ソウルのオフィス街で、スンドゥブチゲの朝ごはん。
Travel 2019.05.21
おなじみのスンドゥブチゲからソルロンタンまで。ちょっと遅めのソウルの朝は、温かいスープで始まる。オフィス街の鍾路(チョンノ)を訪れたら、創業30年のスンドゥブチゲ専門店、カムチョンへ。
目の前が湯気で覆われ、数秒後に目の前に姿を現したチゲ。熱いトゥッペギ(韓国の土鍋)の中には、グツグツと煮立った豆腐とカキがぎっしり。
オフィス街、鍾路(チョンノ)の雑居ビルにあるカムチョン。日本ではなかなか見かけない白いスンドゥブチゲが定番だ。「朝は汁がないと始まらない」と話すのは、隣にいた常連の女性。友人とおしゃべりをしながら、チゲにご飯をのせたスプーンを浸してさっと口に運んでいく。実においしそうだ。
7、8年ほど前から、コーヒーブームが到来し、多くのカフェが乱立したソウル 。若者を中心に、朝はカフェで済ますという動きが目立ったが、丁寧なパン作りにこだわるベーカリーの焼きたてパンが注目されたり、やっぱりスープ! という原点回帰があったり、いま、朝ごはんの重要性が見直されてきている。 まずは、オモニ(お母さん)の愛情がたっぷり注がれたスープ 。しっかり温まって、ソウルの旅は始まる。
カムチョン|감촌
右は、2cm以上の大きさのアサリとエビ、豆腐、ネギなどが入ったスンドゥブチゲ「특순두부」14,000ウォン。コチュジャンやトウガラシでほどよい辛さが、ここカムチョンの売り。
鍾路(チョンノ)の食事を30年間支えるスンドゥブチゲ専門店。日本ではあまり見かけない、海鮮ベースの白スンドゥブを求めてオフィスワーカーはもちろん、遠方からはるばると人々が集まる。韓牛骨のスープをベースに南海(ナムヘ)で取れた新鮮な大ぶりのカキが7〜8つ、さらにエビとアサリが加わり、海鮮の旨味もぎっしり。素材の塩気のみだから、朝にぴったりなやさしい味わいだ。ウズラの卵を途中で崩して、まろやかさも堪能してほしい。
長年受け継がれる秘伝のカンジャン(韓国の醤油)を少しずつ足して味を引き締めて。朝4時に作られた豆腐もたっぷり。カキをメインにした白スンドゥブチゲ「굴순두부」12,000ウォン
1日400食売れるチゲの仕込み。
「昼は戦争よ!」と言いながら10人以上の店員がセッティング。11時30分から混むので朝が狙い目。
モヤシやイカの炒めのほか、このオイキムチがセットについている。
감촌/カムチョン
03157 서울 종로구 종로19 르메이에르 5층 512호
512 5F Le Meilleur, 19 Jong-ro, Jongno-gu, 03157 Seoul
tel:02-733-7035
M)鐘閣
営)9時〜21時30分L.O.
休)日、旧正月、旧盆
カード)AMEX、DINERS、JCB、MASTER、VISA
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※『フィガロジャポン』2018年2月号より抜粋
photos : KAORU YAMADA, coodination : JA-KYUNG JUNG