Finding Bold Colors of Life 阿部好世のNY日記 #04 アンティークパーツを仕入れに。
Travel 2018.11.21
「フィガロジャポン」でもおなじみ、プティローブノアーのデザイナー阿部好世が、創作活動のためにニューヨークへ。1カ月にわたる滞在で出合ったものや風景、感じたことを写真と文章で綴ります。最終回は、ニューヨークへ行くと必ず会うアンティークディーラーのおじいさん、ニックを訪ねて。
4th week
壁に貼ってあったAD。久しぶりに見たローリン・ヒルがカッコよくて思わずカメラに収めながらのダウンタウン散歩。
NY滞在最後の週。
思い残すことがないように「行く場所・TO DOリスト」を作りながらも、成し遂げられそうにないぞとスケジュールが現実的に見えてくるこの頃。日本に戻ったらクリスマスに向けてのイベントごとがいくつかあるので、その準備も滞在中に進めています。
今回NYで買い付けた1900年代初めから50年代ごろまでのコスチュームジュエリーの一部。
時代は移り変わるということなのだなぁと実感するのがフリーマーケット事情。
20年前は、週末になると空いている駐車場の広場にいくつものアンティーク蚤の市がマンハッタンの中にできていました。最近では1990年代のものもヴィンテージ品扱いとなるので、1900年代初めから70年代の洋服や家具、ジュエリーがメインで並んでいた昔の雰囲気ある蚤の市をマンハッタンで見ることはありません。ヴィンテージショップの数も減ってしまって、それがとてもさみしい。
それでも幸い昔から仲良くしてもらっているディーラーのおじいさんとのつながりがあるので、最終週は仕事モード、アンティーク品や古いパーツを見せてもらう日を多く取ることに。
古いブローチや昔パーツも収集しています。特にクリアラインストーンのものだけを選定。
20年近く私のことを知っていて、好みまでわかってくれているおじいさん、ニック。いつやってくるかわからない私の急な訪れにも関わらず「いまこんなものを探しているんだよね」と伝えると、必ずその次に会うときに、私の探し物を用意してくれるスーパーマン。
半年前に出したお題は「古いジュエリーボックス、たくさん」。
ちゃんと今回も揃えていてくれました。
いつもお世話になっているディーラーのおじいさんが揃えていてくれた、ものすごい量の昔のジュエリーボックス(一部)。
ジュエリーボックスは買ったものに付いてくる付属品で、そもそも売り物ではなかったので「古いコスチュームジュエリーよりも手に入れるのがうんと大変なんだよ」と言いながら、100個を超える美しい箱を見せてくれるニック。
やっぱり古いものって素敵だなぁ、綺麗だなぁ。どうしたらこんな色が出るんだろう……と、私は見せてもらう数々の品物を前に作ることへのあれこれを考えながら、これからの制作のことを考えます。
帰国後のイベントで使用する古いパーツをたくさん仕入れて、昔の素敵なジュエリーボックスはディスプレイに活かしたいな……なんて構想を練りながら、12月のクリスマスの頃には、このNY滞在で得たエネルギーがお店に反映されている予感です!
悔いなくニックのところでアンティークパーツを選んで、NY滞在最後の締めはやっぱりいつ来ても変わらない作業で心が満たされるのでした。

petite robe noireのクリスマスギフト。
今年もpetite robe noireから、クリスマスアイテムが登場。人気のアクセサリーを厳選したギフトボックスや1920年代のヴィンテージパーツをあしらったスウェットやサコッシュなどスペシャルなアイテムがラインナップ。大切な人への贈り物を選びに、ぜひ訪れて。
『Gift For You』
期間:2018年11月21日(水)〜27日(火)
会場:伊勢丹新宿店本館3F/リ・スタイル
東京都新宿区新宿3-14-1
Tel. 03-3352-1111(大代表)
営)10:30〜20:00
1999年渡米。2005年WEBショップpetiterobenoire.comを立ち上げる。09年に自身のブランドpetite robe noireをスタート。「古いものと新しいものをつなぐ」というコンセプトのもと日本の職人技術を活かしたものづくりを行う。これまでに吉田カバンやロベール・クレジュリー、シチズンなど、ものづくりの姿勢に共感できるブランドとコラボレーションを行っている。19年3月には、フランスのMAISON BOINETとのコラボレーションアイテムをリリース予定。
www.petiterobenoire.com
http://yo-shi-yo.com
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photos et texte : YOSHIYO ABE