2023年春夏パリコレクション、気になるエトセトラ ベルギーの海浜ヴァカンスで、砂のお城とデルヴォーのバッグ。

Paris 2022.10.25

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新作を発表した7区のタウンハウス内、ベルギーの海浜避暑地のインスタレーションが出現した。photos:Mariko Omura

9月29日にデルヴォーが来年の春夏コレクションを発表したのは、パリの高級住宅地7区のあるタウンハウス。まずは柳の枝とレザーで編んだ実物の何倍もの大きさの「Pin Mini Bucket(パン ミニ バケット)」に迎えられる。その驚きに続いて、会場内、部屋の天井まで届きそうな背の高い砂のお城が。新しいシーズンのテーマは、夏にベルギーの海岸で過ごす避暑“Villégiature”がテーマである。フランスのリヴィエラ海岸のような華やかで開放的な土地とは異なる味わいのオステンドやクノック。特別感はあるもののこぢんまりと家庭的なベルギーの海岸町は自然も身近にあって、小さな王国ならではの魅力が海辺に漂っているのだ。

この砂のお城の中で存在感を放っていたのは、今シーズンの主役であるバッグ「Tempête(タンペート)」である。海になびく帆をイメージしたオリジナルのシルエットはそのまま、サイドから見るとラインがよりピュアになったことがわかる。これまでのTempêteは砂で不完全に作られていて、嵐(tempête)にあった後、新たな型へと生まれ変わることを象徴していた。なおTempêteには新しいチェーンの「Tempête Clutch」が加わった。

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左: 柳とレザーで編んだビッグサイズの「Pin Mini Bucket」を会場エントランスに展示。バッグの下は海鳥の卵をイメージしたディスプレー台。 右: 砂のお城と「Tempête」。photos:Mariko Omura

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左: 新作の「Tempête Crush」。 右: チェーンが新しいクラッチ。photos:Mariko Omura

今年50周年を祝うのは、馬の飼い葉桶がインスピレーションのバッグ「Pin(パン)」。正面に大きくデザインされたメゾンのイニシャルDはそのまま、「Co-Pin」が新たに登場した。ポーチあるいはクラッチバッグとして持ち方を変えて楽しめ、毎日の“相棒”のような存在。友だちを意味する“Copain(コパン)”というフランス語の遊びで、「Co-Pin(コパン)」という命名なのが愛らしい。

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左: レザーの風車と遊ぶ「Co-Pin」。 右: 「Pin Toy」が並ぶ砂丘にはレザーのポンポンが花のように咲いていた。photos:Mariko Omura

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左: 「Lingot Small」の新色。 右: 「Brillant」「Pin Mini Bucket」などに用いられているのは、今年発表された新しいレザーのテクニックだ。photos:Mariko Omura

タウンハウスの1階には、デルヴォーのクリエイティビティとサヴォアフェールが生み出した「Brillant」や「Pin」ファミリーなどの新しい逸品を集めた部屋も用意されていた。そこに展示されているのはおなじみのフォルムのバッグなのに、“ああ、こんなことが可能なんだ!!”と技がもたらす美しさ、ハイクオリティに改めて驚かされる。このふたつの型は1829年創業のデルヴォーのクラフツマンシップ、クリエイション、常に革新し続ける姿勢を体現する存在なのだ。

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刺繍やステッチといった職人の手技が光る「Brillant」と「Pin Swing」。photos:Mariko Omura

 

editing: Mariko Omura

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