パリ左岸、エルメス・セーヴル店が帰ってきた!
Paris 2021.03.11
2021年2月26日にリヨン店の改装オープン、28日には東京の表参道店オープンを果たしたばかりのエルメス。3月5日にはお膝元パリでも、左岸のセーヴル店がリニューアルオープンした。
歴史建造物指定を受けているアール・デコ様式のプールが、エルメスの新たな店舗に生まれ変わったのは2010年のこと。エントランスからメインフロアに向かう大階段をトネリコ材のストラクチャーで覆い、フロアに木組みのヒュッテを配置したデザインは、パリばかりか、世界中で話題になった。3つの木製ヒュッテは、以来、この店のシグネチャー。1年ぶりに扉を開けたセーヴル店は、このシグネチャーはそのままに、さまざまな素材と明るい色使いで一新。ファンタスティックで楽しく軽やかな雰囲気だ。
店内を巡ると、ガラスや陶器のテーブル、網目模様のセラミックの壁、試着室に巡らされたジャカード織、ポルトガルの手織りラグなど、実にさまざまな職人技による素材が、インテリアにとりいれられているのがわかる。
木製のヒュッテは健在。一番奥のヒュッテにはジュエリーと時計が。ふんわり包まれているような、落ち着いた空間。©Guillaume Grasset
さまざまなカレがお客さまを迎えるエントランス。左手に向かえばビューティ、その奥にはライブラリーとカフェ。階段を降りると、右手に馬具、左手にファッションが広がり、中央はメゾン、奥にはジュエリーと時計が展開されている。それぞれのメティエごとの小世界が並ぶ店内は、まるで小さな町を散策しているような気分にさせてくれる。
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オープンを祝う限定商品には、プールだったというこの場所の思い出にちなんで、水を思わせる爽やかなブルーやグリーンを使ったバッグや小物が登場。また、セーヴル店の住所が入ったカレ「エクスリブリス・レ・パリジェンヌ」もこの店だけのプロダクトだ。
左は「バーキン」、右は「コンスタンスIII」 。水を思わせる色使いがきれい。©Studio des Fleurs
中2階と3階の回廊の壁に広がるフレスコ画は、今年の年間テーマ「エルメスのオデッセイ」を題材に、マチュー・コセが描いたもの。絵巻のような壮大なフレスコ画を眺めながら、アート本に囲まれてゆっくりと時間を過ごせる「シェーヌ・ダンクル(Chaîne d’ encre)ブックストア」は、新しい待ち合わせ場所としてチェックしたいところ。書店とカフェを融合したスペースで、フォーブール・サントノレ通りの第一号店にあるプライベートレストランの食事を一手に引き受けるシェフの考案による軽食やスイーツが、ドリンクとともに一日中楽しめる。「店は経験をシェアし、時をゆっくり過ごす場所」というエルメスらしいスペースだ。
まるでアートのような美しいビジュアル本が壁を飾る。メインフロアを見下ろす2階の回廊には、書店とカフェが融合した「シェーヌ・ダンクル(Chaîne d’ encre)ブックストア」が。向かい側の壁に広がるフレスコ画もゆっくり鑑賞できる。©Guillaume Grasset
売り場の拡大工事が実はまだ続いているというセーヴル店。第2部の幕開けは今年9月。プティ アッシュに捧げられたスペースがオープンする予定だというから楽しみだ。
パリ旅行ができるようになったら、新しくなったエルメスのセーヴル店を、真っ先に訪れて!
17, rue de Sèvres 75006 Paris
tel : 33(0)1.42.22.80.83
営)10時〜17時30分 *営業時間は今後変更の可能性あり
休)日
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texte : MASAE TAKATA(PARIS OFFICE)