ニッポンの小さな旅へ。 【徳島・上勝】山奥のエコなホテルに泊まり、ゴミゼロ体験。
Travel 2021.03.20
人口1500人の徳島県勝浦郡上勝町に、宿泊もできるエコな複合施設が誕生。日本いち美しいゴミ捨て場を中心として、2020年5月30日、ゴミゼロ(530)の日に官民共同でオープンしたのが、複合施設ワイ。緑豊かな山奥で、ゴミを出さないゼロ・ウェイスト生活を体感しよう。
チェックインした途端、エシカル体験がスタート。
ワイでは、チェックイン時に15分ほどのオリエンテーションがある。ロビー併設のリユースショップをはじめとするゼロ・ウェイストの取り組みについて説明を受け、施設の核となるゴミステーションを見学。その後、滞在中に必要な石けんとコーヒーの量を自分で決めて量り分ける。
フロント脇にある「くるくるショップ」は、2006年にこの町の小学生のアイデアから生まれた。町民が不要になったものを置いていく所で、食器や服などを自由に持ち帰れる。
チェックイン時に、無添加石けんを必要な分だけ切り分ける。
くるくるショップで新しい持ち主が見つかると、そのアイテムの重量を量り、何㎏ゴミが減らせたか(RESCUED)が毎月フロントで明示される。
---fadeinpager---
エコについて考える、学びと寛ぎの時間。
交流ホール兼ラーニングセンターと、会議や企業研修などを行うラボラトリーも併設。交流ホールではエコ関連の本や町民が寄贈した古本を自由に閲覧できる。選書はブックディレクターの幅 允孝(はば よしたか)が担当した。キッズスペースには、洗剤の詰め替えパウチからできたパステルカラーのブロックも置いている。
ラボラトリーでは、野菜などの収穫コンテナを柱のたわみ防止に再利用。本棚としても活用でき一石二鳥。
---fadeinpager---
チェックアウト時は、滞在中のゴミを45分別。
ワイでは、チェックアウトの際、滞在中に出たゴミを自分でゴミステーションに持って行き、実際に45分別する。無臭のゴミ捨て場に感動しつつ、同じ紙やプラスチックでもこんなに分け方があるのか、と新しい発見がある。同時に、たった数日のゴミの量にも驚愕するはず。
地元の人も日常的にここへゴミや不要品を置きに来る。
上勝町民にとってゴミは資源。まとまった古紙や金属ゴミは専門業者に買い取られ、町の立派な財源となる。
宿泊客には、まず6つの小さなゴミ箱を渡す。分別ラベルに従い、滞在中はここにゴミを捨てていく。
ワイ
徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7-2
tel:080-2989-1533
全4室 全室バスタブ付き
ロードビュー1名¥13,200~、マウンテンビュー1名¥16,500~(ともに1室2名利用時、朝食付き)
https://why-kamikatsu.jp
●徳島市内から徳島バス勝浦線で約1時間、横瀬西下車後、上勝町営バスで約30分、日比ヶ谷下車。車の場合、徳島阿波おどり空港から約1時間、徳島市内から約45分。
●掲載店の営業時間、定休日、価格などは、取材時から変更になる可能性があります。
●宿泊料金、滞在プランは、客室タイプ、時季、サービス内容で異なるため、予約時に宿泊施設にご確認ください。
*『フィガロジャポン』2020年11月号より抜粋
photos : AKEMI KUROSAKA (STUH)