採れたての野菜や淡路島の食材で地産地消を体験する。
Travel 2022.02.14
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昨年秋、兵庫県淡路島の明石海峡に近い場所にオープンした農家レストラン「陽・燦燦(はる・さんさん)」。手掛けたのはパソナグループの一員で、農業分野での人材育成事業等を展開するパソナ農援隊だ。同社が定義する農家レストランとは、農業者自身が生産する農畜産物に加え、同一市町村内、または農業振興地域内で生産される農畜産物を主な食材とした料理を提供する施設を指す。
「Awaji Nature Lab&Resort」の農園で栽培した野菜を使用。
実は、「陽・燦燦」はサステイナブルガーデン「Awaji Nature Lab&Resort」を構成する4つのコンテンツのうちのひとつ。ほかに野菜の収穫や土づくりなどのフィールドワークが体験できる農園、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギーを積極的に活用し自然素材とテクノロジーを組み合わせた環境にもヒトにも優しい滞在型施設、企業や職人、大学、研究機関などが集まり、自然循環型のものづくりに関する情報を発信するラボがある。このうちラボは2022年春に、滞在施設は2023年春のオープンを予定している。農・食・住の体験を通じて、自然と共生する持続可能な豊かなライフスタイルを提案するのが「Awaji Nature Lab&Resort」の狙いというわけだ。
淡路島の特産品として知られている玉ねぎも栽培。
農業残渣はバイオマス発電に再利用される。
「陽・燦燦」の見どころといえば、まずは建築家の坂茂氏が担当した建物だろう。再生可能な材料を使っているのが特徴で、柱と梁には坂氏が得意とする紙管を採用。円柱形のモダンな要素が、庄屋の家のようなデザインに見事にマッチしている。そして、屋根に使われるのは堆肥として再利用できる茅で、定期的に「茅葺体験」のワークショップが行われている。参加者は自分の手でレストランを創ることで、自然と共存する豊かな暮らしを体験できる。
建物の柱と梁に再生可能な紙管を採用した。
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さまざまな人が集まる畑の中のレストラン。
料理については、「Awaji Nature Lab&Resort」の敷地内にある畑で育てた野菜をはじめ、金猪豚(ゴールデン ボア ポーク)などの淡路島産を厳選。これらの食材を使い、発酵醸造料理人として知られる伏木暢顕氏と、山形県鶴岡市のイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフである奥田政行氏が監修したメニューを提供する。
ゴールデン ボア ポークのスモークステーキ。
伏木氏は現在まで続く発酵食や麹に関するブームの立役者。発酵×和食の文化を使える活動のほか、地方創生の仕事にも積極的に取り組んでいる。奥田氏はひとつひとつの食材が持つ特徴を最大限に生かすのを得意とし、庄内地方の優れた食材を世に知らしめた功績者。イタリアのスローフード協会国際本部主催の「テッラ・マードレ2006」で、世界の料理人1000人のうちのひとりに選ばれた。
発酵醸造料理人の伏木暢顕氏。
「陽・燦燦」で提供される料理は、食材の本来の味を生かし、味や彩り、栄養バランスを考慮したものが中心。「ゴロゴロ野菜のシチュー」は、野菜の旨味が凝縮された味に驚くことだろう。店内にはその日の朝に収穫した新鮮な地元野菜を販売するマルシェを併設するほか、周辺の農園で収穫する「収穫体験」も実施している。
和ハーブのバーニャカウダ。
フリッタータ 手作りトマトケチャップ添え(オムレツ)。
畑のティラミス。
朝に収穫した新鮮な野菜を販売するマルシェ。
今後ラボと滞在施設ができれば、「陽・燦燦」はさまざまな人たちが集まる場所になるだろう。そして、ここで出た食品廃棄物はバイオマスエネルギーや堆肥として農産物の栽培に活用され、食品ロスの軽減に寄与するなど、各施設との連携も生まれていく。畑の中にたたずむレストランは、「Awaji Nature Lab&Resort」の象徴としてサステイナブルなライフスタイルへ導いてくれる。