古代遺跡の宝庫、トルコのアンタルヤにて悠久の時を旅する。

Travel 2024.09.10

ブルーモスクや世界遺産、古代遺跡の宝庫であるトルコ。ヨーロッパ、アジア、中東文化が融合するユニークな土地ならではの、新しい魅力を感じる旅をご提案。今回は、地中海地方屈指のリゾート地、アンタルヤの遺跡にフォーカス。この土地のレイヤーの深い階層には、古代遺跡の存在がある。

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探し出された楽園としてのアンタルヤ

地中海沿岸地方を代表するリゾート地として多くの人を惹きつけるアンタルヤだが、ビーチリゾートの顔を持つはるか以前から、この地には多くの人が暮らし、歴史を築き上げてきた。

アンタルヤエリアの古代名はパンフィリア。パンフィリアの名は紀元前1200年頃のヒッタイト時代に登場するというから、古くから人の営みがあった土地だということがよくわかる。

では、アンタルヤの名の起源はというと、その由来は紀元前1~2世紀にこの地を治めていたアッタロス朝の国王であったアッタロス2世が、この地に都市をつくりアッタリアと名付けたことに始まる。「楽園を見つけ出せ」というアッタロス2世の命にしたがって土地を探し歩いた末に、臣下たちが見つけ出した土地だったというエピソードがあるように、古くから人を惹きつけるような魅力にあふれた、輝きを放つ土地だったのだろう。

アンタルヤに数多く存在する古代遺跡の中で外せないのがペルゲ遺跡。ペルゲの成り立ちについては周囲の古代都市と同じく、それぞれの時代における王国の支配下にあったがゆえに確かなことはわかっていないのだが、古代ギリシャ、古代ローマの建築様式が混在する貴重な遺跡であることは間違いない。特にローマ支配下の時代に都市として大きく発展し、現在遺跡として見ることができるローマ式浴場や劇場、噴水などの建築物が造られたという。

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ペルゲ遺跡。奥に見えるアーチが連なる建物は競技場。12000人ほど収容できたそうだ。

案内してくれたガイドによると、古代ローマの街づくりは初めに泉ありきで街が形成されるのだそう。噴水、浴場など水の確保に力が注がれてきたのだ。灼熱の太陽に照らされて乾きききった現在のペルゲ遺跡も、泉があったはるか遠い時代には街に水があふれ、潤い、賑わっていたのだろう。

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ローマ式浴場の跡地。
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灼熱と太陽の下、サボテンは元気に育っていた。

ペルゲ遺跡
Barbaros Mahallesi Perge Caddesi Aksu/Antalya,Turkey
料)13ユーロ(およそ470リラ)

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美しく保存された世界最大級の古代劇場

アンタルヤ中心部から東へ約40kmほどの距離に位置するアスペンドス遺跡は、2世紀に建てられたローマの古代劇場がほぼ完璧に近い状態で保存されている貴重な遺跡。

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客席最上部からの眺め。観客席の直径は95m。

内部に入ると思わず声が漏れてしまうほど、その荘厳さに圧倒されてしまった。世界最大級の古代劇場なのだと聞き、納得する。中央に造られたステージを取り囲むように階段状の観客席で形成される円形劇場であるが、円形劇場様式の多くが古代ギリシャ・古代ローマ時代に造られたという。その用途は時代によって変わり、古代ギリシャ時代には神事や政治行事に使われたのに対し、古代ローマ時代には民衆にとってのエンターテイメントの場として使われるようになったのだとか。

音響効果が高い古代の円形劇場は現在でも利用される遺跡が多いが、アスペンドス遺跡でもトルコやヨーロッパが物語の舞台となった神話を題材にした演劇やオペラの舞台として、定期的に公演が開催されているという。

2000年近くの時を経て、当時の人々と同じようにエンターテイメントを鑑賞できるとは、あらためてこの国のレイヤーの深さに驚く。客席上部のアーチ上の装飾や最上部から見下ろす客席とステージなど、視界に入るすべてのものが壮大で美しい。その場を離れるのが惜しくなるような優雅な遺跡に触れられることに感謝したい。

