映画ファン必見! オペラ座3e ScèneとJ.M.ウエストン。

Paris 2017.03.22

こんなゴージャスでハイレベルなショートフィルムが、無料で楽しめるとは!! さすが映画大国フランスだ、と唸らせられる作品が最近発表されたので紹介しよう。どれもインターネットで鑑賞できるものばかり。

まずはオペラ座がガルニエ、バスチーユに続き作った3つめのステージである、3e Scène (トロワジエム・セーヌ)から。オペラ座のサイトに2015年に誕生したこのバーチャル・ステージでは、アーティストたちがオペラ座の依頼を受けて制作した、オペラ座のバレエ、音楽、劇場にまつわる短編作品を見ることができる。

ADがディミトリ・シャンブラから、レ・フィルム・ペレアスのプロデューサーであるフィリップ・マルタンに代わり、2016年に第2シーズンがスタート。その第1弾は、ラッパーのアブダル・マリック主演の『Othéllo(オテロ)』だった。これはタイトルが物語るように、ヴェルディ作曲のオペラ『オセロ』にインスパイアされた12分のフィルム。現代の郊外都市出身の若者オセロが出所したところから始まる。音楽にはラップではなく、ヴェルディの曲が使われている。

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『Othéllo』より。オペラ座に『オセロ』を見に来た彼は、自分と主人公を重ね愛する女性への疑惑を募らせる。photo Opéra national de Paris/ Les Films Pélleas
www.operadeparis.fr/3e-scene/othello

3月15日に新たにアップされた『Médée(メデ)』は主演がナタリー・バイ。こちらはケルビーニのオペラ『王女メディア』にインスパイアされたもので、母と息子(ヴァンサン・ドゥディエンヌ)のふたりの会話が面白い。ナタリー・バイは映画『たかが世界の終わり』で演じた母親とは異なる孤独な母親を演じていて、見応えのある10分の短編である。監督はミカエル・ビュック。トロワジエム・セーヌは世界中の人々を対象にしているので、英語字幕つきだ。自動的に英語字幕が出ないものは、右下のアイコンをクリックすれば英語字幕が出るので、フランス語がわからなくても心配なし。

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『Médée』より。オペラ・ガルニエの赤い椅子に座り、オペラ『王女メディア』の開幕を待つ母(ナタリー・バイ )と息子(ヴァンサン・ドゥディエンヌ)。
www.operadeparis.fr/3e-scene/medee

今後、4月5日にはベルトラン・ボネロ監督の『Sarah Winchester(サラ・ウィンチェスター)』がアップされる。出演するのはオペラ座のエトワール、マリ=アニエス・ジロと、男優レダ・カテブ。ギャスパー・ウリエル主演の『サン・ローラン』ですっかり有名になった監督ボネロのこの作品は、なんと23分という長さである。『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』のヒロインである幽霊屋敷の未亡人サラ・ウィンチェスターをジロがどのように踊り演じるのか……。ああ、待ち遠しい! そして、4月26日にはファニー・アルダンが監督した『Margie Noire(マジー・ノワール)』が始まる。ブラック・マジックを意味するこの作品では、ジプシーたちと歌手のオーディションというふたつの物語が並行するそうだ。その日が来たら、早速www.operadeparis.fr/3e-sceneをクリックしてみて。

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マリ=アニエス・ジロ主演の『Sarah Winchester』より。©Opéra national de Paris/ Bertrand Bonello

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『Magie Noire』より。©Opéra national de Paris/ les Films Pelleas

次は、ローファーでおなじみのJ.M.ウエストン。レディース・コレクションを発表した2013年にショートフィルムの制作をセドリック・クラピッシュに依頼し、その後も映画との関係は続いている。昨年10月にオープンした1年の期間限定ブティックは、なんとも驚くことにシャンゼリゼ大通り50番地の元映画館ゴーモン・アンバサッド。エントランス・スペースの裏手の大きなスクリーンのある広いスペースで、靴の試着という新しい体験を買い物客は味わえる。

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映画館が試着サロンのJ.M.ウエストンのポップ・アップ・ストアと、モックのメンズの新作ピンク。

2015年に登場したソフトで軽いモックのメンズに、新しい色が加わった。それに合わせて制作されたショートフィルムはタイトルが『Le Beau Dormant(ル・ボー・ドルモン/眠れる美男)』。出演は『ショコラ 君がいて、僕がいる』で日本でもすっかりお馴染みになったオマール・シーとアレクシア・ジョルダーノのふたりである。何をしても目を覚まさず眠り続ける美男(オマール・シー)に、プリンセスが思いつくのは、ピンクのモックをはかせる! というアイデア。夏にぴったりの一足にフォーカスした、めでたしめでたしのチャーミングなショートフィルムである。1分という短い中に夢がいっぱいのこの作品は監督がオリヴィエ・バシュエ、音楽はオクスモ・プッチーノ、アーティスティック・デザインがマチアス・キス。皆、オマール・シーの友達なのだそうだ。
www.jmweston.fr/le-beau-dormant

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オマール・シーの目を覚まそうと手を尽くすアレクシア・ジョルダーノが思い付いた素晴らしいアイデアは?

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短いながら楽しませてくれる『眠れる美男』である。

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ふたりでモックをはいてレッツ・ダンス!

J.M.Weston
50, av. des Champs Elysées
75008 Paris
営)10:00~20:00(日 11:00~19:00)
www.jmweston.com

 

réalisation:MARIKO OMURA

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