あまり観光客と出会いたくない人にオススメの旅先とは。
Travel 2024.06.01
アメリカの旅専門情報サイトCNN travelによれば、人が少ない穴場の観光地はエストニア、ウズベキスタン、パナマ等。
ウズベキスタンも穴場観光地のひとつ。photograhy : Tuul & Bruno Morandi / Getty Images
旅に出たい願望は万国共通らしい。世界観光機関(WTO)によれば、海外旅行客数は2023年末にコロナ前の水準の90%近くまで回復した。最近、海外旅行に行く機会に恵まれた人ならば、このニュースにさほど驚かないだろう。世界各地に観光客が押し寄せている。タイの白いビーチ、ヴィネツィアの狭い路地、そして日本の最高峰である富士山さえ、その波から逃れられない。世界の文化遺産が脅かされる勢いだ。旅のあり方を今一度考えようと、CNN travelは観光客が少ない観光地リストを発表した。旅のアイデアを得るにはいいかもしれない。
ヨーロッパ大陸
ヨーロッパ内で異国情緒を味わいたいなら、北欧のエストニアの都市、タルトゥはどうだろう。魅力的な旧市街地があり、バルト三国最大の科学博物館を擁する文化都市だ。2024年の欧州文化首都に選ばれた注目のデスティネーションは、スポーツ好きにもオススメなのは、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ等9カ国を横断する4,000kmの新しいサイクリングロードが今年開通するからだ。
南欧では、ギリシャとモンテネグロに挟まれたアルバニアに注目しよう。見過ごされがちな同国はビーチでのんびり休暇を過ごすのに理想的な旅先なのだ。水の透明度は高く、物価は安い。しかもバルカン半島に位置するこの国には文化的な豊かさもある。「キリスト教とイスラム教の狭間にあって、中南部のベラトや南部のジロカストラのように歴史遺産で有名な都市がある一方で、絶景の山々も堪能できる」とCNN travelはおすすめの理由を明かす。ヨーロッパではこの他、スペインのガリシアやギリシャのマケドニアもリスト入りしている。
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アメリカ大陸
一方、アメリカ大陸でのイチオシは年中温暖な気候のパナマだ。中米に位置し、運河で有名なこの国はサラサラの砂のビーチ、国立公園があり、パナマ市の歴史地区はユネスコ世界遺産に登録されている。アウトドア派ならば熱帯雨林のツアーに出かけたくてうずうずするだろう。
メキシコのユカタン州もリストに載っている。トロピカルな雰囲気のビーチだけでなく、マヤ遺跡などの歴史遺跡も楽しめる旅先だ。さらにメリダの「モンテホ通りには、歴史的建造物やミュージアム、アートギャラリー、そして地元の店が並ぶ」
米国ではフロリダの天然温泉、ミシガン州北部、あるいはテキサス州中央部に広がる丘陵地帯のテキサス・ヒル・カントリーがおすすめだ。テキサス・ヒル・カントリーは広大な荒地に多くの牧場が点在する。テキサス州都のオースティンは夜になると熱狂的な音楽ライブが楽しめる。
アフリカ大陸と中東
アラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラはあまり知られていない。しかしここは山の景色もビーチも楽しめ、歴史的建造物もある場所なのだ。「ドバイやアブダビと比べてフジャイラは開発が進んでおらず、他にはない、しっとりとしたオーセンティックな雰囲気が味わえる」とのこと。
アフリカ大陸の国、アンゴラには、広大な土地と植民地時代の歴史が色濃く残る街並みがあり、世界を旅する人々を魅了する要素が揃っている。同国のルバンゴにはポルトガルの影響を受けた建築物や、リオのキリスト像を彷彿とさせる印象的なキリスト像がある。モロッコも「多様な景観と壮大な建築物」が評価されてリスト入りしている。
アジア
アジアの人気観光地はバリ島、東京、バンコクだが、CNNトラベルの推しはインドネシアのサンバ、台湾の台南、そしてウズベキスタンだ。ウズベキスタンを訪れる人はまだ少ないが、86カ国を対象にビザなしで入国できる体制を整え、観光客を歓迎している。2023年には「UN Tourismベスト・ツーリズム・ビレッジ」(持続可能な開発目標に沿って観光を通じて文化遺産の保全や持続可能な開発に取り組む地域を認定するプロジェクト)のひとつにウズベキスタンの村が選ばれた。
シンガポールと言えば高層ビルや高級ホテルが思い浮かぶが、ちょっとフェリーに乗っただけで楽園のような無人島に着く。例えば長い白砂のビーチがあるラザロ島があり、すぐ隣の島では、今年、自然海洋公園とウミガメの孵化施設がオープンする予定だ。さあ、今年はどこへ行こう?
text : Alexandra Marchand (madame.lefigaro.fr)