NYの小さな映画館「メトログラフ」で見つけた自分のための時間。【lukaが旅する小さな世界。ニューヨーク編】
Travel 2025.09.07
モデル・写真家のlukaが2025年夏、約2ヶ月をかけてロサンゼルスやニューヨーク、ロンドン、パリといった世界の都市を巡る。訪れた街をlukaの感性で捉え、文章で綴るスペシャル連載。ロサンゼルスを後にして向かったのは、ニューヨーク。ローワーイーストサイドにある映画館「メトログラフ」に念願の訪問!
2016年にオープンした「メトログラフ」。新作から古典まで幅広い作品が上映される。
NYの映画館「メトログラフ」へ。雑踏の中で取り戻す自分だけの時間。
文:luka
映画好きならぜひ訪れたい、ファッションデザイナーでもあり、映画愛好家のアレキサンダー・オルチがプロデュースする小さな映画館「メトログラフ(Metrograph)」。2016年3月にニューヨークのローワーイーストサイドにオープンし、映画好きにはたまらない特別な場所だ。
ローワーイーストサイドの一角にある赤れんがの建物。
インディペンデントな映画がラインナップする新しい映画館ができるのは、ニューヨークでは実に10年以上ぶりのことで待ち望まれていた場所のオープンだった。訪れたのは平日の夕方。チャイナタウンを散歩し、外のざわざわから少し離れると、まるで古い映画館にいるような落ち着いた空気が広がっていていた。
映画関連の本が揃うブックストアや上映前後の一杯が楽しめるレストランバーなど、小さいながらも映画への愛を感じる内観。
ロビーには映画のポスターや関連書籍が並び、訪れるだけで映画への愛が伝わってくる。上映前には時折、監督やキャストによるトークイベントも開催され、映画ファン同士の交流の場にもなっているそうだ。2階には1920~40年代のハリウッド黄金期にあった撮影所の食堂をイメージして作られた、レストランバーも。
足を踏み入れると、映画の世界に迷い込んだかのような空間と時間が広がる。手すりや看板のディテールも可愛い。
ひとりでゆっくり食事をする人もいれば、友達と映画の話で盛り上がっている人もいて、落ち着いた大人の空気が漂っていた。雑踏の中にぽつんとあるメトログラフは、時間がゆっくり流れる不思議な場所。ここで過ごす時間は、ニューヨークでの思い出をちょっと特別にしてくれる。
NYの街を自分のものにする犬たちを見て、ついシャッターを押す。世界共通の可愛らしさを再確認して、次なる目的地であるヨーロッパへ。どこの都市かはお楽しみに! フィガロジャポンのインスタグラムでは、lukaお気に入りのNYの朝ごはんも紹介。
メトログラフ
7 Ludlow St, New York, NY 10002
https://metrograph.com/
Luka 写真家/モデル
1998年、東京都生まれ。モデルとして広告や雑誌、MVなどで幅広く活動するほか、10代の頃から本格的に写真を撮りはじめ写真家としても活動する。2025年3月に写真展「Morocco 2017 - 2025」を開催。雑誌やファッションブランドのヴィジュアル撮影も行っている。
photography & text: Luka