老舗ゲラン、スニーカーもあれば小説も登場し......。

フランスで香水の歴史についての第一人者といったら、エリザベット・ドゥ・フェドー。Arty Fragrance（アーティ・フレグランス）というブランドを創設し、ヴェルサイユ宮殿にインスパイアされたパフューム・キャンドルや香水を発表しているが、彼女は作家としての活動も多いに評価されている。彼女による有名な作品はマリー・アントワネットの調香師であるジャン・ルイ・ファルジョンを題材にした『マリー・アントワネットの調香師～ジャン・ルイ・ファージョンの秘められた生涯』だ。

今年の初め、約2世紀に渡るゲラン家の史実をベースにした小説『le roman des Guerlain  Parfumeurs de Paris』を彼女は発表した。初代のピエール フランソワ・パスカルに始まり、エメ、ジャック、そしてジャン・ポールまで4代のパフューマーが紡ぐ愛と香りの物語。ジャックが「ルール・ブルー」を捧げた妻リリーが、フォルチュニーのプリーツドレスに身を包んだ美しい写真を含め、珍しいビジュアルも掲載されている。日本語訳はいつ出版されるのだろうか……。

左：Flammarion社刊、23ユーロ。パリ市内の書店にて販売中。
右：著者のエリザベット・ドゥ・フェドー　photo：Mohamed Khalil

1994年にLVMHグループの傘下に納まったゲランでは、ティエリー・ワッサーが2008年から調香師を務めている。「モン ゲラン」を最近発表したところだが、発売以来人気を誇っている 「ラ プティット ローブ ノワール」も彼によるクリエーションだ。ボトルに描かれているリトル ブラック ドレスは、世界中の女性たちにとって香りのビジュアルシンボルとして記憶されている。

この夏、そのドレスがブラック×ホワイトのスニーカーの上でも踊る！　これはゲランとル コック スポルティフによるカプセル・コレクションで、黒と白で編んだグラフィックな本体に、靴底は微妙なグレーの輝きがフェミニンな名作「アーサー・アッシュ」……どんな装いにも似合うが、特筆すべきは、これまで見つけるのが難しかった“リトル ブラック ドレスにぴったりなスニーカー”であることだ。発売はパリ市内のle coq sportif及びブティックCourirにて。

le coq sportif×GUERLAINは95ユーロ。サイズは36～41。