【静岡県】南伊豆 崖の上の建物から見る、伊豆の海と四季の花々！

Izu Cliff House
 イズ・クリフ・ハウス

崖の上のモダニズム建築で、 青い海と四季の花々をひとり占め。

駿河湾に面した崖を切り開いて造られたヴィラ。木の伐採1本でも許可が必要な国立公園の保護区域内で、ウバメガシや山桜など、伊豆特有の植物が自生する。近隣に建物がない環境とあって、自然をひとり占めしている心地に。冬は水仙が咲き乱れ、春は山桜でピンク色に染まる、四季折々の景色も見どころ。 

南伊豆の緑深い山の中。木々に覆われた小径を下ると、ガラス張りの建物が現れる。このヴィラは、大学教授とフランス文学者の夫妻により1960年代に別荘として構想されたもの。海に面したモダニズム建築で、南仏にあるアイリーン・グレイの邸宅を思わせる。長く廃墟状態だったが、現オーナーが本来のデザインを生かしながら改修し、宿として生まれ変わった。約15,000m²の国立公園保護区域内にあるため伊豆特有の植物が自生し、風の音や鳥の声が耳に響く。日本で最も深いといわれる駿河湾に突き出したデッキに腰掛ければ、まっすぐな水平線や対岸にはうっすらと富士山が見える。眼下に浮かぶ無人島の宇留井（うるい）島には約60万年前まで海底の火山群だったという伊豆半島の成り立ちから、ゴツゴツとした岩肌が残る。夕刻には、ゆっくりと沈む太陽で海がオレンジに染まり、夜はガラスの天井から満天の星が降り注ぎ、天然のプラネタリウムに。 刻々と変わる景色を一日中眺めることがいかに贅沢なことか、そんな気づきをくれる滞在になるに違いない。

雄大な自然との一体感を味わえる、ミニマムな空間。1階のリビング、2階の寝室のどちらからも水平線を望める。

伊豆急下田駅から車で約30分。

南伊豆の楠で作ったデイベッドなど地元の木工作家、沼田風のインテリアが温かみを添える。

“まっすぐな水平線と駿河湾を日がな眺めて”

デッキで体験するヨガやマッサー ジなど、さまざまなオプションプロ グラムも予約可能。夏は漁船クルーズやシュノーケリング、シーカヤックなど、透明度の高い海を満喫できるアクティビティに参加したい。食事の用意はないため、イセ エビやサザエなど南伊豆自慢の海の幸を買って、テラスでバーベキューを楽しみたい。

ヴィラの前に自生するミカンを求めて、サルが遊びにやってくる。シカやイノシシなど、 野生動物も公園内に多く暮らす。

＊「フィガロジャポン」2022年5月号より抜粋