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客席上部のアーチの中は回廊になっている。
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アスペンドス遺跡
アスペンドス遺跡
Sarıabalı, Aspendos Yolu, 07500 Serik/Antalya,Turkey
料)15ユーロ(およそ570リラ)

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アンタルヤで見つけたトルコならではのお土産

オリーブやザクロなど、トルコの大地が育んだ恵みは古くからこの土地の人々の健康と美容のために用いられ、豊富なプロダクトがつくられてきた。遺跡観光の合間にトルコの恵みでもあるお土産を探すのも旅の醍醐味のひとつ。

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左:アナトリア東部の高原地域で採取され、濾過も低温殺菌もしていないロウハニー。ビーオ・ロウハニー(300g 324.90リラ)。中:ガイドの女性が「トルコの女性は毎日飲んでいるのよ」と教えてくれたブラッククミンシードオイルは抗菌、免疫力強化などの効能があり、古代ローマ時代にも傷の治療や関節炎を癒すマッサージオイルとして活用されていたそう。オネバ・ブラッククミンシードオイル(250ml 329.95リラ)。 右:世界トップ5に入る生産量を誇るオリーブオイルは、生産量だけでなくその品質にも注目が集まっている。オーガニック農法によって栽培された最高品質のオリーブをコールドプレスしたオリーブオイル。アナドル・ハジネレリ・エクトラバージンオリーブオイル(1000ml 614.95リラ)。※すべてスーパーマーケットで購入可能。

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左:100%ピュアなオリーブオイルから作られたソープ。キルランギック・ナチュラルオリーブオイルソープ(125g 89.95リラ)。中:地中海地方を中心に栽培されているザクロは「女性の果実」と呼ばれ、古くから抗酸化作用や免疫力アップに取り入れられてきた。エスカベルコスメティック・ザクロソープ(150g 69.95リラ)。 右:オレイン酸やビタミンEを多く含むオリーブ成分が配合されたダラン社のハンドクリームはトルコ女性の定番なのだそう。トルコで70年以上の歴史を持つダラン社のハンドクリーム。(60ml 70リラ)。※すべてスーパーマーケットで購入可能。

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ワールドクラス・エアラインのプレミアムな機内サービス

世界最大となる130カ国に就航し、成田、羽田、関西の3つの空港を利用して日本からインスタンブールへ週21便を運行しているターキッシュ エアラインズ。英国スカイトラックス社の2024年の「ワールド・エアライン・アワード」では「ヨーロッパのベストエアライン賞」ほか7つの賞を受賞したターキッシュ エアラインズでは、ビジネスクラスのサービスに注目したい。心地良いプライベート感をもたらすフルフラットシートのシートサービスはもちろんだが、成田ーイスタンブール路線を特別な時間にしてくれるのはターキッシュ エアラインズが誇る「フライングシェフ」サービスだろう。「ベストビジネスクラス機内食」の受賞を後押ししたのは、まさに、その名の通り"空飛ぶシェフ"かもしれない。乗務資格を持ったシェフが中長距離国際線では1名以上搭乗し、ビジネスクラスの乗客に料理の仕上げのプレゼンテーションとサーブをするのだ。メイン料理に必ずラインナップされるトルコ料理で往路で一足早くトルコ料理を堪能するのもいいだろう。昼行便ではワゴンで運ばれてくる前菜やデザートにワクワクし、目の前で美しく盛り付けられる料理がフライトタイムを極上な時間にしてくれる。

ターキッシュ エアラインズ 
https://www.turkishairlines.com/
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B787-9(ドリームライナー)など、2024年9月現在462機を保有する。
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フライングシェフサービスが空の旅にエンターテインメント性をもたらしてくれる。
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ビジネスクラスシートはフルフラット仕様になる。ファブリックの肌触りも心地良い。

関連記事:
トルコのアンタルヤ、眩しき地中海を望む宝石のような港町へ。

【トルコまとめ記事】
青く眩しいアンタルヤと1000年首都イスタンブールを巡る、トルコへの旅。

photography and editor: Takuro Watanabe

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