【加賀】漆器や木工、モダンで美しいうつわが旅土産。
Travel 2021.04.05
石川県加賀の山中温泉地区で作られる伝統工芸品、山中漆器。その技術や伝統を大切にしながら新しい挑戦をし続ける作り手たちは、海外からも評価され、国内外のデザイナーとのコラボレーションにも積極的だ。そんないまの加賀の文化を感じられるギャラリーへ、旅の土産を探しにぜひ立ち寄りたい。
漆芸家の個人ギャラリーがオープン。
漏刻
海外からも注目される漆芸家、田中瑛子のギャラリーが昨年登場。いたるところにうつわやオブジェが飾られた、築約100年の大きな屋敷は圧巻だ。巧みな木地挽きによる優美なフォルムや絶妙に塗り重ねられた鮮やかな発色に、うつわの外と内側で塗り分けられた漆の明暗や異なるテクスチャーといった二面性も作品の持ち味だ。ゆっくり見て触れて、その背景にある文化や歴史まで体感したい。
山中漆器の技術を7年間学び、木地挽きから漆塗りまでひとりで手がける。
オブジェもオーダー可能。規格外の材木を集めてアンチテーゼを問う「烏合」、奥の床の間には梅がモチーフの「群白梅」
トチの目が個性的な外側と、黒い漆が塗られた内側のコントラストが見事なスポルテッドシリーズ 各¥30,000~
漏刻
住所非公開
tel:0761-75-7340
※アポイント制、eikotanaka@fuzon.jpに要問い合わせ
無休
https://eikotanaka.com
●加賀温泉駅から車で約10分。
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素朴な椀の美しい木目に、老舗の技が光る。
白鷺木工
3世代にわたって原木の仕入れ、加工を行い、山中漆器の原料の5割を担ってきたという白鷺木工。使い勝手のよいものをモットーに、一昨年オリジナルブランドをスタートさせた。定番の形の椀や盆はシンプルで素朴ながら、クリやサクラ、ナラなど、木の個性が引き出された美しい木目に老舗の技が光る。山中漆器の特徴的な縦木取りによって、手にしっくりとなじみ、強度も高く、長く愛用できる。
原木が輪切りされるところから、工場見学も可能。
左:豆腐を混ぜた白の漆塗りなど、若い職人とコラボしたカラフルなサブロク椀 各¥3,300 定番の椀は子ども用の小さなものも人気。 右:金沢の職人が内側に金箔と銀箔を貼った祝杯カップ 各¥5,500
白鷺木工
石川県加賀市山中温泉上野町ヲ-7
tel:0761-78-2045
営)8時30分~17時
休)土、日
www.shirasagi-mk.com
●加賀温泉駅から車で約20分。
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デザイナーとコラボした、モダンな山中漆器を手に入れて。
ガトミキオ / 1
1908年創業の木工所が、モダンな山中漆器ブランドとして生まれ変わった。「情緒的な漆器を作りたい」と話すオーナーは国内外のデザイナー12人と組み、伝統的な技術を生かしながら実用性と芸術性の両面を追求。なかでも、縦木取りによって極限まで細く挽き上げられたワイングラスの薄い飲み口と紙のような軽さに驚かされる。2年前にオープンした初旗艦店は、目移りするほどの品揃えでギフト探しにも最適。
ブランドの原点となった茶筒や花器、定番の椀など、さまざま取り揃える。
デザイナー浅野雅晴が山中漆器の強みを生かした美しいフォルムを考案。「TOHKAワイン」各¥19,800
5形状、3色から選べる、透けるほど薄い猪口。「TOHKA猪口」各¥4,180
ガトミキオ / 1
石川県加賀市山中温泉こおろぎ町二3-7
tel:0761-75-7244
営)9時~17時
休)木
www.gatomikio.jp/1
●加賀温泉駅から車で約20分。
●掲載店の営業時間、定休日、価格などは、取材時から変更になる可能性があります。
●宿泊料金、滞在プランは、客室タイプ、時季、サービス内容で異なるため、予約時に宿泊施設にご確認ください。
*『フィガロジャポン』2020年11月号より抜粋
photos : AKEMI KUROSAKA (STUH)