Hot from PARIS いまパリで起きているコト 若手シェフが活躍するパリ、変化する「食のあり方」とは?

Paris 2022.01.07

パリでいま注目の出来事を、パリ支局長の髙田昌枝がリポート。今月は、若きシェフの活躍と、彼らが提案するいまの時代の食のあり方について、紹介します。


若手シェフ台頭の裏に、食の民主化とエコロジー。

パリでは秋頃からカルチャーやファッションが一気に元気を取り戻し、イベントも再開。アメリカやヨーロッパの観光客の姿も戻りつつあるいま、気になるのは食の世界だ。

最大の話題は、オテル・プラザ・アテネのシェフ交代だった。20年間3ツ星を守ってきたアラン・デュカスが退き、ジャン·アンベールが就任したのだ。彼は若き料理人が腕を競うリアリティ番組「TOP CHEF」の2012年の勝者で、ミシュランの星こそないが、ハリウッドスターにファンの多いことで有名だ。

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オテル・プラザ・アテネのシェフに就任したジャン・アンベール。ガストロノミーも2022年1月5日にオープンしたばかり。 photography: Boby Allin
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「トマト・ファルシ」など祖母の味がインスピレーション源に。 photography: Boby Allin
Le Relais Plaza(Hôtel Plaza Athénée)
25, avenue Montaigne 75008
tel:01-53-67-64-00
営)12:00〜14:30、19:00〜23:00
無休
www.dorchestercollection.com/en/paris/hotel-plazaathenee/restaurants-bars/le-relais-plaza

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「TOP CHEF」が始まった09年以来、同番組出身者の活躍は若い世代の食への興味を育て、シェフの世代交代を引っ張ってきた。20年の参加者モリー・サコは、同9月に開いたレストランMoSuke(モスケ)で早くも21年のミシュランの星を獲得した。21年優勝者のモハメド・シークはパリ最小のパラスホテル、ラ・レゼルヴのブラッスリーで、この秋にゲストシェフを務めたばかり。ファイナリストのひとりトマ・シショルムも11月にレストランをオープンした。

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モリー・サコは、開店1年目でミシュランの若手シェフ賞と1ツ星を獲得。 photography: Chris Saunders
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オマールに味噌、トマト、発酵唐辛子を添えて。 photography: Quentin Tourbez
MoSuke
11, rue Raymond Losserand 75014
tel:01-43-20-21-39
営)12:00〜13:45、19:00〜21:00 
休)日、月
https://mosuke-restaurant.com
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トマ・シショルム。オープンキッチンの活気ある店を11月に開店。 photography: Antoine Motard
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ポロネギのひと皿。 photography: Antoine Motard
Chocho
54, rue de Paradis 75010
tel:01-42-28-26-03
営)12:00〜14:00、19:00〜24:00
休)月、火
www.chocho.becsparisiens.fr

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自宅で料理する人が増え、環境問題が重視されてよりエシカルな食生活が求められるいま、彼ら新世代シェフは従来の美食のコードやカテゴリーにとらわれない食のあり方を示しているよう。たとえば、セネガル出身のモリー・サコは“アフリカと日本の影響”を謳う。パリ市立現代美術館の新レストランを率いるジュリアン・セバグやケータリングシェフのクロエ・シャルルは、食品ロスゼロを標榜する。いずれも30歳前後のシェフたちは異文化をミックスし、ストリートフードを取り入れ、エコロジーを重視して、自分たちを支持する同世代に向けて食を民主化する。ガストロノミーの修業をしていない独学シェフが現れたり、レストランを持たないケータリングシェフが注目を浴びるのもSNS時代ならではだろう。

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ゴ・エ・ミヨが2022年の「若き才能」に選んだジュリアン・セバグ。地産地消や食品ロスゼロを目指すエコレスポンシブルなシェフ。 photography: Marilyn-Clark
Forest(Musée d’Art Moderne)
11, avenue du Président Wilson 75116
tel:01-84-25-12-22
営)12:00〜14:30、19:00〜21:30(月)、11:30〜18:00、20:00〜
翌1:00(日、火〜土)
無休
www.forest-paris.com

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もうひとつの傾向は、期間限定やコラボレーションレストラン。夏季限定のポップアップには若手が続々と起用されて腕を振るったが、この冬の話題はADMO(アドモ)。デュカスのチームとスペイン人シェフのアルベール・アドリア、ドン ペリニヨンの醸造責任者とがコラボするケ・ブランリー美術館屋上のレストランで、営業は限定100日。ファッション同様、食の世界もポップアップが増えそうで、ますます目が離せなくなりそうだ。

*「フィガロジャポン」2022年2月号より抜粋

text: Masae Takata (Paris Office)

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