Wedgwood ウェッジウッドのふるさと、ストーク・オン・トレントを訪ねて。

Interiors 2019.06.21

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なめらかな乳白色とエレガントなパターンのコントラスト。英国伝統の陶磁器ブランド、ウェッジウッドのテーブルウェアで彩られた食卓に憧れる人も多いはず。このブランドがなぜ260年も愛され続けているか――それを解き明かすため、「焼き物の里」として知られるブランドの聖地、ストーク・オン・トレントを訪れた。

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ストーク・オン・トレントの緑豊かなエリアに、ウェッジウッドの本拠はある。

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ウェッジウッドが誕生した場所へ。

ロンドンから電車で約1時間半。緑豊かなストーク・オン・トレントは、陶芸に適した粘土質の土が取れることから高品質の陶器産業が発展。イギリスの「焼き物の里」として知られている。

この街で生まれたのが、のちの「英国陶工の父」と称えられるジョサイア・ウェッジウッド(1730-95年)。ジョサイアは自らの名前を冠したブランドを1759年に創業。革新的な技術と芸術を融合させた美しい陶磁器は、瞬く間にイギリスのみならず世界の王侯貴族に愛され、いまなお高級テーブルウェアの代名詞として輝き続けている。

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「ワールド オブ ウェッジウッド」では創業者ジョサイア・ウェッジウッドがお出迎え。

世界的なブランドとなったいまも、ウェッジウッドはこのストーク・オン・トレントで製品づくりを続けている。その核となるのが、本社と工場を含むブランドの本拠地「ワールド オブ ウェッジウッド」。ブランドの歴史を伝えるウェッジウッド美術館のほか、旗艦店やティールームも兼ね備えた場所。ウェッジウッドを愛する人にとって、一度は訪れたい聖地だ。

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「ワールド オブ ウェッジウッド」のティールーム。ここで本格的なアフタヌーンティーが楽しめる。

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ロシアのエカテリーナ2世のために作られた「フロッグサービス」の絵を復刻させたティールーム限定のシリーズ。18世紀のイギリスの田園風景が描かれている。

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ウェッジウッド美術館に保存されたアーカイブたち。

ブランドの真髄を知るためにまず訪れたのは、ウェッジウッド美術館。ここには創業当時からの膨大な数のパターンが保管されている。創業間もない頃に作られた、第1冊目のパターンブックを見せてもらった。手書きで緻密に描かれた絵柄は260年も前に描かれたとは思えないほど鮮やかで、デザインはいま見ても美しく鮮烈だ。美術館のゲイ・ブレイク=ロバーツ館長によると、かつてパターンブックは2冊ずつ存在していたのだそう。1冊は顧客に直接見せてパターンを決めるために使い、もう1冊は工場に置かれ、指定されたパターンを製造する際の参照用に使われたのだ。

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創業当時の1冊目のパターンブックはシンプルなラインのデザインから始まり、植物や波など、自然をモチーフにしたデザインが多く掲載される。

大切に保管されているパターンはウェッジウッドの歴史を物語る一方、新しい商品を開発する時、デザイナーや開発担当者は頻繁にアーカイブ(パターンブックや過去の作品)を振り返るそう。「アーカイブはただの歴史ではありません。新しい商品のインスピレーションを得るための宝庫でもあるのです」。これまでに作り上げてきた遺産に立ち返り、そこから新しいデザインを生み出す。大切に保存されているアーカイブは、ウェッジウッドの美しいデザインが生まれる「創造の源」なのだ。

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美術館に展示されている手書きのパターン。

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18世紀のパターンブックのデザインが使われているプレート。古さをまったく感じさせないことに驚きを感じる。

美術館では、ブランドの革新の歴史を知ることもできる。白い陶器の製造が難しかった時代に、実験を重ねてクリームウェア(シャーロット王妃から「クイーンズウェア」を拝名)を世に送り出した創業者ジョサイア。そして息子のジョサイア2世は1812年にファインボーンチャイナを完成させた。

ウェッジウッドのパターンはシンプルなデザインから植物、風景、古代ギリシアの物語など多岐にわたる。技術革新を進めるとともに、トレンドやライフスタイルの変化を読み取り、テーブル・エンターテインメントをリードしてきたウェッジウッドだからこそ、時代を超えて愛され続けているのだ。ウェッジウッドが長きにわたり愛されている理由を考える時、美術館のゲイ館長の言葉が頭をよぎる。「ウェッジウッドはジョサイアの時代から、いつも一歩先を見据えてきたんです」

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ウェッジウッドでは、ストロベリー柄だけではなく豊富な植物柄が作られてきた。ボタニカルパターンを多くデザインしたミリセント・タプリンのスケッチブック(左、1925年頃)と、手書きで描かれたクリームウェア(1930年頃)。

