パリから脱出。ぶどうスパの高級ホテルへ。
ファッション・デザイナーが内装に挑戦した。
Travel 2010.07.28
大村真理子の今週のPARIS
ボルドーのぶどう畑の中に、スパ・ホテル'レ・スルス・ドゥ・コーダリー"が誕生して世間を驚かせてから、はや10年が経過した。その名前からもわかるように、ぶどうのポリフェノールの美容効果にいちはやく注目したブランドであるコーダリーの、ぶどうスパである。
広大な敷地内にたつホテルの、人気スイートルームの1つは、池に面した一戸建ての"イル・デゾワゾー(鳥の島)"。10周年を機に、木造りの素朴な外観はそのまま、室内がすっかり改装された。コーダリーを夫とともに創立したのは、ホテルのあるぶとう畑から生まれる高級ワインHaute Lafitteのオーナー夫妻を親に持つ、アリス・トルビエ。若い彼女が改装を依頼したのは、有名な室内装飾家ではなく、意外やメゾン・マルタン・マルジェラ(MMM)である。
池に鳥に・・・。とてもロマンティックなスイート。
その結果、これまでの高級ホテルのスイートルームではみかけない、前衛的な面白いインテリアに生まれ変わった。MMMのオフィスの各処に使われている、19世紀のオスマン・スタイルの建物のクラシックな内装の写真をコピーしたトロンプロイユの壁紙。それがこのスイートルームの寝室で効果的に活用されている。
寝室。壁にはクラシックな装飾を施されてるように見えるが、実は写真のコピーをはったもの。
スイートルームのどこもかしこも、白でペイント。ベッドの頭側の壁は12個の巨大な枕でおおって......。鏡や家具はもちろん古物をリサイクル。一泊の価格は夕食・朝食こみで1名385ユーロか415ユーロ。価格の違いは、ホテル内に2か所あるレストランのどちらで夕食をとるかによる。
白とクロームでまとめたシンプルで機能的な洗面所。
さて、この改装の次にアリスがとりかったのは、パリ中央から車で15~20分くらいで着くヴィラ・ダヴレーにあるホテル「レゼタン・デ・コロー」のジュニア・スイートルームの改装である。このホテルは、ボルドーまで行かずにぶどうスパを体験できる嬉しい場所だ。こちらはポール&ジョーのソフィー・アルボーに任された。
ソフィー・アルボーの世界。このコーナーはとてもガーリー!
世界中のあちこちで集めた品で室内を飾るのが好き、というソフィー。色とプリントがあふれるフェミニンな客室をつくりあげた。60年代にルネ・グリュオーが描いたクリスチャン・ディオールためのイラストや、写真が壁を埋める。こちらのベッドのヘッドボードが面した壁は、プリント布地のパッチワークだ。このジュニア・スイートは17㎡の広いテラスつきなので、気候の良い時期にぜひ。
ありそうでなかった布のパッチワークの壁。
朝、目覚めたら、即テラスへ。
Chemin de Smith Haute Lafitte,
33650 BORDEAUX-MARTILLAC
tel 05 57 83 83 83
www.sources-caudalie.com
Les Etangs de Corot レゼタン・ドゥ・コロ
55,rue de Versailles,
92410 VILLE D'AVRAY
tel 01 41 15 37 00
www.etangs-corot.com