サントロペ生まれのタルト・トロペジエンヌは65歳!

Paris 2020.07.10

夏が来ると思い出す……日本人なら尾瀬なのかもしれないけれど、食いしん坊のフランス人には、夏といったらタルト・トロペジエンヌなのだ。ふわふわのブリオッシュにクリームをたっぷり挟んだスイーツで、1955年に南仏サントロペで生まれ、トロペ風タルトと命名された。ポーランド人移民のアレクサンドル・ミッカによる祖国のおばあちゃんの味で、製法はマル秘。とはいえ、人気者にコピーはつきもの。パリでも夏が近づくとあちこちのパン屋さんのウィンドウに爽やかな色の自家製タルト・トロペジエンヌが並ぶ。それで、これを見ると“ああ夏が来た!”とフランス人は思うのだ。

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夏の味、タルト・トロペジエンヌ! photo : Pauline Daniel

セリーヌの2020年春夏コレクションにインスパイアを与えたことから、サントロペはこの土地のよき時代を知らぬ世代にも気になる地名となった。もともとは小さな漁師町。1920年代からパリのアーティストたちが徐々に訪れるようになり、1950年代にブリジット・バルドー主演の『素直な悪女』が撮影され、60年代に入るとパリ中のスノッブな人たちが夏になるとこぞって移動して……ボヘミアンなリゾート地のはしりだったのがサントロペなのだ。そして、ここに行った人が必ず味わうというのが、今年65歳を祝うタルト・トロペジェンヌというわけである。

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普通サイズの1名用は4ユーロ。4名用は19ユーロ。

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ミニサイズは12個入りで16.50ユーロ。

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アレクサンドル・ミッカによる本物のタルト・トロペジエンヌ。パリで一年中味わえるブティック&ティールームがサンジェルマンの小道に(3, rue de Montfaucon 75006 Paris)。

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réalisation : MARIKO OMURA

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