サー・ウィンストンで、英国×インドの味覚の旅を楽しもう。

Paris 2020.06.28

店のフルネームは「Sir Winston Churchill(サー・ウィンストン・チャーチル)」。でも通称はサー・ウィンストンである。というのも、こう聞くと誰もがその後にチャーチル!と続けるので、あえてフルで呼ぶ必要がないのだ。徐々にブラッスリー化していったものの、サー・ウィンストンはもともとは60年代にオープンしたイングリッシュパブで、荘重な内装のどちらかというと男性のためのスペースだった。それが、この6月半ばに大変身してオープン。ローラ・ゴンザレスが内装を手がけ、絶対に行かなくては!という魅惑のイングリッシュパブ&ブラッスリーとなり、早くもサービスが追いつかない!というほど人気のスポットに。

200625-sir-winston-01.jpg

パリであまり見かけないサフランカラー。店に入る前から気分が明るくなる。Photo:Melchior ©︎Romain Ricard

200625-sir-winston-02.jpg

チャーミングなテーブルを囲んで、食事や食前酒を。photo : Mariko Omura

インテリアにも食事にも、英国のスピリットとインドのインスピレーションにフランスの洗練がプラスされている。ここに来ると、シャンゼリゼ大通りの近くにいながら、イギリスとインドのおいしいプチトリップができるのだ。地上階は3つの異なるスペースに分かれ、エントランスの右手には創業当時からの長いバーカウンターを設えたクラブ的な雰囲気のスペースが広がり、さらにその奥には新しくプラスされた小さな部屋が。おすすめは、何といってもエントランス左手の“ジャルダン”。壁沿いに植物の鉢植えを並べ、テラス席に向かって大きく開かれた開放感あふれる空間だ。カラフルな天井ではクラシックなファンがくるくる回転し、インドのどこかの都市にいるような気分が味わえる。歴史を感じさせつつ、光あふれ、華やぎがあり、そして軽やか。サー・ウィンストンでは室内建築家ローラ・ゴンザレスのソフィスティケートだが大胆なミックスセンスをたっぷりと味わえ、インテリアファンを喜ばせる。

200625-sir-winston-03-04.jpg

創業当時からのバーのあるスペース。Photo:Melchior ©︎Romain Ricard

200625-sir-winston-05-06.jpg

左:クラシックなアペリティフやオリジナルカクテルを。ノンアルコールのカクテルも豊富だ。Photo:Melchior ©︎Romain Ricard 右:インドでこのスペースのために準備されたレザーやコッパーをコラージュした個性的な壁紙が、カウンターの後方を飾る。

200625-sir-winston-07-08.jpg

左:テラス席に繋がるスペースは、緑豊かなパティオのよう。Photo:Melchior ©︎Romain Ricard 右:スパイスとほどよい酸味のマンゴーラッシー(8.50ユーロ)は、暑い季節におすすめのドリンク。

---fadeinpager---

シェフの英印人マノージュ・シャルマによる料理は、英国パブの伝統的な味とインドのスパイスがバランスよく組み合わされ、とても洗練されている。カラフルでもある。パリではユニークな英国的でありインド的な味わいは、デザートにいたるまで! メニュー選びに迷ったら、盛り合わせプレートをシェアして試してみるといいだろう。これは2種類あって、どちらもサー・ウィンストンを代表するクリエイションの多数をあれこれ楽しめるのだ。なおメニューにはブラッスリーらしく、シーザーサラダや田舎パンのクロックムッシューなども。

朝食は8時から。クロワッサンなどのヴィエノワズリーに加え、いずれはスコーンや卵料理もとれるようになる。ランチとディナーの間、ティータイムにも活用できるが、その間もランチ、ディナーのメニューで食事がとれるというから旅行者にはありがたいアドレスである。サー・ウィンストン・チャーチルに感謝!

200625-sir-winston-09.jpg

カラフルなビーツのロースト(9.50ユーロ)。ナンはプレーン、チーズ、ガーリックの3種あり。

200625-sir-winston-10.jpg

シェアして味わう「Signature」(29.50ユーロ)は、スズキのセヴィーチェ、サーモンのジン・マリネ、まぐろのタルタル、イカフライ、カニとたらのコロッケ、野菜の天ぷら、ナンの盛り合わせ。

200625-sir-winston-11.jpg

「ロブスターのロースト」(29ユーロ)。カリフラワーのローストをロブスターの下に隠したマイルドなカレーは、驚くほど洗練された、まろやかな味だ。サフラン風味のバスマティ・ライスとともに。Photos:Melchior ©︎Romain Ricard

開店したてのいまはまだ営業が始まっていないけれど、地下にはスピークイージー・バーが隠されている。流行りのカクテルを流行りの店で楽しむのもおしゃれだけど、この地下でウイスキーを嗜むのはそれとは異なる素敵な時間を過ごせること、間違いなし。当面は翌朝2時までの営業だが、いずれは翌朝5時までとなるというから、新しいタイプの夜にサー・ウィンストンで出合えそうだ。

200625-sir-winston-12-13.jpg

クラシックで重厚な雰囲気が残る地下のスピークイージー風のバー。この隣には、ゴールドの星が輝くブルーのバースペースも。photos : Mariko Omura

Sir Winston Churchill
5, rue du Presbourg
75116 Paris
営)8時〜翌2時/朝食8時〜11時30分、ランチ12時〜15時、ティータイム 15時15分〜18時、ディナー18時15分〜23時30分(火・水・木・金・土)〜23時(日・月)
休)なし
www.sirwinston.fr/ja

【関連記事】
いまのパリ、食欲を刺激する魔法のひと言「ピクニック」
ギャラリー・ラファイエット屋上でセクシー・ベジ料理シーズン2。

réalisation : MARIKO OMURA

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
パリとバレエとオペラ座と
世界は愉快

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories