不眠症のためのバスツアー? 香港の夜を駆ける夜行バスとは。

Travel 2021.12.01

眠れない? そんな時にハーブティーもいいけれど、睡眠バスツアーに出かけてみては? 今年の11月末から香港の会社が始めた新サービスをご紹介。

00-211201-night-bus-of-hongkong.jpg

香港の睡眠バスツアーには行き先がない。photo: Getty Images

電車やバスの中ではっと気づくと、よだれをたらしながら左隣の人にもたれかかって寝ていた……なんて経験がある人ならば、香港のこのバスツアーは魅力的に感じるかもしれない。参加者は脳をオフにして眠りの女神の腕の中に身を任せるよう誘われる。そう、これは世界初の「サイレントバス」なのだ。

---fadeinpager---

子守唄はエンジン音

この企画の考案者であるウル・トラベル社長、フランキー・チャウは、できるだけ信号が少なくて静かな道路のルートを慎重に選んだという。バスが停止することで乗客が目を覚ましてしまうリスクを減らし、夜のひとときをくつろいで過ごしてもらうためだ。

2021年11月21日の日曜日、「不眠に悩む」70名が専用バスに乗り込んだ。行き先は「ない」。走行距離85キロのツアーだ。実際には中心部の繁華街から離れ、沿岸部の高速道路や香港空港など、コロナ禍で通行量が激減した道路を走行する。お値段は99~399香港ドル。2階席の方が高い。

5時間後、長いうたたねから目覚めた人たちの反応は悪くなかった。乗客の一人、ホー・マイはAFPの取材に対し、「家で寝つけない経験は誰にでもあると思いますが、バスではぐっすり眠れます。揺れや振動がありますからね」と語った。

---fadeinpager---

ちょっぴり旅気分も味わえる

ロックダウンなどで制限が多い生活となった結果、世界中で睡眠障害に悩む人が実際に増えている。特に香港ではコロナ対策として厳しい検疫ルールが実施され、住民は事実上、世界から分断されてしまった。「香港人は皆、仕事やアパートの値段、暮らしでストレスがかかっているのに、いまは旅行にすら行けない」とホー・マイは嘆く。

このバス会社の社長によれば、今回のバスツアーの企画意図には2つある。ひとつはもちろん眠ることだが、もうひとつはちょっぴり旅気分を味わってもらうこと。国境が閉鎖になって20ヶ月、人々は観光に行きたくても行けない。「以前は毎月のように(旅行するために)空港に行っていました。このツアーでは寝るだけでなく、旅をしている気分になれます」と乗客の一人は言った。

別な乗客のマシュー・チックも、ツアー中の窓の景色に見入ってしまったと言う。「ワクワクしすぎて眠れない」と29歳のマシュー。あなたなら景色を眺める? それともぐっすり眠る?

text: Rédaction with AFP (madame.lefigaro.fr)

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories