ブルー・バオ、オープンするやパリっ子で活気づく中国点心店。

Paris 2022.03.02

和食に限らず、韓国料理、中国料理……アジアの味がパリっ子たちの愛を誘い続ける昨今。パリ9区の地下鉄ノートルダム・ドゥ・ロレット駅から徒歩2分、スイーツでおなじみマルティール通りからもすぐ近くという便利な場所にオープンした「Bleu Bao(藍小包/ブルー・バオ)」は、2月半ばに開店するや連日満員という人気である。予約をとらない店なので食事をするには待つしかなく、かくして店の外には長い行列ができることも。

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左: ボボが集まる9区で、夜はもちろん昼も目をひくブルーのネオン。 右: 2階のコーナー。photos:Carole Cheu

2フロアからなる250㎡のブルー・バオ。インスピレーションとなったのは中国のブルジョワ旧邸宅で、店名にブルーとつけられているのはそうした家庭で使われる伝統的な食器の色ゆえだ。ここは8区にある高級チャイニーズレストランとも中華街の庶民的なレストランとも一線を画す、新しいタイプの店といえる雰囲気。そしてメニューも画期的で、ブルー・バオが提案するのはパリでは珍しく点心である。春巻、シュウマイ、大根もち、小籠包……テーブルにさまざまな料理が並び、それを仲間と分け合えば日常の食事もちょっとした祝宴だ。エティエンヌ・マルセル通り近くのバオ(包子)専門の「Petit Bao(プティ・バオ)」、運河の近くで北京ダックをメニューのメインに据えた「Gros Bao(グロ・バオ)」を成功させたセリーヌ・チュングの新しい挑戦がこのブルー・バオ。バオ・ファミリーという名称でインスタグラムを活発に発信し、ブルー・バオも開店前からファンの心を煽っていたらしい。上海ヌードルやチャーシュー・バオといったファミリーで人気の味は、ブルー・バオのメニューにも含まれている。もっとも、ほかの2店のファンであろうと、ほかの2店を知らない客も、デザートにいたるまで楽しくおいしく過ごした後は、誰もが “またブルー・バオに近々来ようね!”となるようだ。 週末はノンストップ営業。半端な時間にも点心の食事ができるって、これもなんとうれしいことだろう。

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左: 点心は1品3ピースが基本で、小籠包は1蒸篭6個入りだ。 右: サラダや棒棒鳥といった冷菜、焼きそば、野菜炒め、豚の角煮といった温かい料理もある。photos:Carole Cheung

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デザートは4ユーロ〜。漢字では流沙包、アルファベットではLava Baoという卵のクリームが流れ出す包子(パオツ)は逸品! photos:Carole Cheung

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ヴィンテージ・コンテンポラリーというオーナーが描くレストランのイメージを内装に仕上げたのは、女性デュオの室内建築スタジオAtelieramoだ。明朝の絵画の中のモチーフを拡大した壁紙や、ビロードのカーテンなど詩情漂う店内。ウォン・カーウァイ監督の映画『花様年華』の世界が広がっている。2階の通りに面したスペースは、テーブルも椅子も低くサロン風。ここでのんびりと点心とおすすめのカクテルの時間を過ごすのもいいだろう。シェフはパリでかつて「Dersou」などでも働いていたアマンディーヌ・セプルクル・ヒュアン。彼女は中国の料理自慢の8つの地方の味をうまく料理に取り入れている。それに歩調を合わせるように、カクテルも8種。カクテルメニューを開くと、ライチ味の広州の春、金木犀の花の香りの杭州の金桂、ウーロン茶ベースの福建の柔情などとカクテルそれぞれに地名がつき、その解説には地図も一緒に。

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中国のブルジョワ旧邸にトリップした気分が味わえる。photos:Carole Cheung

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2階席。階段上がってすぐのスペースがカジュアルなら、奥はサロン風でコージーな雰囲気だ。photos:Carole Cheung

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左: シェフのアマンディーヌ。 中: 漢字だと青包。四川の胡椒を利かせたオリジナルビールだ。 右: 各テーブルにオリジナルのバオ・ソースが置かれている。photos:(左・中)Carole Cheung、(右)Mariko Omura

Bleu Bao
8, rue Saint-Larare
75009 Paris
営)12:00~15:00、19:00~23:00(月~金) 12:00~23:00(土、日)
無休
www.baofamily.co/bleu-bao

editing: Mariko Omura

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