ポルトガル、クリスチャン・ルブタンの"赤"ホテルに泊まってみたい!

Travel 2023.05.12

リスボンの南、アレンテージョ地方のメリデスはクリスチャン・ルブタンが愛する小さな村である。信じられないほど美しい光、松の森の静寂と穏やかさに惹かれた彼。かつての漁師の家を修繕し、拡張した彼は、毎年6月冬のコレクションをデザインするためにここに滞在する。彼が長年の夢を叶えてホテル業を始めたのも、この村においてだ。4月に彼の初のホテルである「Vermelho Melides(ヴェルメーリョ・メリデス)」がメリデスにオープンした。ポルトガルで“赤”を意味するホテル名というのが、いかにも彼らしい!

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メリデスの村に魅せられたクリスチャン・ルブタン。この村に初のホテルをオープンした。

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アズレージョ(タイル)の国らしい和みのバスルーム。アメニティはカーマ アーユルヴェーダだ。

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シンプルな外観のホテルは、まるで昔からそこに建っていたかのように周囲になじんでいる。彼がイメージしたのは友だちが集まるヴァカンスの家。温かみのある13の部屋の内装はルブタン自身が手がけた。時代もスタイルも折衷で、彼の美意識の凝縮された世界である。アート、職人仕事、異文化に対する彼の興味から長年をかけて世界各地で集めたアンティークの家具やオブジェなどをこのホテルに配した。そして、ホテルの室内建築にあたっては以前から彼がその仕事を崇拝している素晴らしい職人たちの力を借りることにしたのだ。

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クリスチャン・ルブタン自身が収集したオブジェや家具で室内は装飾され、13室はそれぞれインテリアが異なる。

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外観に彫刻を施したのはイタリア人彫刻家ジュセッペ・デュクロ。

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左: ギリシャからの参加は絵画、セラミック、アニメーション映画など多彩に活躍するアーティストのコンスタンチン・カカニアス。ジュニアスイートのフレスコを手がけた。長年の友の彼とクリスチャンは昨年、「Greekaba(グリーカバ)」を共同でクリエイトしている。 右: 16世紀からのサヴォワールフェールを生かしてアズレージョを手作りしているメゾンの「Azeitão」。クリスチャンはホテルの赤い床の染色と、そして4つのスイートの壁のタイルを特注した。

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左: インドの伝統的な職人仕事を生かしているklove Studioによるジュエリーのような照明。 右: 別世界で迎える朝が待つホテル。

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レストラン「Xtian」でポルトガル人シェフのダヴィッド・アブルーが提案するのは、メリデスにそれまで見つけられなかったガストロノミー料理だ。シェフはさまざまな国のレストランで働いて磨きをかけたクリエイティビティを武器に、現代的に解釈したポルトガルのオーセンティックで繊細な料理で食事客を喜ばせる。鴨&ライス、イノシシの煮込み、ワインでポシェした洋梨といったシェフの味を求めてやって来るのは、ホテルの宿泊客に限らず、村の住民、アレンテージョ地方の旅人……。未知の土地で過ごす快適な滞在! 日常からのエスケープを約束してくれそう。

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パリのカフェで使われているビストロチェアの多くがメゾンG・ガッティ製である。クリスチャンは2019年にメゾンを買収したアレクシ・ディエーヴルと出会い、ホテルのレストランのために彼がデザインした椅子の製作をメゾンG・ガッティにオーダーした。色はもちろん赤で!

Hotel Vermelho Melides
R.Dr. Evaristo Sousa Gago 2,
7570-635 Melides
Portugal
www.vermelhohotel.com

editing: Mariko Omura

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