夏の熱海にノスタルジアを求めて。lukaが旅する小さな世界。Vol.1

モデル/写真家のlukaが毎日を豊かに過ごすためのインスピレーションのかけらを求めて、小さな旅へ。lukaの感性で撮りおろした写真とともに旅の記録を綴る連載がスタート。Vol.1は、夏の熱海でノスタルジックを探す。

東京から車で約2時間、目的地を熱海へとセットして向かったlukaの前に広がったのは、どこか懐かしい風景の数々。今年の夏はとにかく暑かった。この日も同様に暑かったが、時代をタイムスリップしたかのようなノスタルジックな光景が涼やかな余韻を残す。

まず訪れたのは日本発のデニムブランドであるトゥ エ モン トレゾアが、建築家である吉村順三が設計した熱海の邸宅に期間限定でオープンしていたサマーガーデン。LAを拠点とするデザインスタジオ、カクタス ストアとのコラボレーションによって完成した庭園は、クラシックな世界とモダンなエッセンスが交差し、豊かな時間を創造する。

吉村順三の設計により1977年に完成した邸宅。トゥ エ モン トレゾアは、受け継がれたきた歴史を残しながらも丁寧に手を加え、新しい息吹を注ぎ込んでいる。

古き良き歴史をしっかりと継承しながら、トゥ エ モン トレゾアのデザイナー、佐原愛美は改修や家具のキュレーションによってモダンな風を吹き込んだ。その場所で、lukaが心を動かした光と影の世界。新旧が交わる建築の魅力を踊るように動く光と影に重ねて。

ダイニングの大きな窓の先には、青々とした芝生が広がる。今回のカクタス ストアとのコラボレーションで、花壇に赤、緑、黄のディッキアが植えられた。それは、かつて施主である女性実業家が植えた色とりどりの花々と、趣味の園芸の温かさを想起させる。1階奥のマスターベッドルームにはトゥ エ モン トレゾアのコレクションが並び、2階の秘密基地のような空間は自己と対峙する時をもたらす。

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昼食は蕎麦処 多賀で、鴨せいろそばとあんみつに舌鼓。築約200年を誇る建物は、ドイツの建築家ブルーノ・タウト指揮により1930年にこの場所に移築され、店舗は1979年にオープン。以来、多くの人々に愛されながら時を繋いできたこの場所で、風情あふれる夏のひとときを五感で楽しむ。

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高台にあるホテルニューアカオに立ち寄れば、心を穏やかにする広い海と空、そしてクラシカルな床や階段、温かみのあるソファーが佇む建物が迎えてくれる。細部まで感覚を研ぎ澄ませれば、まだ知らない大きな世界と心に眠る好奇心が掻き立てられる。

絵画のように青い空と海に映える真っ赤な看板やレトロなルームキー、温かなカルチャーが残るインテリアが、夏の雑踏の中でそっと寄り添ってくれる。lukaが切り取ったホテルニューアカオは、夏の午後に流る静かでスタルジックな時間。

Behind the Scenes

心が赴くままにシャッターを切るlukaを捉えた夏の記録。立ち寄ったアドレスとトゥ エ モン トレゾアのデザイナー 佐原愛美へのスペシャルインタビューもチェックして。