パッサージュ・デ・パノラマ、餃子の次はラーメン・バー。

Paris 2022.01.10

パリっ子たちにとって、ラーメンも寿司と同格の“和食”である。日本人街と呼ばれるサンタンヌ通り周辺の日本人相手のラーメン屋さんにフランス人客が行列するのは、いまや少しも珍しい光景ではなくなった。一風堂もパリ進出を果たしているが、昨年からなんとなく増えているのは、フランス人によるラーメン屋さんだ。スターシェフのギー・サヴォワまでもこのブームに参加している。

パリ最古のパッサージュとして名高いパッサージュ・デ・パノラマはかつては観光客相手のレストランが多かったのだが、 10年くらい前に「Gyoza Bar(ギョウザ・バー)」ができてから“和食”好きの若いパリっ子がたちが気軽に食事にやってくるようになった。そんな彼らの胃袋に誘いかけるかのように、パッサージュ内にも「Ramen Bar(ラーメン・バー)」がオープン。仕掛け人はギョーザ・バー、そしてマレの「Mr.T」を成功させた起業家のギヨーム・ゲッジである。パッサージュ・デ・パノラマ内でミシュランの2ツ星に輝いた日本人シェフによるレストランの「Passage 53」のアソシエイト・オーナーだった彼。その場所にガストロノミーから一転し、ラーメン・バーを開いたのだ。

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パッサージュ・デ・パノラマのラーメン・バー。イートイン、テイクアウト、配達で。

バーと名付けてあるように、店の大半を占めるのはカウンター席。一角にテーブル席があり、パッサージュなので雨の日でも落ち着いて食事ができるテラス席があるというスタイルはギョーザ・バー同様である。さあ、メニューをのぞいてみよう。ダイレクトにラーメンでもいいけれど、ここはフランス。まずは前菜から。野菜の天ぷら、トリュフ風味の煮たまごマヨネーズ、牛肉のたたきの3種が並ぶ。そして添えとしては枝豆、ご飯。同じページの下にはチャーシュー丼(El Don Buta)、揚げ豆腐を入れた野菜たっぷりスープ(Hell Si !)が。これはラーメン以外のメインを望む人向けらしいけれど、ラーメン・バーに入ったら、やはりラーメンを食べなければ。ラーメンのメニューを開くと、3つに分かれている。トラッド醤油味が3種(10ユーロ~)、野菜スープの味噌味が3種(12ユーロ~)、そして洗練ガストロノミー・ラーメンが2種(14ユーロ~)。この中の一番人気は、醤油味の「Tori <deux fois>」だという。ラーメン・バーでは醤油ラーメンも豚骨ではなく鳥がらスープがベースである。この鳥のダブルを意味するラーメンは鳥のスープに加え、チャーシューも鶏肉だからだ。もちろんトラッドな豚チャーシューバージョンもある。麺は自家製の細めを使用。パリ市内の新興ラーメン店の中には、お腹は満たせても味に期待できないお店もあるけれど、ラーメン・バーは味と価格のバランスがとても良い。次には何を試してみようかという気にさせる。

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前菜3種。熱々の野菜の天ぷら(6ユーロ)、ワサビが効いた牛肉のたたき(8ユーロ)、ちょっと不思議な煮卵のトリュフ風味マヨネーズ(7ユーロ)。photos:Mariko Omura

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左: 味噌ラーメン3種、醤油ラーメンのベジタリアンには半熟卵は入らないがトッピング(2ユーロ)で追加が可能だ。また、自家製ラー油は1ユーロ、チャーシュー3ユーロ、替え玉2.5ユーロ。 右: ガストロノミー・ラーメンの「Supa Black Tan」(14ユーロ)。ラーメンを超えたおいしさ。チキンのブイヨンに黒ゴマが効き、コクのあるスープに牛ひき肉、長ネギ、青梗菜、生姜入り。日本人陶芸家によるラーメン・バー特製のうつわは下が馬上杯のようにすぼんでいるので、最後、レンゲに具をまとめやすい。photo:(右)Mariko Omura

シェフのシャルロット・ペイヤンはこの8年をラーメンに捧げている女性で、パリの複数のラーメン店を経ている。ラーメン・バーのメニューについては、Mr.TのシェフであるTsuyoshiとともに味の開発を担当。時代を鑑みたレシピで、味噌ラーメンの「Big Tori」と「Soy Boy」には豆乳を使用し、また、3つのカテゴリーには必ず1種、ベジタリアン向けが含まれている。日本語、フランス語、英語をちゃんぽんした(といっても、チャンポンはメニューにはない)ネーミングがふるっているので、ラーメンの出来上がりを待つ間にメニューを再度眺めてクスリとしてみよう。なおガストロノミー・ラーメンのひとつ、白湯スープにウサギ肉という「Kawaï Usagi」は2月頃までの季節の味。暑い季節には冷たいラーメンを予定している。日本では食べられない自由な発想によるオリジナルな味に期待しよう。

Ramen Bar
53, Passage des Panorama
75002 Paris
Tel: 01 42 33 04 52 
営)12:00~14:30 19:00~22:30
休)日、月
@Ramenbarparis

editing: Mariko Omura

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