JICA 心と身体を解き放つ、自然に還るパラオ時間。

Travel 2025.10.29

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太平洋西部に浮かぶ、340(※後述)の小さな島々からなるパラオ共和国(以下、パラオ)。この秋、東京(成田)とパラオを結ぶ直行便の就航がスタート、5時間あまりでアクセスできるようになる。南国のパラダイスにやってきたらあれこれと予定を詰めこむのはやめて、島を取り巻くエキゾチックな自然に身を委ねてみよう。見たこともないようなエメラルドブルーの海をサップやカヤックでのんびりと散策したり、無人島のロングビーチで気ままに過ごしたり......。心と身体をリセットする豊かなひと時を過ごしたい。

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世界屈指の透明度を誇る美しい海で知られるパラオ。白砂のロングビーチ、ユネスコ世界文化・自然遺産に登録されたロックアイランド群と南ラグーン、こうした海域でのダイビングやシュノーケルといったマリンアクティビティを目的に、世界中からツーリストが訪れる。もちろん、この国の見どころは海だけにとどまらない。固有の鳥や動植物を育むジャングルやマングローブの森、漁業を中心に発展した素朴で伝統的な営み、タロイモやココナッツといった南国らしい食材が主役の食文化、手つかずの自然を守ろうと、人々が取り組むサステイナブルな取り組み。五感を解き放ち、知られざるパラオの魅力を探しに出かけよう。

※パラオ政府発表

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楽園を守るため、責任ある行動が取れるツーリストになろう。

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パラオ北端に位置する環礁(環状のサンゴ礁のこと)のカヤンゲルは秘的な色合いの海と真っ白なビーチで訪れる人を魅了する。長い時間をかけてサンゴ礁が隆起し、石灰岩の島が形成されたことが見て取れる。

パラオを訪れる前に頭に入れておきたいのは、この国がサステイナブルなツーリズムの最先端にいるということだ。それを代表する取り組みが、2017年に導入された「パラオプレッジ(パラオ誓約)」。これはパラオ入国の際、外国人に対してパラオの自然と伝統文化を尊重し保護するという誓約書に署名を求める取り組みをいう。このほかにも、サンゴ礁に有害な化学成分入り日焼け止めの持ち込みや使用を世界に先駆けて禁止したり、パラオ行きの航空券代に、環境保護を目的とするプリスティンパラダイス環境税(US100ドル)を含めたり......。他国に先駆けてサメの保護区を設置するなど環境保護に積極的に取り組んできたパラオは、さらに先進的な保護政策を採用している。

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市街地からわずか10分あまりでアクセスできるリーフレイク(珊瑚礁湖)もご覧の通りの透明度。サンゴやさまざまな魚たちの姿が。こうしたエリアは流れがほとんどなく、外敵もほとんど侵入しないことから、生物にとって保護区のような役割を果たしている。

国をあげて目指しているのは、観光業と環境保全の両立だ。

「パラオ政府がサステイナブルツーリズム、レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)路線に舵を切ったのは、2015〜16年に浮き彫りになったオーバーツーリズムがきっかけでした」というのは、パラオ政府観光局でマーケティングマネージャーを務めるクロエ・ヤノ。

「マリンアクティビティが注目されるようになった1990年代から観光業が盛んですが、2016年には人口18,000人に対して146,000人の観光客の入国を記録しました。こうしたオーバーツーリズムの結果、ダイビングスポットの過密化、下水処理施設のひっ迫が生じ、観光客の行動によってサンゴ礁や海洋生物に深刻なダメージが生じました。そこで、これまでの観光のあり方を見直すことになったのです」

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パラオ政府観光局のステート&コミュニティマネージャーのケイト・マッド(左)とマーケティングマネージャークロエ・ヤノ(右)。各コミュニティのカルチャーに焦点を当てるツアーの開発支援を行っている。

日本ではまだ普及の途上にあるレスポンシブルツーリズムとは、ツーリストの意識・行動変容を促し、滞在中、責任ある行動をとってもらうことでよりよい観光地を作っていこうという考え方をいう。

「レスポンシブルツーリズムの普及のため、私たちは『アリーパスプログラム』というエコツアープログラムをスタートしました。パラオには16の州があり、それぞれに特徴的な風土や魅力があります。そこで、それぞれの州ごとに伝統的な体験を提供するエコツアーを開発することにしました。それぞれの土地に根ざした文化やストーリーを知ってもらうことで、ツーリストにはパラオへのより深い共感が生まれ、私たちは伝統的な営みを守り、人気観光地の混雑・消耗を回避することができると考えたのです」

