2023年春夏パリコレクション、気になるエトセトラ シーズン開幕は、パリ・モード界の寵児ヴァインサント。
Paris 2022.10.15
左: モデルのノエミ・ルノワールを先頭にフィナーレ。 右: ヴィクトール・ヴァインサント。photos:Dominique Maitre
パリの人気ニュース番組にもショーの後、早々に招かれたVictor Weinsanto(ヴィクトール・ヴァインサント)。9月26日17時、彼のブランド「Weinsanto」が2023年春夏コレクションのオフィシャルな開幕ショーを果たしたからだ。会場はドーバー ストリート マーケットのカルチャースペースで、フラン・ブルジョワ通りの住所の数字をつけた3537だった。
2021年春夏にデビューコレクションを発表した彼はジャン=ポール・ゴルチエをはじめ、多くの著名人から愛されサポートされている。これまでも“fun”を追求した遊び心いっぱいのショーを構成してきた彼だが、5回目となる今回のコレクションでは、彼の友人たちや才能あふれるアーティストたちをモデルに起用。次々と登場するモデルたちのボディサイズもさまざまなら、性別もミックスだ。クリエイティビティを分かち合い、競い合う仲間の中には、翌々日にショーを控えたロシャスのクリエイティブディレクターであるシャルル・ドゥ・ヴィルモランの姿も。彼自身による巨大なデッサンを頭部に背負って歩く姿は、学生時代にモデルの経験をしたことがあるだけあって堂々たるものだった。
photos:Dominique Maitre
ボンバー、デニム、スウェットなどブランドですでにおなじみとなっているアイテムは、クチュールライクなでもちょっと羽目を外したアイテムとミックスされたコーディネートで。コレクションにはこれまでに見られなかったピンクやベージュといった明るい色の服も見られた。ハイクオリティの布地の中にはLVHMの「Nona Source」からのデッドストック・ファブリックも含まれているそうだ。新しいディテールはプレッション・ボタン。それを外すことでドレスやサロペットがアシンメトリーな服に変化したり、肌を見せて楽しめるというアイデアだ。
ランウェイはパーティの後のアフターから帰宅するシーンという設定なので、お祭り気分漂うショーとなった。コレクションのタイトルは「Common Love」。ポジティブ&陽気にシーズン開幕を告げた。
photos:Dominique Maitre
editing: Mariko Omura