モノトーンやミニマリズムは時代遅れ!? Z世代に不評のインテリア、6つの特徴。
Interiors 2024.07.28
モノトーン、ミニマリズム、きれいに並んだクッションは、もう時代遅れなのだろうか。Z世代に不評なインテリアトレンドをチェックしてみた。
Z世代は文字を飾るインテリアが嫌い。photography: Getty Images
TikTokには最近Z世代、すなわち1997年から2010年の間に生まれた世代が、先輩のY世代ことミレニアル世代、すなわち1984年から1996年の間に生まれた世代をからかう動画が何百とアップされている。写真を撮るときの「ぎこちない」ポーズやスキニージーンズ好き、インテリアセンスなど、なにもかもが笑いの対象となる。たとえばミレニアル世代のインテリアセンスをあげつらう動画のまとめハッシュタグ、#millennialgreyはTikTokで1億300万回以上のビューに達した。多くのミームは笑いを取って拡散されるために作られているものの、そうした中からZ世代が嫌いなインテリアトレンドを読み取るインテリアデザイナーもいる。ミレニアル世代とZ世代はインテリア面でどんな違いがあるだろう。
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モノトーン
20代が何より嫌いなのはモノトーンの室内。とりわけグレーが敵視されている。TikTokでは、#millennialgreyというハッシュタグのもと、ソファからカーテン、フローリングまでまさに"フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ"ならぬグレイ調で統一されたインテリアの動画や写真が投稿され、安易で平凡すぎると笑われている。
@as_lnn live laugh love #CapCut ##modernfarmhouse #millennialgrey original sound - retromachine68
インテリアブログの「House Digest(ハウス・ダイジェスト)」の分析によると、ニュートラルカラーが流行り始めたのは2000年代だった。それまでの茶色やテラコッタのトスカーナ風インテリアに飽きたミレニアル世代がグレーや白、ベージュのクラシックカラーに飛びついた。「こうして、おもしろみのない殺風景な室内が実現した」とユーチューバーのインテリアデザイナー、デザイン・ダディは、「最悪インテリア」を紹介したYouTube動画でこきおろす。
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文字を飾る
このほか、SNSでよく叩かれているのが文字や言葉を壁に飾るインテリア。文字にはありとあらゆる形や大きさがあり、"family"、"love"、"home sweet home"といった英語のフレーズや言葉になっている。これは2010年代にカントリー調の要素をインテリアに取り入れたトレンドから派生している。ちなみに納屋の扉のようなスライディングドアやアイアンベッドもカントリー調インテリアに由来している。
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クッションをきれいに並べる
インテリア雑誌のリビングルームの写真には、きれいに整えられたクッションが優雅に並ぶソファがよく写っている。そんなスタイルは「保守的で整いすぎて」時代遅れ、と言うのはYouTubeチャンネル「DIY with KB」のインフルエンサーでインテリアデザイナーのキバ・ブレントだ。いまはもっとカジュアルに、リアル感のあるスタイルが求められているそうだ。「大事なのはリラックスした雰囲気を作り出すことです。クッションがソファの上でくつろいでいるような感じに、ランダムに配置するのがポイントです」とのこと。
クッションはソファの上にわざと無造作に投げ出す。photography: Instagram / @déco.frのスクリーンショット
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"ファスト"インテリア
"ファスト"ファッションがあれば"ファスト"インテリアもある。それはシーズンごとにファッションが絶え間なく消費されることに対応する使い捨てインテリアを指す。しかしながら、1980年代に生まれた安価な組み立て家具は、若い世代から敬遠されつつある。環境意識の高い彼らは流行を追うことをやめ、フリマやオンラインで見つけたリサイクル家具を使うことで、二酸化炭素排出量を減らそうとしている。
ミニマリズム
ミニマリズムを追求したキム・カーダシアンの別荘はからかいの対象となっている。photography: Instagram / @kimkardashian
ミニマリズムがもてはやされる時代は終わった。美しくすっきりしたインテリアは長い間人気だったものの、さまざまな理由から廃れつつある。「ミニマリズムがダメなのは、実際に暮らしてみると実用的ではないからです。誰も住んでいないような冷たい雰囲気の家になってしまいます」とインフルエンサーのデザイン・ダディはその理由を語る。「ミニマリズムの要素を少し取り入れるのはいいですが、このトレンドを徹底することは不可能です」とも。一方、その対極にあるマキシマリズム、すなわち過剰主義がここのところ注目されているが、デザイン・ダディはこれまた現実的ではないインテリアと切って捨てる。「常にモノを探していなきゃならなくなりますよ」
仕切りのないオープンスペース
2010年代には広いオープンスペースが流行した。流行に敏感な人たちは既存の壁を壊して広々としたオープンキッチンを手に入れた。ところがいまは仕切りがあることが優先事項だ。ユーチューバーのデザイン・ダディによれば、これはテレワークが普及したことによるものだそうだ。「こうしたオープンスペースでは、食事をするのも仕事をするのもテレビを見るのも同じ部屋です。家で過ごす時間が長くなれば、個室が好まれるようになります」
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凝りすぎたデザイン
ミレニアル世代のインテリアが声高に批判される一方で、一部のインテリアデザイナーはZ世代のインテリアセンスがおかしいと批判返しをする。例としていちばんよく挙がるのは昨年SNSを騒がせたカマレオンダソファだ。マリオ・ベリーニがデザインし、B&Bイタリアが復元発売したこのソファは、もこもこしたモダンな形が魅力だが、座り心地が悪いという意見もある。「このソファはクールだし、時代を超えた美しさがあります。だが不人気なのは座り心地が悪いからです。座面が低すぎます。昼寝をするためのソファではなく、眺めるためのソファなのです」と、インテリアデザイナーのキバ・ブレントは不人気の理由を説明した。
text: Alexandra Marchand (madame.lefigaro.fr)