篠原ともえ、あらためて直島へ 島の暮らしを肌で感じる、直島の家プロジェクト。

Travel 2022.09.10

自然と調和する屋外作品や地方のミュージアムを巡るなど、アートを目的にして旅することって素敵! 今回、約30年前からアートサイトとして歩み始めた直島に、篠原ともえが訪れた。『瀬戸内国際芸術祭』が開催される今年は、新ギャラリーもふたつ登場。自身もアーティストとして活躍する篠原ともえが注目する、直島の見どころとは?

家プロジェクト「石橋」
千住 博

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青々とした芝生が美しい中庭から石橋家を眺めて。この縁側の奥にあるのが、千住が手がけた襖絵。

アート建築に進化した古民家で、島の暮らしに触れる。

穏やかな海と焼杉の家々が並ぶ細い路地。そんな島景色を楽しみ、暮らしを肌で感じられるのが家プロジェクトだ。錚々たるアーティストが直島に点在する空き家を改修する形で1998年に始まり、現在7軒が公開中。古くから島の人々の生活を支えていた製塩業で明治時代から栄えてきた「石橋」家は、千住博が5年を費やして作品化した。母屋の襖絵と奥の部屋を空間ごと手がけ、この場の持つ記憶をアートに昇華。「千住さんが長い年月をかけて制作された襖絵は、静かな情景ながらもその存在感に圧倒されました」(篠原ともえ)。中庭は開放的で心地よく、直島の光と風を身体に感じられる。

襖絵の銀泥が経年変化していく様子は、
古民家の歴史と相まって、より厳かな雰囲気を醸し出していました

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目から涼しくさせてくれるような『ザ・フォールズ』(2006年)

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千住が瀬戸内を海、陸、空から隈なくスケッチして周って描いたという『空の庭』(2009年)

家プロジェクト「石橋」
香川県香川郡直島町本村
tel:087-840-8273
営)10:00~16:30 
休)月 ※祝日の場合は翌火曜
料)一般¥1,050(共通チケット) ※「きんざ」を除く6軒を鑑賞
一般¥420(ワンサイトチケット) ※「きんざ」を除く1軒のみ鑑賞 
https://benesse-artsite.jp/art/arthouse.html

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家プロジェクト「護王神社」
杉本博司

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江戸時代から祀られてきた護王神社。本殿と拝殿は伊勢神宮など古代の神社建築の様式をもとに改修。

硝子の階段から光が差し込む、地下空間へ。

『時の回廊』に模型が置かれる護王神社は、杉本博司が最初に手がけた建築作品。境内に巨石を設置し、地上の神殿部と地下に作り出した石室をガラス階段で接続。細いトンネルを通って地下空間に入ると、地上からひと筋の光が差し込み、ガラスをキラキラと輝かせている。「まさに神様を宿すにふさわしい神聖な場所。地下に差し込む光と地下から出て目に飛び込んでくる光は、同じ光でも神域と現実を切り分けて捉えているよう」(篠原ともえ)。青い海に臨むトンネルの帰路では、江之浦測候所の構想の原点に触れられるはずだ。

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細いコンクリートのトンネルを通って地下の石室へ。帰路では、トンネルが海を切り取った景色を堪能できる。

家プロジェクト「護王神社」
香川県香川郡直島町本村
tel:087-840-8273
営)10:00~16:30
休)月 ※祝日の場合は翌火曜 
料)一般¥1,050(共通チケット) ※「きんざ」を除く6軒を鑑賞 
一般¥420(ワンサイトチケット) ※「きんざ」を除く1軒のみ鑑賞 
https://benesse-artsite.jp/art/arthouse.html
篠原ともえ
1979年生まれ。95年にデビュー。歌手、ナレーター、女優として活動し、現在は衣装デザイナー、アーティストとしても活躍。2020年、池澤樹とクリエイティブスタジオSTUDEOを設立。今年、日本タンナーズ協会「革きゅん」プロジェクトで制作したエゾ鹿革の着物で、第101回ニューヨークADC賞銀賞と銅賞を受賞。madameFIGARO.jp連載にて制作過程を公開中

篠原ともえ、
あらためて直島へ。

*「フィガロジャポン」2022年9月号より抜粋

●掲載施設の開館・営業時間、閉館・定休日、価格などは、取材時から変更になる可能性があります。
●宿泊施設の場合、別途サービス料や宿泊税、入湯税などがかかる場合があります。
●取材・撮影時はコロナ対策に十分配慮し、少人数で行っております。また、写真でマスクを外している場合がありますが、通常スタッフはマスク着用のうえ感染対策を行っております。

photography: Sodai Yokoyama styling: Yumeno Ogawa hair & makeup: Misato Narita

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