴を執り行えるという。
さて、セレクション50ボルドー2025に選ばれた「ディー・ド・ドーザック」は、シャトー・ドーザックのブランドワイン。ブドウこそシャトー・ドーザックで収穫されたものではないけれど、同じチームがシャトー・ドーザックと少しも変わらぬ気遣いをもって醸造にあたっているという。

シャトーで2022年の「ディー・ド・ドーザック」を試飲した松本は、「ものすごくバランスのよいワインです」と切り出した。
「タンニンがぎしぎしせず、球体のようにまとまっています。香りに華やかさも感じられますし、ボディがしなやかで柔らか。アペラシオン(AOC)はマルゴーではなくボルドーですが、シャトー・ドーザックの人たちが造ってるからでしょうか、とてもマルゴーっぽい味わいがします」


ディー・ド・ドーザック 2019|AOP Bordeaux
750ml ¥2,530/明治屋
ボルドーワインの多様性、楽しさ、奥深さ、サステイナビリティ、そしてコストパフォーマンスの良さ......。「Join the Bordeaux Crew」のコンセプトを映すワインから、松本ソムリエを含む、日本を代表するワインの専門家がラベルを見ずにテイスティング。新時代のボルドーを表現する50本のセレクションをチェックして。
松本ソムリエが訪れたシャトーのワイン5本セットを10名さまにプレゼント!
今回訪れたボルドーの11のシャトーから、セレクション 50に選ばれたクレマン・ド・ボルドー(泡)、赤ワイン、白ワインが含まれる5本セットを10名さまにプレゼント! 多様なボルドーの世界観を味わってみて。
前・後編で紹介したシャトー以外にもワイナリーを訪れていた松本。以下、プレゼントに含まれるワインの味わいを松本のコメントともに解説!

ペルル・ダルシュ 2022|AOP Sauternes
375ml ¥3,300/株式会社オルヴォー
「色合いからソーテルヌを思わせてくれる黄金色で、ハチミツやドライアプリコットのような甘やかで濃密な香りの中にグレープフルーツや白い花のようなシトラスの香りが見え隠れします。セミヨンからくる粘性とソーヴィニヨン・ブランの酸味や少しハーバルな味わいのバランスがとても複雑で、この地域らしい白の特徴が存分に出ていると感じます」

シャトー・トゥール・ド・ミラボー レゼルヴ|AOP Entre Deux Mers
750ml ¥2,805/モトックス
「メドック方面の平坦な道ではなく、丘が連なった抑揚のあるアントゥル・ドゥ・メールの道をドライブしているとテロワールの違いをよく理解できる。この丘の日当たりの良さや少し谷になった所を抜ける風が良い畑、ブドウ造りに影響するのだと思いました。本当にバランスが良くて、この旅で味わった中ではいちばん、自分の知っているボルドーブランに近い味わいだったと思います。少しだけ青い香りがあって、でもピンクグレープフルーツやマイヤーレモンのような甘味のある香り。きりっとした酸味と青りんご、白い花のようなフレッシュさ、心地よく口内で同調してくれる粘性。この日のランチに出たトマトとハーブのサラダにぴったりで、真夏のボルドーの気候にいかにぴったりのワインかを身をもって体感することが出来ました」

シャトー・メゼン 2023|AOP Bordeaux
750ml ¥2,200/八田商店
「なかなかソーヴィニヨン・ブラン100%のワインを飲む経験がないため、少し驚きがありました。なにせコクと粘性があるのでてっきりブレンドだと決めつけてしまいそうに。シトラスというより、もう少し柔らかいジャスミンや花の香りも魅惑的で、溌剌としてた酸味や若干のアルコール感がこの地ならではのテロワールを教えてくれます!」
【注意事項】
●応募締切は8月26日(火)23:59までとさせていただきます。
●当選の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。 商品の発送は8月28日ごろ、冷蔵便にて予定しております。
●プレゼント商品の組み合わせは複数を予定していますが、応募時にセレクトはできません。何卒ご了承ください。
●ご応募はフィガロワインクラブ会員の方限定となります。会員登録がお済みでない方は「ご応募はこちら」から会員登録のうえ、ご応募ください(登録無料)。
●ご応募は日本国内在住の20歳以上の方に限らせていただきます。
●本プレゼントキャンペーンにご応募いただいた際は、当サイトの定める個人情報保護方針に同意いただいたものといたします。
●送信完了した応募内容の変更はできません。
●登録フォームにご記入不備のある場合は、当選権利の無効・取り消しとなる場合がございますので、ご注意ください。
●応募者多数の場合は厳正なる抽選のうえ、当選者を決定いたします。
●ご記入いただいた個人情報は賞品の発送に限り使用させていただきます。
●当選抽選結果に関するお問い合わせにはお答えいたしかねます。
●ご応募はひとつのプレゼントに対しておひとり様1回までとさせていただいております。2回目以降のご応募は受け付けられない設定となっております。
●2019年8月8日以降に会員登録済みの方は、ログインしてご応募いただけます。2019年8月7日以前に「メールマガジン会員登録」されている方は、弊社会員システムの変更にともなう、セキュリティ上の理由によりパスワードの再設定が必要です。お手数ですが、あらためての会員登録をお願いいたします。
●掲載内容に関するお問い合わせは下記までお寄せください。
https://form.run/@cccmh-1668417852
text: Tadayuki Yanagi