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ワイルド ストロベリーの物語。

ボタニカルパターン、格式を感じる装飾、そしてシンプルでモダンなデザインまで、豊富なパターンで知られるウェッジウッドだが、誰もが目にしたことがあるのが「ワイルド ストロベリー」ではないだろうか。このパターンが誕生したのは1965年。発売以来、世界中で愛され、コレクターが多いことでも知られるシリーズだ。

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美術館に展示されているワイルド ストロベリーの平皿。このほかにも、さまざまな形のストロベリー柄の食器を発見できる。

デザインについて触れる前に、まずはイギリス人と「イチゴ」について紹介したい。ワイルド ストロベリーシリーズも含めて、最古のパターンブックにも登場する「イチゴ柄」。これまでに何度もイチゴ柄の商品が作られているが、これはイギリス人にとってイチゴが特別な果物であることに由来する。

長く厳しいイギリスの冬。それだけにイギリス人は、夏の訪れをことのほか楽しみにしている。日本と異なり、イギリスではイチゴは夏の果物。イチゴの季節の始まりは、うれしい夏の到来を意味する。自宅の庭でイチゴや野イチゴを育てる人も多く、また夏のピクニックにもイチゴは欠かせない。ストロベリー&クリーム(イチゴと生クリームの組み合わせ)、ストロベリー&シャンパン、新鮮なイチゴで作ったジャムとスコーン、そしていちごを使ったさまざまなデザートなど、この時期大量に出回るストロベリーは、イギリス人の食文化になくてはならない果実だ。甘くておいしいイチゴと短く美しい夏の記憶。このふたつが重なり合い、イギリス人はストロベリーに対し甘美な想いを抱いているのだ。

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イチゴ柄は長く愛されているパターンのひとつ。左から、ファイン ボーン チャイナ最古のイチゴ柄のカップ&ソーサー(1815年)、デザートプレート(1810-30年頃)。

ワイルド ストロベリーのデザインに携わっているグウィン・ヒルトンは、「ウェッジウッドが表現している『イギリスらしさ』が日本や海外でも愛されていることは、本当にうれしいことです」と語る。

その彼女が手がけたのが、創業260周年を記念してデザインされた、金の装飾をあしらった「ワイルドストロベリー ゴールド」。「260周年というアニバーサリーイヤーにふさわしい商品にするため、ゴールドを使いたいという意向はデザイン段階の初期からありました」とグウィン。縁取りに加え、今回ワイルド ストロベリーのシリーズとしては初めて登場した、蝶のパターンもゴールドで施されている。デザインするうえで最も気遣ったのは、モダンな感覚を取り入れることだったそう。

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260周年アニバーサリー商品「ワイルドストロベリー ゴールド」で、大切な人とのアフタヌーンティーを。

「ワイルド ストロベリーは人気の商品なので、これまでもさまざまなバージョンが発売されています。いま見て新しい、そしてこれからもずっと使いたいと思ってもらえるデザインを心がけました。新しい息吹をデザインに込め、それでいてウェッジウッドらしいデザインであることが、長く使っていただける理由だと思うからです」

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ワイルドストロベリー ゴールドのデザインについて、デザイン画や見本を使って説明するシニアデザイナーのグウィン・ヒルトン。

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5ツ星ホテルで愉しむ、極上のアフタヌーンティー。

最高級のホテルやレストランで使われることの多いウェッジウッド。美しいうつわでアフタヌーンティーを楽しむために、ロンドン中心部にある5ツ星ホテル、ランガムホテルに足を運んだ。こちらのティールーム「パームコート」では、ウェッジウッドのテーブルウェアでアフタヌーンティーを提供しているのだ。

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これまでさまざまなアワードで「ベスト・アフタヌーンティー」に選ばれているランガムホテルのティールーム「パームコート」。

パームコートは、1865年に「アフタヌーンティーが誕生した場所」として知られている。生演奏が流れる美しいサロンで、まるでコースメニューのように、サンドウィッチ、スコーン、ケーキが作りたての状態で順番にサーブされる。伝統的なおいしさの紅茶とスコーン、そしてとびきりスタイリッシュなサンドウィッチとケーキが特徴だ。ここで使われているテーブルウェアはランガムホテルのためにウェッジウッドが特別にデザインしたもの。オーセンティックな中にモダンな感覚を併せ持つアフタヌーンティーを、ウェッジウッドの食器がさらに引き立ててくれた。

ひとりでお茶を飲む時、大切な人と一緒に食事をする時、美しく心地よさを感じる食器とともにある幸せ。テーブルウェアがもたらしてくれる豊かさとそこに流れる温かな時間は、いまも昔も変わらない。ウェッジウッドを巡る旅を通じ、食器が作り上げてきた文化の奥深さを感じた。

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ワイルドストロベリー ゴールドのラインナップをご紹介。

●問い合わせ先:
ウェッジウッド
tel:03-6380-8159
www.wedgwood.jp

 

photos : YAYOI ARIMOTO, texte : HANAKO MIYATA

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