篠原ともえ、あらためて直島へ 直島|硝子の茶室も上陸、時間の概念を問う場に。

Travel 2022.09.10

自然と調和する屋外作品や地方のミュージアムを巡るなど、アートを目的にして旅することって素敵! 今回、約30年前からアートサイトとして歩み始めた直島に、篠原ともえが訪れた。『瀬戸内国際芸術祭』が開催される今年は、新ギャラリーもふたつ登場。自身もアーティストとして活躍する篠原ともえが注目する、直島の見どころとは?

杉本博司ギャラリー 時の回廊

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緑の蔦がコンクリート壁を覆い、写真が経年変化していく様子を楽しみたい。『アイリッシュ海、マン島』(1990年)
バイカラーワンピース¥55,000/132 5. イッセイ ミヤケ(イッセイ ミヤケ) フラワーイヤリング(片耳売り)¥33,000/シリ シリ パンプス¥90,200/ジャンヴィト ロッシ(ジャンヴィト ロッシ ジャパン) バングル/本人私物

長年、直島で活動を続けてきた杉本博司の初期作から最新作まで一堂に会したギャラリーが登場。江之浦測候所のきっかけで原点のひとつであるここを最終地点にしたいと、『硝子の茶室「聞鳥庵」』も上陸。ギャラリー名は、自然を内包する安藤忠雄の建築空間を回遊し、アートを体感してほしいという思いから。雨風に晒された外壁に大胆に写真を展示し、その経年変化をもとに杉本が追求する時間の概念を問いかける。「再び訪れて、自分自身の心の変化も楽しんでみたい」(篠原ともえ)。時間の流れ、自然の変化、そして「生」について思いを巡らせたい。鑑賞後は、杉本と榊田倫之が設立した新素材研究所が監修したラウンジでお茶を楽しんで。

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ある瞬間を捉えるという意味で写真は刹那的な儚さがあるけれど、
作品に込められた思いや概念は永遠。その両方を体感できる場所でした

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奥の写真は『ワールド・トレード・センター』(1997年)。杉本がニューヨークで経験した9・11の記憶をもとに、鎮魂の意を込めた空間。

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三次関数の数式から、数理模型として作られた彫刻作品は中庭に。『観念の形 003 オンデュロイド:平均曲率が0でない定数となる回転面』(2005年)

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1990年、ニュージーランドの海岸に流れついていた車の部品を撮影した「On the Beach」シリーズより、『On the Beach 017』(1990、2014年)。ゴルフの練習場で使われていたフレームの廃材を額縁に。

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初期作品の「ジオラマ」シリーズは、まだ名が知られていなかった杉本が世界各地でゲリラ的に撮影したもの。サバンナに見えるが、ニューヨークの博物館で撮られた『ハイエナ、ジャッカル、コンドル』(1976年)

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廊下の壁に飾られた「光学硝子五輪塔」シリーズより、『光学硝子五輪塔 日本海、礼文島』(1996、2012年)。地、水、火、風、空という仏教の五大要素から造形され、水を表す円形の中に杉本の海景写真が収められている。

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ラウンジに展示された「Opticks」シリーズより、『Opticks 073』(2018年)。『プリズム』という、光を集める装置から発せられた光の色そのものを撮影した写真。テーブルは4000年前に火山の噴火で埋まった「神代杉」を使った『三種の神樹-神代杉』(2022年)

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杉本が陶芸を学んだ内田鋼一がここのために制作した茶碗で、お茶と季節の茶菓子を提供する。

杉本博司ギャラリー 時の回廊
香川県香川郡直島町琴弾地(ベネッセハウス パーク内)
tel:087-892-3223
営)11:00~15:00
無休 
料)一般¥1,500(お茶とお菓子付き)
※ベネッセハウス宿泊客は無料
https://benesse-artsite.jp/art/sugimoto-gallery.html
篠原ともえ
1979年生まれ。95年にデビュー。歌手、ナレーター、女優として活動し、現在は衣装デザイナー、アーティストとしても活躍。2020年、池澤樹とクリエイティブスタジオSTUDEOを設立。今年、日本タンナーズ協会「革きゅん」プロジェクトで制作したエゾ鹿革の着物で、第101回ニューヨークADC賞銀賞と銅賞を受賞。madameFIGARO.jp連載にて制作過程を公開中

篠原ともえ、
あらためて直島へ。

●問い合わせ先:
イッセイ ミヤケ tel:03-5454-1705
シリ シリ tel:03-6821-7771
ジャンヴィト ロッシ ジャパン tel:03-3403-5564

*「フィガロジャポン」2022年9月号より抜粋

●掲載施設の開館・営業時間、閉館・定休日、価格などは、取材時から変更になる可能性があります。
●宿泊施設の場合、別途サービス料や宿泊税、入湯税などがかかる場合があります。
●取材・撮影時はコロナ対策に十分配慮し、少人数で行っております。また、写真でマスクを外している場合がありますが、通常スタッフはマスク着用のうえ感染対策を行っております。

photography: Sodai Yokoyama styling: Yumeno Ogawa hair & makeup: Misato Narita

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