瀬戸内の光に包まれて。兵庫・赤穂で心ほどけるリトリート旅。
Travel 2026.02.09
瀬戸内海に面した兵庫県赤穂市は、歴史と暮らしが静かに重なり合う町。赤穂浪士の記憶、塩づくりの文化、そして海辺の穏やかな時間。ここでは「何をするか」より「どう過ごすか」が旅をつくっていく。どの時間帯でもそれぞれに優美な瀬戸内の凪の景色を目前に、柔らかな泉質の赤穂温泉に浸かって、ぷりぷりの坂越かきに舌鼓。

忙しい日常からほんの少し距離をとりたいとき、赤穂は、ちょうどいい余白を与えてくれる。
きらきら坂の先にある、海とナポリの気配。

赤穂御崎の海岸線を歩いていると、ふと異国の気配を感じる瞬間がある。
「この景色を見たとき、ナポリを思い出したんです」
そう語るのは、御崎に本格ナポリ料理店「SAKURAGUMI」を開いた西川明男シェフ。日本人で初めて真のナポリピッツァ協会に加盟し、この土地に"本物の味"を根付かせた人物だ。
石窯から立ちのぼる香ばしい香りと、海を渡る風。テラス席で味わうマルゲリータは、ここが日本であることをひととき忘れさせてくれる。

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海と溶け合う湯に、ただただ、身をゆだねる

身も心も解放される渚の露天風呂で、瀬戸内の多島美の詩景を独り占め。"よみがえりの湯"とも呼ばれる赤穂温泉は、ミネラル成分を多く含む中性の食塩泉で、なめらかな肌触りで保湿効果が高い。
水平線に溶け込むような露天風呂を構える「祥吉(しょうきち)」では、湯船の正面に夕陽が落ちるので、夕刻が絶景の狙い目。夜になると湯の水面に星が映り込んで、壮大な景色に入り込んだような優美な時間を過ごすことができる。

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城下町の余韻が残る、小さな通りを歩く
千種川から坂越湾へと延びる坂越の大道には、古民家を改装したカフェや雑貨店、酒蔵が点在する。たとえば、アンティーク家具に囲まれたカフェで一汁多菜の昼食をいただいたり、雑貨店で一点ものの器を手に取ったり。歴史を遺したロマンチックな街並みを散策しながら、タイムトリップ気分。

週末には行列ができる「SAKURAGUMI」系列店の「坂利太(さりーた)」は、ナポリ伝統のお菓子アラゴスタの専門店。ソフトクリームを支えるのは、本場イタリアから取り寄せた小麦粉を使ったタッピという少し塩気が効いたサクサク、パリパリのパイ生地。中には自家製カスタードクリームがぎっしり詰まっていて、ソフトクリームからの味変も楽しめるという贅沢な構造。レモンの皮なども入っているので後味さっぱり、クセになる味だ。
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山と川と海の幸で育まれた海のミルク、坂越ブランドの絶品牡蠣
赤穂を訪れるなら、冬の坂越かきは欠かせない。千種川の清流と、原生林に囲まれた生島に守られた坂越湾。その環境が育てる「坂越かき」は、小ぶりで肉厚、シルクのような滑らかな食感だ。口に運ぶと、ミネラルのやさしさが広がり、クセがまったくない。
「牡蠣が苦手だった人が、ここで初めて好きになることも多いんですよ」
とは、「かましま水産」三代目店主の妻である典子さん。
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時間を織り込んだ美しさ、幻の伝統工芸品・赤穂緞通を愛でる

赤穂にはもうひとつ、粛々と受け継がれてきた美がある。赤穂緞通(あこうだんつう)だ。
一人の職人が、糸選びから織り、仕上げまでを担い、完成までに8カ月以上。手をかけた時間だけ、絨毯には深い表情が宿る。
「三世代で使ってくださる方もいるんです」
という「赤穂緞通工房・ギャラリー東浜」の代表・池上和子さんの言葉に、この工芸が"道具"ではなく、"暮らしの記憶"なのだと気づかされる。

海と温泉、旬の食、そして、受け継がれる工芸。コンパクトな町の中に、旅の楽しみがバランスよく詰まっている赤穂。気負わずに訪れて、ただ心地よく過ごす。そんな旅先のひとつとして、覚えておきたい。
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お得な宿泊プランが続々、「アゲていこう、冬兵庫」キャンペーン実施中
冬の兵庫観光の魅力を堪能する、ひょうご冬の宿泊キャンペーン「アゲていこう、冬兵庫」が2026年2月28日(土)まで実施中。首都圏からの出発で温泉や食などを楽しめる宿泊プランや、ひょうご五国をめぐる宿泊付きバスツアーなど、お得でうれしい企画がもりだくさん。今回紹介したエリアを旅するきっかけとしても使いやすい。詳しくは公式サイトへ。





