夏の太陽が輝く、エクス・アン・プロヴァンスを訪ねて エクスの住民となったパリジェンヌ、サフィアのお気に入りアドレス。
Paris 2022.08.03
エクス・アン・プロヴァンス。この色の鎧戸、マドンナ像を街中いたるところで目にするはずだ。
パリのリヨン駅からTGVで3時間で到着するエクス・アン・プロヴァンス。南フランスの中でも歴史と文化が息づく街だ。オペラ、演劇、バレエなどの公演もあれば、夏には音楽フェスティバルが開催される。この街で暮らし始めたサフィア ・トマス・ベンダリはパリと同じように劇場に通いを楽しみ、また街のふたつの美術館の企画展も評価している。ほとんどのことが徒歩でできる小さな町なので、まだ暮らし始めて半年もたっていない彼女の頭にもすでに町の地図が入っている様子で、お気に入りのエピスリーやレストラン……彼女のお眼鏡にかなった住民ならではの行きつけの店をいくつか教えてくれた。
左:エクス・アン・プロヴァンスの名前に結びつくアーティストはポール・セザンヌ。彼の足跡をたどるツアーもあるようで、市内の歩道にこんなメタルの表示が見つけられる。 右:セザンヌが描き続けた壮大なサント・ヴィクトワール山は、エクスの市内から車で20分くらいの距離。photos:Mariko Omura
Place Richelmeにたつ朝市。サフィアはここで野菜、フルーツ、そして花を購入する。photos:Mariko Omura
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Farinoman Fou(ファリノマン・フー)
「アンスイに暮らしていた時の隣人が経営しているパン屋さんなので、エクスに暮らし始める前からこの店は知ってました。パンを入れてくれる袋に、説明が書いてあるのだけど、古代小麦で焼いていて、とてもおいしいの。この店では毎日のように新しい味のパンを作ってるのよ。欠かさずに買うのはオリーブのフガス、オリーブと山羊のチーズが入ったタンゴというパン。クルミ、杏などが入った黒いパンもちょっと高価だけど好き」
お気に入りのパンを目指すなら、早めの時間に買い物を。photos:Mariko Omura
5, rue Mignet 13100 Aix-en-Provence 営)7:00~19:00 休)日、月
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Weibel(ヴェベル)
「引っ越してくるまで、ヴェベルの名前は聞いたことがなかった。発見し、あれこれお試してみました。パティスリーのお気に入りは、チェリーを乗せたアーモンドタルトのランピヨン。軽いランチにいいのは、チーズのパイロールね。この店を見つけて、とっても満足しています。朝も早い時間から毎日開いているので、観光客にもとても便利なアドレスだと思うわ」
創業は1954年。パッケージなどどことなくラデュレに似ていなくもない。パティスリーだけでなく、アペリティフ用のミニパイ(右)もサフィアはここで購入。photos:Mariko Omura
2, rue Chabrier 13100 Aix-en-Provence 営)7:30〜19:00 休)なし
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Léonard Parli(レオナール・パルリ)
「レオナール・パルリといったら、エクスの名物カリソンでとても有名な店です。もっとも私がこの店にゆくのはカリソンではなく、フルーツのコンフィを買うためです。自宅でディナーやランチを催す時、これをデザートに出すと、おいしいのでみんなが飛びつくの。カフェと一緒にチョコレートの代わりという感じに」
市内に何軒も店を構えている。チェリー、いちご、レモンスライス……フルーツのコンフィは色もきれいで、おもてなしにぴったり。photos:Mariko Omura
35, avenue Victor Hugo 13100 Aix-en-Provence 営)9:30~19:00 休)日
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André Savelli(アンドレ・サヴェリ)
「チーズが大好きな私のお気に入りがこの店よ。ここで買う山羊のチーズ、それにおいしいバターとパンがあれば……」
チーズの種類は迷うほど揃っている。ワインやオリーブなどエピスリーとしても利用できる店だ。photos:Mariko Omura
9, rue des Marseillais 13100 Aix-en-Provence 営)8:00~13:00、16:00~19:30 休)日月
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Grandi Sapori di Casa(グランディ・サポリ・ディ・カーザ)
「自宅の近くに良いイタリア食材店があるのは、私にはとても大切なこと。だって、おいしくないモッツアレラは買いたくないでしょ。イタリア人が大勢買い物に来ていて、これはとても良い証と言えますね。トマトなどイタリアでとれた野菜も売っていて、味わいが深いの」
イタリアからフレッシュな野菜、チーズが届き、イタリア人にも人気の店だ。photos:Mariko Omura
20, rue Paul Bert 13100 Aix-en-Provence 営)9:00~19:30 休)日
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L’Incontournable(ランコントゥルナーブル)
「味にうるさい知人に勧められたレストラン。3本の楡の木という名前のチャーミングな広場に面していて、天候次第ではここにもテーブルが設けられます。夜、このテラス席での食事はとても快適。料理はフュージョン系といえばいいのかしら」
いかにも南仏!という雰囲気のテラス席が魅力のレストラン。photos:Mariko Omura
14, rue de Montigny (Place des 3 Ormeaux) 13100 Aix-en-Provence 営)12:00~14:00、19:30~22:00 休)日
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Le Petit Bistrot(ル・プティ・ビストロ)
「ここは簡単にランチをとりたい時におすすめです。市場がたつ広場に面していて、営業時間中、いつも活気がいっぱい。夜、ほかの店で食事をした後にカクテルを楽しむ時にも便利に活用しています。マルティニとカフェのカクテルはほかのどこよりも味がいいわ。ビストロの脇の道にローストチキンを専門にする小さな店も経営していて、ここで焼きたてのチキンを買ったりも」
左: 朝から晩まで一日中賑わう店。 右: マルティニとカフェのカクテル。photos:Mariko Omura
左:市場のたつ広場に面したカフェレストラン。 右:脇道にはチキン・ローストを販売する同経営の店が。photos:Mariko Omura
Place Richelme 1, rue Méjanes 13100 Aix-en-Provence 営)9:00~02:00 休)なし
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Caravane(キャラヴァンヌ)
「この街でインテリアのブティックといったら、キャラヴァンヌ。もちろん市内にはほかの店もあるけれど、このブランドの良い点は流行を追っていないので時代を問わず、それに家の中のどの空間にも似合うの。家具のフォルムはとても快適で、布のセレクションも素晴らしい」
フランソワーズ・ドルジェがパリで1995年創設したブランド。自然素材と美しいカラー、シンプルなデザインというそれまでにないインテリアのスタイルをパリジェンヌたちに提案し、以来、フランス中で人気は衰えず。photos:Mariko Omura
7, rue Paul Bert 13100 Aix-en-Provence 営)10:00~19:00 休)月
editing: Mariko Omura