新しいアートの楽しみ方 篠原ともえ、あらためて直島へ。
Travel 2022.09.10
自然と調和する屋外作品や地方のミュージアムを巡るなど、アートを目的にして旅することって素敵! 今回、約30年前からアートサイトとして歩み始めた直島に、篠原ともえが訪れた。『瀬戸内国際芸術祭』が開催される今年は、新ギャラリーもふたつ登場。自身もアーティストとして活躍する篠原ともえが注目する、直島の見どころとは?
杉本博司『硝子の茶室「聞鳥庵」』2014年。ヴェネツィア、ヴェルサイユ、京都を旅してきた茶室が直島へ。特別に入室した篠原ともえは「茶室がモンドリアン的構造であることも、その名から気付き、心が震えました」と語る。
ハイネックニットトップ¥35,200/シーエフシーエル クリアガラスイヤカフ¥19,800/シリシリ ストーンネックレス¥49,500/モナカ ジュエリー パンツ/本人私物©Hiroshi Sugimoto, The work originally created for LE STANZE DEL VETRO,Venice by Pentagram Stiftung
今年は『瀬戸内国際芸術祭』の5回目。3年に1度、瀬戸内の12の島を舞台に開催されるが、世界の中でも「アートの島」として名高い直島にふたつのギャラリーが新登場。宿泊施設はベネッセハウス以外に、島内に旅館ろ靄がアートを堪能できる滞在場所として誕生した。
穏やかな風が頬を撫で、海に囲まれるように焼杉の家が並ぶ小さな島。「海を越えて向かうこの道中もまた心が躍る」と、篠原ともえ。港から車で10分、美術館の点在する島の南エリアに入ると、海沿いに点在するニキ・ド・サンファルのオブジェに篠原は歓声を上げた。
まず訪れたのはヴァレーギャラリー。山間に佇む安藤忠雄建築と、芝生や池を埋め尽くす銀色の球体が見えてくる。草間彌生が世界中にその名を轟かせた作品のひとつであり、自然とアートと建築の美しい融合を感じられる新名所だ。次に、ベネッセハウス パーク内の杉本博司ギャラリー 時の回廊へ。直島は原点のひとつという杉本博司の、多様な作品群が一堂に会する。今回は『硝子の茶室「聞鳥庵」』に、特別な許可のもと篠原が入室した。
「水に浮かぶガラスの道を渡ると心が浄化されるようで。茶室へ入る頃には感覚が研ぎ澄まされていました。内とも外ともいえない無音の空間の中で、果てしない宇宙を感じることができました」
自然とアートが一体化する島の旅。直島は10年ぶりという篠原は「前回とは異なる感覚や感性が揺さぶられました。いつ訪れても、新鮮な気持ちで五感を刺激してくれる場所」と話す。篠原ともえの言葉とともに、作品を観ていく。
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ヴァレーギャラリー
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杉本博司ギャラリー 時の回廊
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家プロジェクト「石橋」
家プロジェクト「護王神社」
*「フィガロジャポン」2022年9月号より抜粋
●掲載施設の開館・営業時間、閉館・定休日、価格などは、取材時から変更になる可能性があります。
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photography: Sodai Yokoyama styling: Yumeno Ogawa hair & makeup: Misato Narita