ボン・マルシェで、パリのインテリアの旬をお買い物。
Paris 2018.11.13
ボン・マルシェの別館。1階のラ・グランド・エピスリー・ド・パリで食料品を買うのに夢中で、上のフロアには行ったことがないという人もいるのでは? 何があるかというと家具やテーブルウェアなどを集めた、メゾンのための2フロア。ここでは「新しいブランドがボン・マルシェのメゾン売り場だけで、クリスマスを祝う」と題して、1月3日まで4つのポップアップストアを同時に開催している。クリスマスのギフト探しにも活用できるけれど、何よりもうれしいのは、いまのパリで気になるブランドを早々とボン・マルシェが選んでいること。エクスクルーシブ商品もある。食料品購入の前に、上のフロアを覗いてみよう。
Marin Montagut(マラン・モンタギュ)
3階で画家のアトリエのようなスペースを開いているのは、マラン・モンタギュ。最近イネス・ドゥ・ラ・フレサンジュと共著でパリのアパルトマンを紹介する『Sous les toits de Paris( パリの屋根の下)』も発表した、話題のグローブ・トロッター・アーティストである。ノルマンディーに仕事場を構える彼は、「パリにアトリエを引っ越しませんか?」というボン・マルシェの提案に応え、実際に彼が使用している家具や道具類をこのポップアップストアに運び込んでスペースを作り上げた。
今回のポップアップストアではマラン・モンタギュという名のブランドとして、自分のイラストを生かしたさまざまなアイテムを販売している。クッション、ポプリ、パフュームキャンドル、スカーフ、器、ランプなど魅力的な品揃え。手に取るとどれも欲しくなってしまいそう。
マランが愛するオレンジの花のパフュームキャンドルBonjour Sicile。彼のイラストによる丸い容器とシシリアの地図も合わせて入手できる。
トマ・ブロックとのコラボレーションによる陶器。パリをテーマにしたモチーフがいろいろなアイテムで展開されている。
マランのノルマンディーのアトリエ同様に、キャビネ・ドゥ・キュリオジテ的雰囲気も売り場に作り上げられている。
ラベンダーを詰めた匂い袋。クロスステッチで地下鉄の切符、コンサートの半券などが刺繍されている。裏側にはフランスの三色旗の刺繍。
マランのイラストを手描きした吹きガラスのピッチャーやグラス、キャンドル、カード……この期間だけの限定商品が数限りなく揃っている。
麻の星座クッション。パステルカラーのふんわりとした色合いが素敵だ。
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Antoinette Poisson(アントワネット・ポワソン)、Alix D. Reynis(アリックス・D・レイニス)、Nomibis(ノミビス)
この3ブランドは一緒にテーブル周りのポップアップストアを2階で展開している。3つの世界が目に心地よい調和を描くテーブルセッティングは、とてもパリっぽくそのままコピーしたいほどだ。それぞれのブランドを紹介しよう。
インテリアの世界ではすでに名声を確立しているアントワネット・ポワソン。グッチのリゾートコレクションでプリントのコラボレーションをしたことから、その名が突然モード界でも知られるようになったところだ。このポップアップの目玉はなんといっても、テーブルウェアの老舗ジアンとコラボレーションしたアントワネット・ポワソンの食器だろう。ノートや壁紙でしか楽しめなかった素晴らしいモチーフが、これからは食卓で眺めてうっとりできるのだから。
ジアンとアントワネット・ポワソンのコラボレーション。ティーセットもある。
Patch NYとのコラボレーションによるモノクロのプレートなども販売。
アリックス・D・レイニスは11月22日に6区のジャコブ通りに2号店をオープンするが、このポップアップでひと足お先に左岸デビューである。浮き彫りされた真っ白い器と日常使いしたいシンプルで小さなジュエリー。どちらも、彫刻家だったアリックスの美意識とサヴォワールフェールが堪能できる。使い終わった後、ペン立てやカップとして使えるパフュームキャンドルも魅力的だ。
アントワネット・ポワソンのモチーフに調和する、アリックスの真っ白いサスペンション。
サスペンションとパヒュームキャンドル。
パリの通り名が書かれた小さなカップ。
3つめのノミビスというのはネット・ブロカント。フランス中で掘り出し物を続けるオーナーのファビエンヌの趣味のよさは評判で、たとえばメゾン・プリソンのマルシェ・サントノーレ店で販売されている古いテーブルウェアも彼女のセレクションによるものである。このポップアップでは椅子やグラス類がノミビスの品。どれも一点ものなので、売れてしまったら別の品がディスプレイされる。つまり、偶然の出合いが待っているというわけだ。
テーブル、グラスなどノミビスの掘り出しもの。この日を逃したら、二度と出合えない、という一点ものばかりだ。
アントワネット・ポワソンの食器とマッチしている、白いティーポット、ミルク入れ、シュガーポットもノミビスが掘り出した品。
アントワネット・ポワソンのクッション、アリックス・D・レイニスの白い器とジュエリー。展示に使われているテーブルや籐のカゴもノミビスから。
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Tombées du camion(トンベ・デュ・カミヨン)
マラン・モンタギュと同じ3階でポップアップストアを開催しているトンベ・デュ・カミヨンは、クリニャンクールの蚤の市にスタンドをもつ古物商だ。オーナーのシャルルは、ひとつひとつの品を集めるのではなくデッドストックを専門にしている。今回のポップアップではガラスのランプの傘がテーマ。1880年代から1960年代までのペンダント式、壁掛け式、置き型の3タイプのランプをいまの時代に合うデザインのベースにセットして販売している。
照明器具に仕立てられていないガラスの傘やグローブだけの販売もしている。
Wilo & Grove(ウィロ&グローヴ)
2階のかなり広いスペースを占めているのが、ウィロ&グローヴのポップアップストア。30名のアーティストによる100点近い作品を販売している。インテリアにちょっとしたアーティ・スパイスを添えるのによさそうなオブジェ、写真、デッサン、食器……。ウィロ&グローヴはブティックを構えず、“ノマド・ギャラリー”というコンセプトで年に2回、場所を変えて限定ストアを開催している。それに加えて、今年はこのボン・マルシェでもポップアップ。女性ふたりによる新しいタイプの提案が興味深い。
たとえば、若き写真家ユベール・ジョゾーの写真……。
アーティなテーブルセッティングの提案。
24&38, rue de Sèvres
75007 Paris
営)10:00(日 11:00)〜20:00(日〜19:45、木〜20:45)
無休
www.24sevres.com/fr-be
réalisation:MARIKO OMURA