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伝統のスカート、昔ながらの水田。パラオの日常に会いにいく。

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アイライ州にある伝統的なバイ(集会所)。パラオの人々にとって象徴的なモチーフが刻まれた茅葺の建物だ。築200年のこちらは現存する最古のバイで、いまだ現役。

パラオ最大のバベルダオブ島にあるアイライ州では、伝統的なタロパッチ(タロイモ水田)で農作業を体験し、ティーリーフを使った伝統的なスカート作りのワークショップに参加する。マルキョク州では茅細工を体験したり、地域の女性グループに集落を案内してもらったり、伝統的な食材を使ったランチをいただいたり。ガラルド州ではミクロネシア唯一のペトログリフ(岩の壁面に施された彫刻)を見にいく、といった具合だ。

「このツアーでは、パラオを訪れるみなさんに、これまでにない豊かな体験をお届けしています。3泊5日のツアーに参加してダイビングしてシュノーケルをして帰国する、そういう詰め込み型の旅はもうおしまい。この国の根っこに触れる体験を通じて、知られざるパラオに出合っていただけたらと思っています」

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パラオの暮らしを支えるタロパッチは、主食のタロイモを生み出すだけでなく、地域文化の伝承においても大切な役割を果たしている。農作業の担い手は主に女性で、胸まで泥に浸かりながら作業する。タロイモの根は、土壌を守るフィルターとしても機能しているとか。

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タロイモの水田近くには必ずこのような東屋があり、作業する女性たちの憩いの場になっている。

パラオの伝統食材といえば、主食のタロイモにキャッサバ(タピオカ)、スイートポテト、豊富な海産物にカンクン(空芯菜)など。アイライ州の女性グループが手作りする伝統的なランチは、ココナッツの葉を編んだバスケットで提供される。この日の主菜はレッドスナッパー。デザートは甘く煮たカボチャ。

「海外からやってくる人々に、自分たちの暮らしや文化、伝統を紹介できることにワクワクしています!」というのは、アイライ州のツアーでガイドを務めるヴェルマ・オバック。ヴェルマが着用している民族衣装のスカートは、ココナッツの繊維で仕立てたもの。ココナッツの繊維を海水に3ヶ月漬けて柔らかくし、天日に干して漂白したのち、タロイモ水田に沈めて染色する。氏族によってスカートの色が異なる。

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伝統衣装に身を包んだ、ローカルガイドのヴェルマ。

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大胆で力強い、神話を刻んだ民芸品。

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パラオの名工、リン・イナボがツリーハウスに構えたアトリエで作業する様子。

パラオの伝統を知るうえでクロエがぜひ見てほしいというのが、パラオの伝統的な集会所「バイ」の柱に刻まれていた木彫を起源とする民芸品、イタボリだ。パラオに伝わる神話や伝説をマホガニーの木版に彫刻するもので、日本統治時代の1929年にパラオに渡った彫刻家・民俗学者の土方久功が現地の学校で木彫の技術を教えた事に端を発する。パラオを代表する作家として制作活動に励むリン・イナボのスタジオを訪ねた。イナボはコロールの中心地でテバン工房というアトリエショップを営む傍ら、新たに構えたツリーハウスのスタジオで彫刻教室を開いている。

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イナボさんの作品。海の生き物や神話・民話のワンシーンが描かれている。

キャリア15年というイナボにとってイタボリの魅力とは、自身の想像力で神話の世界に没入できること。

「神話の舞台となった1200〜1300年前のこの島はどんな場所だったのだろう、どんな自然があったのだろう。そんなことに思いを馳せながら彫り進めています。美しいパラオの物語を、イタボリを通じてたくさんの人に伝えていきたい」

イナボはツーリストに向けてのイタボリワークショップも開催している。素朴で力強いパラオの民芸を体験してみよう。

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彫刻家として独自のスタイルを追求する傍ら、多くの教え子の指導にあたった土方さんを尊敬している、とイナボ。「土方先生は人間を見る才能があり、たくさんの弟子たちの独創性を引き出してくれたのです」。

テバン・ウッドカービング・ショップ
Tebang Woodcarving Shop
https://tebangwoodcarving.com

パラオへの旅についてもっと知る

photography: Yasuo Yamaguchi editor: Ryoko Kuraishi

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