メゾン・カリオス、マルティール通りにできたギリシャ食堂。

Paris 2022.10.22

パリ9区のマルティール通りといったら、スイーツ・ストリート。でも、その54番地にこの秋にオープンしたのはパティスリーではなく、オリーブオイルでおなじみの「Kalios(カリオス)」によるイートイン&テイクアウトのレストラン「Maison Kalios(メゾン・カリオス)」だ。エピスリーも兼ねている。斜め向かいにはギリシャ出身で世界的に活躍するアーティスティックディレクターであるヨルゴ・トゥルーパスのカフェ・ヨルガキがあるという立地で、偶然にもギリシャの味がここに2つ揃ったのである。

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ギリシャ色のブルーと白を目印に。photos:(左)Félix Dol Maillot(右)Léo Kharfan

カリオスはギリシャ人を父に持つピエール・ジュリアンとグレゴリー・シャンツィオス兄弟が、ギリシャのオリーブオイルをビッグシェフたちに知ってほしい、という意図からスタートしたブランドだ。ペロポネソス半島のカラマタ地方にファミリーが8世代前から所有していたオリーブ畑をふたりが引き継いで、2010年にブランドを設立。いまでは1000名のシェフにカリオスのオイルは愛されている。そのうち100名がスターシェフというように、彼らはブランドを順調に軌道に乗せたのだ。

その創設から12年後に彼らはメゾン・カリオスをオープンしたのである。もちろん肉も食べるけれど、オリーブオイルと野菜がたっぷりの味わい深い健全食で知られるギリシャ料理を手頃な価格で提案しているので、日常的に利用できるのがうれしい。煮込んだビーフ、羊の7時間コンフィ、ムサカ、サラダなどがメイン。ビーフや羊のコンフィあるいはズッキーニ・コロッケをピタパンで野菜と一緒に挟んだサンドイッチもある。ガラスケースの中のタラマ、ドルマダキア(ブドウの葉包み)、フムス、ザジキなどのメッツェもいいだろう。毎日17時からのアペリティフ用のメニューも用意されている。デザート? たっぷりのオレンジと蜂蜜に浸した「Portokalopita(ポルトカロピタ)」を。なんだか呪文のような名前だけど、覚えておくとギリシャ旅行をしたときに役立ちそう。

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左: ピタパンのサンドイッチ。12ユーロ〜 中: 店の奥のキッチンで季節の素材を用いて作られる料理でメニューが構成されている。 右: ムサカはサラダとセットで16ユーロ。photos:Léo Kharfan

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オリーブオイルの製造に加え、彼らはギリシャ国内の良質な食料品のソーシングも行なっている。メゾン・カリオスの店内の壁がエピスリーコーナー。オリーブオイルやオリーブだけでなく、イチジクのバルサミコ酢、ドライ・オレガノ、ミカンのマーマレード、ハチミツ……なども購入できる。

外から店内をのぞくとニョキッと店内にそびえるオリーブの木が目に飛び込む。ギリシャの建築のメインカラーである白とブルーを基調にした店内、白い素朴な椅子と丸テーブルが並ぶ。まるで小さな海岸町の食堂のようで、ギリシャを知る人も知らない人も引き寄せている。

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オリーブオイルやタラマやザジキなどを量り売りするコーナー。photos:Félix Dol Maillot

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壁の棚がギリシャのおいしい品を集めたエピスリー。Julien Sebbanの建築スタジオUchroniaが室内建築を担当した。photo:Félix Dol Maillot

Maison Kalios
54, rue des Martyrs
75009 Paris
営)10:30(土日9:30)~20:30(日19:30)
無休
www.maisonkalios.com

editing: Mariko Omura

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