ポルトガルに寄り道して、モワモンのブティックへ。
Paris 2018.12.19
1. バティニョル地区のファミリー・ブティック
日本でも販売されているMoismont(モワモン)のスカーフ、ストール。染色をはじめ、製造はインドで行われているが、デザインしているのはフランス女性のマルティーヌ・ビヴォエだ。しゃれたモチーフ、優しい独特な風合いで、彼女のクリエーションはパリジェンヌたちに愛用されている。
ブランド名はフランスのピカルディー地方で、彼女が生まれ育った敷地の名前からとったそうだ。ちなみに農園を持つ親戚は同敷地内で、美味しいりんごジュースを作っている。生まれ故郷をブランド名にするように、マルティーヌにとって家族はとても大切な存在。モアモンがパリに構えるショールームも、市内でも家族的な住宅街で知られるバティニョルにある。
ストール、スカーフには製造情報を記した証明書が1点ずつに付けられるのも、モワモンのブランドの特徴のひとつだ。
このショールーム、週末はブティックに変身するのだ。モワモンのストールがセレクション豊富に揃っているのはもちろん。さらにマルティーヌの長女ポーリーヌのブランドであるScarlette Atelier(スカーレット・アトリエ)、次女アクセルのブランドのMonette(モネット)も販売するという、文字通りの“ファミリー”ブティックだ。
週末、ブティックに変身するショールーム内。
左からポーリーヌ、アレックス、マルティーヌ、そしてモワモンの営業を担当する長男。
スカーレット・アトリエというのはパジャマやショーツ、リネンのブランド。インド産のコットンを使い、インドで生産されている。スカーレットの素朴な味わいが魅力のクリエーションは、彼女がニューデリーで営むメゾン・ドットで “アールドヴィーヴル” 体験ができる、というおまけもある。

スカーレット・アトリエの肌に優しいショーツ。S・Mの2サイズあり。

朝起きてもずっと着ていたい、ちょっとしたディテールがロマンティックなナイトウエア。 photo:Aurélie Lecuyer

ベッドやキッチン用のリネン類。photo:Aurélie Lecuyer

インドのコットンの魅力を満喫できるセーブルセット。

ポーリーヌが星をデザインしたインド産の丈夫で壊れないグラスなど、オリジナル商品も販売。

ニューデリーにあるポーリーヌのメゾン・ドット。スカーレット・アトリエの品などを販売するブティックも併設している。

客室。ベッドリネン、クッションなどすべてスカーレット・アトリエの品を使用している。

暖炉の周囲のデコレーション。

客室のテラス例。









次女のアクセルは母、姉と異なりパリをベースに活動している。モネットというブランド名で、蚤の市などで古いスプーンを掘り出し、それにメッセージを彫って販売。スプーンはフローラルタイプが主で、パーソナライズ・メッセージのオーダーも可能である。ディナーに招かれた時の手土産などとして、人気なのだとか。1本、20ユーロ。ギフト選びに困った時、悪くないアイデアかもしれない。
amour、je t'aimeといったメッセージが彫られたスプーン。子どもの名前をオーダーするママもいる。
épouse moi !(結婚して!)なるスプーンは、贈るタイミングを慎重に!!
72, rue Boursault
75017 Paris
営)11:00〜19:30(金〜日、1月以降は金・土)
休)月〜木(1月以降は日〜木)
https://moismont.com/
2. 眠り猫とパステル・デ・ナタが待つパステラリア・ベレム
モワモンのショールーム・ブティックはブルソー通りの72番地。地下鉄ローマ駅からまっすぐ北上するのだが、初めて行くときは72番地までが遠く感じるかもしれない。“まだかしら”と思う頃、タイミングよくポルトガル菓子のティールームが目に入る。ブルーのタイル(アズレージョ)が目印だ。
最近はパン屋さんのお菓子もパティシエのクリエーションのように凝った味のものが増えているパリだが、ここのガラスケースの中に並ぶパステル・デ・ナタ、ボロ・デ・アローシュなど、どのお菓子も素朴そのもの。サンドイッチやキッシュなどの軽食もとれ、ポルトガルでおなじみのカルドヴェルデも週末に作るという。
卵黄たっぷりのトルタ・デ・アゼイタオ(3.20ユーロ)。ポルトガルのカフェ同様、コーヒーのブランドはDeltaで、パステル・デ・ナタ用のシナモンパウダーがテーブルに備えられている。
47, rue Boursault
75017 Paris
tel 01 45 22 38 95
営)8:00〜20:00
休)月
réalisation:MARIKO OMURA