赤みの肉を焼くためのコツ、間違いだらけの常識をチェック!

Gourmet 2017.08.16

お肉viande-assaisonnement.jpgよくある誤解とは?の質問に、プロの精肉職人からは「たくさんありますよ」との答えが。

上等な牛肉の旨味を十分に引き出すためには、正しい調理方を心得ておきたいもの。精肉職人がプロの目で、間違った調理法を点検! これさえ気をつければ、骨付きロースのステーキも成功間違いなし。

良質の肉をこよなく愛する肉食家の皆さん、ご注意あれ。ル・シェネのショッピングセンター、パルリ2の精肉コーナー「レ・ニヴェルネーズ」のディレクター、セルジュ・ジュアン氏によると、私たちの4人に3人は、正しい肉の調理法がわかっていないのだそう。「赤身の肉ならどれも同じ方法で調理できると思われていますが、それはとんでもない間違いです。ステーキ肉、サーロイン、骨付きロースなど、それぞれの部位に最適な“調理のノウハウ”というものがあるのです」という。なかでもよくある誤解とは? の質問には、「たくさんありますよ」との答え。間違った常識を検証し、正しく完璧な焼き加減を実現するアドバイスを聞いた。

肉を室温に戻しておく

調理前に冷蔵庫から肉を出し室温に戻しておかなければならない、という話はよく聞く。ジュアン氏はこれが正しいとはいえないという。「確かに、冷凍肉なら電子レンジで数分、あるいは冷蔵庫で数時間かけて、調理前に解凍する必要がありますが、生の骨付きロースならその必要はありません」ときっぱり。むしろ「生肉の場合は、酸化したり、乾燥したり、風味を失う恐れがある」という。

肉は「冷たいフライパン」で焼く

牛肉、羊肉、馬肉…… 風味も、部位も、質感も、匂いも多様な赤身の肉には、さまざまな味わい方と料理法がある。これら赤身肉のすべてに共通することとは?それは、どの肉もフライパンで焼く、という一点。「グリルでもフライパンでも、赤身肉は強火で焼きます。ですから、必ずフライパンが十分に熱くなるまで待って下さい。煙が立ったらまず油を引き、それから肉を置けばいいのです」と専門家は言い切る。

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植物油か、バター、どちらか一方だけを使う

バターか植物油か、は意見が分かれるところ。だが、幸いなことに、ジュアン氏が、皆が納得するような答えを出してくれた。「植物油とバターのミックスがおすすめです。赤身の肉は高温で調理しなければなりません。植物油とバターを混ぜることで、肉が焦げつくのを防ぐことができます。」

すぐに肉を裏返す

もうひとつのよくある間違いは、「肉をグリルにのせて数秒でひっくり返すべき」というもの。「少し辛抱しましょう。塊肉にしても、ステーキ肉にしても、サーロインにしても、表面が固くなるまでは裏返さないように」。それでは、何回返せばよいのだろう?「一概には言えません。肉の部位にもよりますし、レア、ミディアム、それともウェルダンか、好みの焼き加減にもよりますから」 。 つまりいちばんいいのは、買うときにお肉屋さんにアドバイスしてもらうことだ。

味付けは火を通す前に

「肉に味付けをするのは火を通した後の方がいい。煙の立つくらい高温に熱したフライパンでは調味料が焦げてしまいますから 。ただし、塩については、肉汁が出てもいいのなら、火を通す前でも、火を通している間でもかまいません」。そのかわり、胡椒、ハーブ、スパイス、ソースについては、火を通した後、とプロは譲らない。


肉が焼き上がったらすぐ召し上がれ

「骨付きロースは、調理後、皿に移し、アルミ箔をかぶせて数分置いた方がいい」というのがジュアン氏のアドバイス。こうすることで肉の繊維に肉汁がよく行き渡って、柔らかくてジューシーな仕上がりになるのだ。

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