Snow Man岩本照に聞く、理想の休日の過ごし方。
Travel 2025.01.20
一日でもオフの時間があれば、行き先も決めずにひとりでふらりと旅に出るというSnow Manのリーダー岩本照。エネルギッシュに活動し続ける岩本にとって、旅とはどういう存在なのだろうか。
冬晴れの凛とした空気に包まれ、その美しい男ひとは、深くゆっくりと息を吸い込んだ。2024年も破竹の勢いを見せたSnow Manのリーダー、岩本照。メンバーそれぞれが多様な個性を持つグループ内でも鍛錬された歌唱力やダンススキルの高さで圧倒的な存在感を示すが、いつもの"動"のイメージとは異なり、カメラの前に立つ姿は、自分と向き合うひとときに心身を委ねているような"静"のオーラを纏っていた。
多忙の合間に訪れたのは、東京・立川にある洗練と美食の宿、オーベルジュときと。昭和初期に開業した老舗料亭「無門庵」跡地で日本のもてなしの心を紡ぐ、安らぎのデスティネーションで自身の旅への思いを語る岩本の表情は、木漏れ日のような穏やかさに満ちていた。
1993年、埼玉県生まれ。ダンスの道に進むために、13歳の時に自ら事務所へ応募し、ジュニアとして活動を開始。12年5月からSnow Manとして活動。多くの舞台経験を積みながら、長いジュニア時代を経て、20年1月に両A面シングル「D.D./Imitation Rain」でCDデビュー。現在は、映画、舞台、ドラマと活躍の幅を広げている。1月22日にSnow Man初のベストアルバム「THE BEST 2020-2025」のリリースが決定。
「もともと旅することがとても好きで、ひとりでも隙間を見つけては出かけることが多いです。もちろん、時間が合えば家族や仲のいい友人4人くらいで気になっていた場所に行くことも。昨年は1泊2日で京都を訪れたのですが、ひとりだったので、1日20キロくらい歩いていろいろな場所を巡りました。旅は誰と行くかで過ごし方が変わります。ひとり旅をしていると相手に合わせなくていいという感覚が楽と感じる時もありますし、気心知れた友人との旅は違う目線で同じものを見て得られる発見もあります。きっちりスケジュールを組んで動くよりは、その時の感覚や気分で過ごすほうが自分には合っているかもしれない。道すがら友人たちと相談してその日に泊まる宿を取ったり。一緒に行く相手がいる場合は、お互いの意見を伝え合うというのも旅のテンションが高まります」
旅という言葉からイメージするものは? と尋ねると「大きなリュックかな」と即答。トレーニングをきっかけに、登山に目覚めたという。リュックを相棒に出かけるなら山?
「山でも海でも自然を身近に感じられる場所にはとても惹かれます。ひとり旅の時はスーパーアクティブモードなので(笑)、リュックに必要最低限の荷物を詰めて、どこまでも歩きます」
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木の枝が風に揺れる様子を眺めながら「都心に近い場所にも、こんなに気持ちが落ち着く宿があるんですね」と微笑む岩本。旅は心の原点回帰。同時に、日常と非日常のはざまで出合う"体験"は、人生をさらに豊かに彩るものだ。
「昨年はファッションの仕事でミラノに行かせていただく機会に恵まれたのですが、得難い経験に心がとても揺さぶられました。自分のなかでイタリアとかフランスは縁遠い場所、と勝手に思いこんでいたのですが、実際に訪れてみると街並みの美しさや悠久の歴史とともにある風景に圧倒されました。スケジュールはタイトでしたが、そのぶん、とても濃密な時間を過ごすことができて、またこの場所を訪れたいというモチベーションが高まりました。本場のトマトパスタは食べましたが、ピッツァは次回にイタリアを訪れた時の楽しみと思っていて(笑)。海外も国内も行ってみたい場所がたくさんあるんです」
癒やしや刺激、安らぎとときめき。旅に求めるものは人それぞれだが、岩本の場合、そこにしかない景色にも強く心が惹かれるという。
「その場所に行かなくては見られないものに価値を感じます。僕は神社仏閣も好きで旅先で行くこともあるのですが、もともと目には見えないけれど不思議と感情が揺り動かされるようなものに興味がそそられるところがあって。それは、ずっと大昔から土地のひとに守られてきたものであったり、そうした思いのもとに大切に受け継がれてきたものだと思うんです。この宿も古くからの料亭をリノベーションしたと聞き、自然との共生感や日本人の繊細な感性や温かみが息づいた空間が素敵だと思いました。五感が研ぎ澄まされるような場所や風景に尊さを感じますし、旅をすることでそうした感覚を磨いていきたいです」
ひとつの場所に留まり続けることが苦手という性格も、旅に出たいという欲求に繋がっているのかもしれないと、岩本さんがぽつりと呟く。
自分と正面から向き合いながら生きるひとにとって、時に安息をもたらし、そして明日の活力になる旅は、何よりも大切なものなのだ。
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[ 東京都 ] 立川
オーベルジュ ときと
Auberge Tokito
Auberge Tokito
東京都立川市錦町1-24-26
042-525-8888
食房:営)12:00~、18:00~
※一斉スタート 茶房:営)11:00~
宿房:全4室 全室温泉付き 1室2名(利用時)、2食付き¥380,200〜
https://www.aubergetokito.com/
photography: Reiko Toyama (leseninc) styling: Takayuki Tanaka hair & makeup: Kenshin (EPO LABO) text: Keiko Kodera