作原文子がパリの街角で見つけたいいもの、いい景色。
Paris 2018.08.18
さて、パリではもうすぐデザインとライフスタイルの見本市「メゾン・エ・オブジェ」がスタートします。前回の「メゾン・エ・オブジェ」を訪れた作原さんが、その魅力に惹きつけられたブランドやプロダクト、ディスプレイをピックアップ!
1. Raumgestalt ラウムゲシュタルト






会場を回りながら、吸い込まれるように立ち寄ったブランド。木やメタルを素材にデザインされた、ドイツらしい質実剛健なプロダクトたちが目に飛び込んできました。何気ない日常使いアイテムも、ほんの少しのセンスを加えるだけで、暮らしを豊かにしてくれるより魅力的なデザインになります。一見シンプルだけど、実は気が利いている……そんなワクワクするコレクションでした。壁面に立てかけられた木の家具、テーブルウェア、そしてファイヤーボウルも欲しいです。
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2. Amnon Lipkin アムノン・リプキン




会場の片隅でミシンを踏む姿が、ひときわ目を引いて心奪われたイスラエル出身のアーティスト。細かいステッチが描き出す作品は、どれも個性あふれる素敵なものばかりでした。でも何より私がひと目惚れしたのは、彼の佇まいそのもの。静かに、黙々と作業をし、ワンポイントを施した布の端切れを、欲しい人にさらりとプレゼント……。作品の見せ方から身に着けているアームカバーまで、すべてがユニークで強烈なインパクトがありました。ぜひまたお会いしたいアーティストのひとりです。
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3. Alaskan MAKER アラスカン・メーカー


このテイストのフランス発ブランドに出合ったことが、何だかとても新鮮でした。名前に「Alaskan」が入っていることも興味を持った理由のひとつです。なぜならアラスカは、私が行きたい場所のひとつだから……笑。
元エンジニアのフランス人カップルが、北アメリカ大陸の自然とカルチャーにインスパイアされて立ち上げたブランド。これからの展開が楽しみです。
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4. Cecilie Manz セシリエ・マンツ


壁を作る空間構成が多い中で、テキスタイルをふんだんに使ったこの会場構成がとても印象に残りました。セシリエの洗練されたプロダクトと、Kvadrat(クヴァドラ)の上質なテキスタイルが見事にマッチしていて……。シンプルな素材だけで、贅沢な空間を表現できることってすごいなと、あらためて思いました。
*メゾン・エ・オブジェ・パリでは、毎回「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」として、デザイン&インテリアシーンで傑出した人物を選出しているが、2018年の1月展で選ばれたのは、北欧をベースに活躍するデンマーク人デザイナー、セシリエ・マンツ。彼女の過去のプロジェクトとともに最新のプロダクトが、会場特別スペースで展示された。
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5. Avenida Home アヴェニダ・ホーム
昨年、フィガロジャポンのインテリアページでスタイリングさせていただいた時、キーアイテムになったブランドと遭遇。こんなにたくさんの柄があるなんて! ナチュラル&シンプル嗜好のインテリアが多い中で、グッとくるアーティなプロダクトたち。小物をひとつ取り入れるだけで、空間が楽しく華やかになります。オーナーの女性もとてもチャーミングな方で、思わず声をかけてしまいました。
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6. Gentlemen’s Hardware ジェントルマンズ・ハードウェア
こちらはディスプレイで気になったイギリスのブランド。天板を載せているのは、たくさんのキャビネット。通常なら脚を使うことが多いと思いますが、こんなふうに統一した家具を使用することで、全体にまとまりが出ますね。並んでいるプロダクトが、より一層魅力的に見えます。
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7. Fritz Hansen フリッツ・ハンセン


脚までピンクのラブリーなキッズ用セブンチェア。私がいちばん気になったのは、最近作られたというボックスのデザイン。巨匠の椅子が動物の鼻に! こんなボックスで運ばれてきたら、子どもたちもそれだけで大喜びしそう。
セシリエ・マンツがデザインしたリネンキャンバスのOrigami Bagも、美しい新作小物でした。
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texte : YUKIKO SAKUHARA