森の庭とモダン建築の融合、アマン京都がついに誕生!
Travel 2019.11.04
構想から約20年をかけたアマン京都が、11月1日、ついに待望のオープン。国内では東京・大手町のアマン東京、三重・伊勢志摩のアマネムに続く、3軒目。世界各地でその土地の自然や文化に敬意を表しながら、唯一無二の楽園を創り上げるアマンが、長い歴史と伝統を誇る京都に完成させた最新リゾートとは? 世界中のアマンファンやホテルラバーが注目するその魅力を、いち早くお届け!
敷地のいちばん奥に位置する棟「蛍」の客室。ベッドの後ろには大きな檜風呂を配置。客室や館内の家具はすべて特注したオリジナル。各分野で活躍するアーティストに依頼したアートワークは、静謐ながらプリミティブで力強い作品が多い。
場所は、京都の中心から車で約30分の洛北の森の中。西陣織の織物屋である元オーナーが、織物美術館を創ることを夢見て、約40年もの歳月をかけ贅を凝らし大切に育んできた秘密の庭が、アマン京都として蘇った。木々を分け入るように進んだ門の先に広がるのは、約2万4000㎡もの広大な敷地。その中にチェックインを行うアライバル棟、日本料理「鷹庵」が入るレストラン棟、朝食からバータイムまで楽しめるオールデイダイニング「ザ・リビング パビリオン by アマン」のリビング棟、スパ棟、そして26室の客室が点在する。
建物はケリー・ヒル・アーキテクツによるデザインで、静寂な庭の雰囲気を損なわないよう、ミニマルに統一。「ザ・リビング パビリオン by アマン」の営業は7時から24時まで。中央に暖炉を備えた室内のほかテラス席も多く、朝食以外はビジター客も利用可能(要予約)。
敷地内を歩けば、日本各地の銘石が敷き詰められた道や苔むした巨石の石垣に目を奪われ、聞こえてくるのは川のせせらぎや鳥のさえずり、木々のさざめきだけ。まるで古代の庭に迷い込んだように、たちまち非日常の世界へと誘われる。
高台に建つ「鷹ヶ峯スイート」と「鷲ヶ峯パビリオン」へ続く小径。敷地内の数カ所に、バスケットに軽食を詰めてピクニックをしたり、ヨガや瞑想ができるガーデンやテラスが設けられている。
日本旅館の伝統にインスパイアされた客室は、木をふんだんに使った温もりのあるモダンな空間。客室タイプは2階建ての棟に入る60㎡のスタンダードと、高台に立ち、リビング、ダイニング、和室、キッチン、2ベッドルームを有する165㎡の「鷹ヶ峯スイート」と241㎡の「鷲ヶ峯パビリオン」。いずれも壁一面の窓から、外に広がる自然の景観を存分に楽しめる造りとなっている。
客室でいちばん広いのがここ「鷲ヶ峯パビリオン」。広々したリビングルームの右手にはダイニングルーム、左手には和室が広がる。窓からは庭全体と、遠くに比叡山を見渡せる。
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オールデイダイニング「ザ・リビング パビリオン by アマン」の総料理長を務めるのは、ヨーロッパやアジアなど海外で16年のキャリアを持つ鳥居健太郎シェフ。「京都の大地の恵みをシンプルにナチュラルに調理してお届けしたい」と、イタリアンをベースに、季節感あふれる軽やかな料理を提供。重箱にスイーツやタルトが美しく詰められ、ワゴンで抹茶のお点前が披露されるアフタヌーンティーも要チェックだ。一方、日本料理「鷹庵」では、吉兆で23年間研鑽を積んだ三田紘司料理長が、徹底的に旬にこだわった本格懐石料理を、目の前のカウンターキッチンでライブ感たっぷりに繰り広げる。
日本料理「鷹庵」は、11mの一枚板カウンターが圧巻。カウンター11席のほか、テーブル24席を用意。メニューはなく、料理長オススメのお任せコースが供される(要予約、6名まで半個室利用可能)。
そして、ぜひともトライしたいのが、数々の受賞歴を誇るアマン・スパ。近郊から引き入れた天然温泉でまずリラックスしたら、和漢植物を使ったボディマッサージや金箔を使ったフェイシャルなど、アマン京都オリジナルのトリートメントに身を委ねたい。
スパ内の天然温泉は、アルカリ性単純泉で、露天風呂と内湯を用意。疲労回復や筋肉痛の改善、美肌効果もあるそう。トリートメントルームは3部屋のみで、現在は宿泊客のみの利用に限られる。
ここは、江戸時代には琳派の創始者である本阿弥光悦が居を構え、芸術村として栄えたことでも知られる地。徒歩圏内の世界遺産・金閣寺や紅葉で有名な光悦寺などの名刹を訪れたり、非公開の寺での坐禅や書道などの文化体験、花街・上七軒での芸舞妓遊びといったエクスクルーシブなアクティビティも、アマン京都の滞在をより印象づける時間となるはず。
森に抱かれるような心地いいひと時と、アマンというフィルターを通した古都の魅力の新たな発見。これまでにない極上の休日を過ごせることだろう。
Aman Kyoto
京都府京都市北区大北山鷲峯町1番
tel:075-496-1333
全26室
スタンダード¥110,000〜、鷹ヶ峯スイート¥550,000〜、鷲ヶ峯パビリオン¥800,000〜(すべて2名一室料金) ※税サ別
www.amankyoto.com
texte:NATSUKO KONAGAYA