3章仕立ての「チルドレン・パワー」展【広がるパリを探索する】

Paris 2021.06.04

ロマンヴィルにイル・ド・フランスの現代アート地域基金(Frac)の所蔵品を保管する建物「Les Réserves(レ・レゼルヴ/所蔵庫)」が、5月6日に落成。この機会に、所蔵作品をベースに子どもをテーマにした展覧会が企画された。通しのタイトルを"チルドレン・パワー"とし、このロマンヴィルのレ・レゼルヴでは"子どもによる"、Fracが有するパリ19区のギャラリー「Le Plateau(ル・ブラトー)」では"子どものため"、そして パリから東方30kmに位置するシャトー・ドゥ・ランティイでは"子ども時代について"と、3章仕立ての展覧会である。いずれも入場無料。

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3つの展覧会に共通のタイトル。

ロマンヴィルの"子どもによる"展覧会は、Fracの所蔵作品から展示作品を選んだのは地元の小学校と中学校の生徒たち。彼らがキュレーターなのだ。セレクションの基準は、子ども時代、思春期時代にかかわる作品であることだった。これはFracイル・ド・フランスが今後展開してゆく参加型プロジェクト「所蔵庫から出ておいで」の初の展覧会である。なおこの展覧会は、レ・レゼルヴを所蔵作品が埋め尽くす前の空きスペースを活用してものなので展示期間は短く、6月6日で終了する。

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ステファン・カレの彫刻。2002年。Collection Frac Île-de-France © Stéphane Calais / Adagp, Paris, 2021

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リシャール・フォーゲによるセラミック。無題。2009年。Collection Frac Île-de-France© Richard Fauguet

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左:ビル・オーウェンズ 『Dinner in Pool (série Suburbia)』1980年。Collection Frac Île-de-France © Bill Owens Crédit photographique : Georges Poncet 右:ジャン・ダヴィオ『Portrait de Bernard Marcadé (série Ombrographies)』1994Diptyque : acrylique et graphite sur toile Collection Frac Île-de-France © Jean Daviot /Adagp, Paris, 2021Crédit photographique : Jacqueline Hyde

『Children Power』展
開催 〜6月6日
Frac Ile-de-France ,les Réserves , Romainville
43, rue de la Commune de Paris
93230 Romainville
開)14時〜19時
休)月・火

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ル・プラトーでの展覧会のためには15名のアーティストが招かれ、’’子どものため’’に新たに作品を制作した。展示は子どもの目の高さで作品が配置されている。会場では写真撮影が禁止され、1点の作品を除いては外から何も見ることができず。ホールでは子どもたちがアーティストにインタビューする映像が流されるが、ここでも作品は1点も登場しない。この展覧会は入ってみるしかないのだが、18歳以下の子どもに同伴されないと、大人は展示スペースには入れない。おもしろい試みである。

子どもたちが古いスニーカーを持参し、ペイントして作品を制作するというアトリエも開催。スポーツ店をイメージしたウィンドウに作品は並べられ、これらは建物の外からも展示が眺められる仕組みだ。

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19区のル・プラトー。矢印はFrac イル・ド・フランスのシンボルだ。photo:Mariko Omura

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飼い犬のビレネー犬を主人公にしたベルトラン・ドゥゾトゥの映像作品から。会場入り口に飼い犬の毛で描いた顔がマットのように置かれている。ちょっと犬の匂いが!©Bertrand Dezoteux

『Children Power』展
開催 〜12月19日
Frac Ile-de-France , le Plateau Paris
22, rue des Alouettes
75019 Paris
www.fraciledefranxce.com

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シャトー・ドゥ・ランティイは2014年にアーティストのグザヴィエ・ヴェイヤンによって変貌を遂げ、建物そのものが彼のアート作品である。緑あふれる庭園の中に建つシャトーはイノクッスで覆われ、周囲の風景も空も建物に映り込む。

この中の2フロアで展開されるのは、"子ども時代について"。この会場での展示には、frac イル・ド・フランスだけでなく、ノルマンディー地方をはじめ他の地域のFracの所蔵から選ばれた作品も含まれている。20世紀前半の作品など、他の2カ所より展示作品の制作年度も幅広い。

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グザヴィエ・ヴェイヤンが変身させた旧シャトーの中が展示会場。作品鑑賞の途中に、庭を眺められるのが魅力だ。

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左:クリスチャン・ボルタンスキー『ベルリンの子供たち』1975年。 Collection Frac Nouvelle-Aquitaine MÉCA © Adagp, Paris, 2021 Crédit photographique : Alain Danvers
右:
オーギュスト・サンダー『盲目に生まれた子供たち』1930年ごろ。Collection Frac Nouvelle-Aquitaine MÉCA © Die Photographische Sammlung / SK Stiftung Kultur - August Sander Archiv, Köln Adagp, Paris, 2021 Crédit photographique : Frac Nouvelle-Aquitaine MÉCA

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左:リチャード・カルヴァー、Warsop Vale, Nottinghamshire, 1971-1981 Collection Frac Grand Large - Hauts-de-France © Richard Kalvar / Magnum Photos
右:
エレーヌ・コンスタンチン『Girls on bikes de la série South coasting』Juillet 1997 Collection Centre national des arts plastiques© droits réservés / Cnap

『Children Power』展
開催 〜7月18日
Frac Ile-de-France, le Château Domaine de Rentilly
1, rue de l’Etang
77600 Bussy-Saint-Martin
開)14時〜18時(水・土)、12時〜18時(日)
休)月・火・木・金
www.parcculturelrentilly.fr

réalisation : MARIKO OMURA

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