輝く朝の光に包まれる、ルイ・ヴィトンの新しい香りの旅。
Paris 2018.02.15
3月15日、ルイ・ヴィトンのフレグランス・コレクションに新しい章が加えられる。新しく登場する香りの名は、夜明けを意味する「Le Jour Se Lève(ル・ジュール・ス・レーヴ)」。2016年に発表された7つの香りと同様に、創香したのはインハウス・マスター・パフューマーのジャック・キャヴァリエだ。
早朝の空を想わせる色のボトルにこめられたオードパルファムLe Jour Se Lève。 ©Louis Vuitton
新鮮さに捧げる抒情短詩。こう彼が表現する「Le Jour Se Lève」は、彼が暮らすグラースでの夜明けの体験がインスピレーション源となっている。「毎朝、海に面した寝室で僕は目覚めます。窓の向こうに海が見え、遠くにはコルシカ島が。海の蒼、太陽の赤……こんな目覚めに、何もかもが可能なんだ、というとてもポジティブな気持ちになれるのです」。彼が香りの中に捉えたのは、この前向きなエネルギーに満ち溢れた朝一番のピュアな光である。
ルイ・ヴィトンで2012年からインハウス・パフューマーを務めるジャック・キャヴァリエ。香水の聖地グラースをベースに創作をしている。
夜明けの影から光への経過を捉えるために彼が選んだ原料は、マンダリン。といっても、彼がクリエイトしたのは、柑橘類と聞いてぱっと思うようなコロンの香りとは一線を画すものだ。マンダリンは柑橘類というカテゴリーに収まりきらず、パフューマーにとっては奇跡の果実だとキャヴァリエは賛美する。「マンダリンは果肉から楽観的な世界観、皮からは新鮮さ、木々からはフローラルな軽やかさという3種の香りの印象を同時に得られるのです」
シシリア産のマンダリンと中国産のサンバック・ジャスミン。©Louis Vuitton
新作発表会場にて。エピあるいはヌメ革のパフューム・ボトル専用のケースは100㎖ボトル用も、200㎖ボトル用もブティックで購入できる。ケースにはイニシャルを入れることも可能。
トラベル・セットは、7.5㎖ボトルと4回のリフィルのセット。©Louis Vuitton
シシリア産の最高級マンダリンにブラックカラントが繊細な甘酸っぱさを添える。ルイ・ヴィトンの香水に不可欠な要素である花は中国産のサンバック・ジャスミンで、マンダリンのフレッシュさをより深いものにしている。このジャスミンは緑茶の材料として知られる種類だそうだ。そして、その花の香りはインセンスがもたらすコントラストによって一層引き立てられて……。
最高級の希少な原料を最高のパフューマーが料理すると、これほどまでに奥行きのある品格高い香りが生まれるのだ、という素晴らしい例。ルイ・ヴィトンのDNAにある創造と革新を実践するキャヴァリエには、創香に必要なだけの時間をかけられるという最高の贅沢が許されている。創作中の香りから、あえて距離を置いてみることもできるのだ。こうして生まれた香りを求める客にも、同じ贅沢が与えられている。ブティックで、ゆっくりと香りについての説明を聞き、試し、迷うことができるのだ。フレッシュ、マンダリン、といった言葉に、自分好みの香りではないと思ってしまう前に、ぜひ試してみよう。希望に満ちた明るい光を想わせる香りを知らずにいるのは、とても残念なことだから。
ヴァンドーム広場とサントノーレ通りの両方から入れる新しいブティックの香水売り場。©Louis Vuitton
3月15日、ブティックのダミエのディスプレイに Le Jour Se Lèveが加わる。ロゴが浮き彫りされたシンプルな円筒が美しいボトルは、使い終わっても捨てないで。フレグランス・コレクションのボトル用に開発されたパフューム・ファウンテンが設置されているブティックに行けば、魔法のようにワンクリックで空のボトルを充填してくれるのだ。これはジャック・キャヴァリエが香水をクリエイトする「レ・フォンテーヌ・パルフュメ」と呼ばれるアトリエへの、オマージュである。パフューム・ファウンテンは販売スペースの裏手にあり、実際に見ることはできないのが残念!
2 Place Vendôme, 75001 Paris
営)10:00~19:00(日 12:00~19:00)
無休
https://fr.louisvuitton.com/
réalisation:MARIKO OMURA