フィンランドを代表するふたつのブランドがコラボ! アルテック + マリメッコの特別な家具シリーズがこの秋発売。
Interiors 2025.08.19
先日、創業90周年のアニバーサリー製品としてムーミンとのコラボレーションでも話題となったアルテック。この秋、さらに注目の製品が登場する。
毎年6月、デンマーク・コペンハーゲンで開催されるデザインフェスティバル「3days of design(スリーデイズ・オブ・デザイン)」。市内のショールームやギャラリーを舞台に新作が一斉公開されるこのイベントは、2013年に始まり、いまやファッション界のパリコレとも言える「ミラノデザインウィーク」に並ぶ注目度を誇るまでに成長した。北欧ブランドだけでなく、世界中のデザインブランドやクリエイターが集結するイベントとなっている。
なかでも今年特に話題だったのが、インテリアブランドのアルテックとデザインハウスのマリメッコのコラボレーションだ。デザイン好きにはたまらないビッグニュースとなった。
大胆なパターンが、さり気なく座面に表現
マリメッコのパターンが座面に施された「スツール 60」。価格は未定。
今回発表された新作は、今年創業90周年を迎えたアルテックのアニバーサリー製品のひとつ。名作「スツール 60」や「ベンチ 153B」「テーブル 90D」に、マリメッコのデザイナー、マイヤ・イソラによる「Arkkitehti(アルキテフティ)」プリントコレクションから選ばれたパターンが施されている。アルキテフティとはフィンランド語で「建築的な」という意味。これらのプリントは、マリメッコの創設者であるアルミ・ラティアによって選定された、インテリア向けのもの。
玄関先などで重宝する「ベンチ 153B」も登場。
アルテックはロングセラーの「スツール 60」をはじめ、プライウッドや曲木の技術などを使った木製家具を多数展開しているブランド。この新作では、あえて色を付けるのではなく上質なフィンランドのバーチ材(白樺)の表情を活かし、手作業の「象嵌(ぞうがん)」のように種類も方向も異なる木目を組み合わせ模様を表現した。幾何学だがどこか自然な流れを感じさせる柄は、光の当たり方や見る角度で模様の表情が変わるのも面白い。アルテックが長年培ってきた木工の技術力があったからこそ生まれた発想だ。
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「本当に欲しい」と思える理由は、タイムレスなデザインであること
スツールがクルクルと回転するプレゼンテーションは、さまざまな角度から表情を変える魅力を実感。
アルキテフティプリントコレクションのパターン3種でファサードが彩られた。
プレビューはコペンハーゲンのマリメッコ店舗で開催され、展示空間はリンダ・ベルグロスが担当。アルヴァ・アアルトが設計した、フィンランド・パイミオのサナトリウムを想起させるイエローを基調としたシンプルな空間に、鮮やかなパターンが浮かび上がる演出が印象的だった。このシリーズは、世界では9月4日、日本では10月15日から発売予定。フィンランドの人気ブランド同士のコラボレーションは、北欧デザインの本質とチャーミングな魅力をさりげなく体現している。
【おまけ】3daysの期間中、さまざまなブランドでトートバッグやエコバッグが配られるのだが、持っていると道行く人に「それどこでもらえるの?」と聞かれるほど人気だった。写真の椅子はアルテックの「アームチェア 402」。
text: Michiko Inoue