9月のパリ、街中にデザインがあふれる 挑戦/動物たちの鼓動を伝えるラリックの「アンプラント アニマル」。

Paris 2022.09.27

9月のパリは月末のファッションウィークに先駆けて、デザイン&インテリアでスタート。8日から12日まではパリ郊外で恒例の国際的トレードショー、メゾン・エ・オブジェが、そして同時に始まったパリ・デザイン・ウィークは9月17日まで開催された。これには多くのギャラリーやブティックが参加し、パリ市内がデザイン色に染まった。


スペインを代表するアーティスト、ハビエル・コルベロ(Xavier Corberó)のミステリアスな迷宮を舞台にした「アンプラント アニマル」のティーザービデオ。コレクションの幻想的な世界へ誘われる。

創業者ルネ・ラリックがジュエリー、クリスタルのクリエイションにおおいにインスピレーションを得ていたように、自然界はいまもラリックの創造性を刺激し続けている。

9月上旬にパリのパヴィヨン・エリゼ内で発表された2023年度の春夏コレクションは、自然界の中から動物にフォーカスした「アンプラント アニマル」だ。アンプラントとは足跡や指紋のように印された痕跡を意味する。鬱蒼と茂る緑の中を歩くような構成の会場内、スポットライトが放つ光がクリスタル・ピースの透明性を強調し、クリスタルを通り抜けた光は幻想的な影を生み出していた。熱い国の動物の毛並み、鳥の羽、ワニの鱗……ラリックのクリエイティビティと独自のサヴォワールフェールが組み合わさったコレクション「アンプラント アニマル」からはジャングルに生息する生き物の鼓動が感じられるようで、ダイナミックであり同時にポエティックだ。とりわけ目を引くのは“アマゾン グリーン”の花瓶やオブジェ。この緑色を得るために混ぜ合わせるプラセオジムは温度の面で技術的に扱いが難しい元素で、メゾンにとって大きなチャレンジだったという。

オブジェや花瓶など美しいアール・ドゥ・ヴィーヴルを約束するアイテムに加え、動物の“アンプラント”はジュエリーの新作にも。シンプルなデザインのブレスレット、ネックレス、リング、イヤリングのクリスタル・チェーンのモチーフに用いられている。神秘的な動物界のポエジーが込められたジュエリーコレクションの販売開始が楽しみだ。

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左: 鳥の羽にインスパイアされた花瓶。透明とアマゾン グリーンの2色。 右: アマゾン グリーンのトゥーカンは嘴にプラチナが用いられている。photos:Mariko Omura

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シマウマの黒白ストライプを透明と半透明で浮き彫りにした器。光と戯れて生まれる動物のアンプラントの影もとても美しい。photos:Mariko Omura

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左: ワニのような獰猛な生き物もラリックの魔法で優美で洗練された存在に。右: 2023年度のパフュームの限定コレクタブルボトル。 photos:Mariko Omura

editing: Mariko Omura

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