名建築にステイして、軽井沢の夏を愉しむ。
Travel 2019.07.27
方の家
眺望を阻む仕切り壁の代わりに、建物を貫く支柱が、光や空気、匂いを通過させる間仕切りとして機能する。
19世紀後半、カナダ人宣教師のアレキサンダー・クロフト・ショーによって避暑地として見いだされ、日本有数の別荘地になった軽井沢。旧軽井沢から西軽井沢まで、軽井沢町の総面積のうちおよそ1割を占める別荘地には、デザインもさまざまな別荘が立ち並ぶ。
ここは軽井沢追分にほど近い、浅間山のパノラマと緑の木立に囲まれた別荘地。ここにバケーションレンタルとして滞在できる有名建築があるという。まるで竹のように、斜面からまっすぐに伸びる細い鉄骨柱。76本の支柱は、木立と同化するような四角いガラスの箱を貫いて屋根を支えている。建築誌などでおなじみ、武井誠+鍋島千恵/TNAが手がけた「方の家」は、外周をガラスで覆った平屋の建物で室内には一切の仕切りがない。建物内のどこにいても家を取り囲む木立のグラデーションを楽しめるという演出だ。
名建築での別荘生活では、軽井沢の朝昼晩を堪能しよう。緑の中で本を読み、音楽に耳を傾け、キッチンでは少し凝ったレシピに挑戦してみる。気分転換に街まで出かけたら、こだわりの地元食材を手に入れて、話題のレストランやバーの新店にふらりと立ち寄ってみるのもいい。軽井沢の一日は、まだまだ長いのだから。
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アプローチの道路から高低差がある斜面に立ち、隣家の気配をほとんど感じさせない。
バスルームの周囲にはガラスの壁を設けてある。バスタブからも一面の緑が。
木漏れ日で目覚める、そんな朝のシーンを想起させるベッドルーム。ベッドは2台、4名まで滞在可能。
Square House
長野県北佐久郡軽井沢町茂沢 オナーズヒル軽井沢内
tel:03-5468-7906(アリカ・ジャパン)
全1棟 バスタブ付き
1棟¥36,000~¥49,000(4名まで)
カード不可
www.aricajapan.com
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※『フィガロジャポン』2019年7月号より抜粋
・宿泊料金は基本的に1室2名利用時の1名分の料金です。
・宿泊料金、滞在プランは、客室タイプ、時季、サービス内容で異なるため、予約時に宿にご確認ください。
photos : MIDORI YAMASHITA, réalisation : RYOKO KURAISHI